リードナーチャリングとは?基本から成功のための7ステップまで徹底解説!
リードナーチャリングは、近年注目されているマーケティング手法の一つです。しかし国内市場ではまだまだ新規開拓などに注力する企業が多く、ナーチャリングに取り組めていない企業も多いと思います。
本コラムでは、リードナーチャリングの基本的な概要から、注目される背景やメリット・デメリットについてお伝えします。また、見込み客の育成方法やプロセスなども解説しますので、これからリードナーチャリングを取り入れて行きたい方はぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.リードナーチャリングとは何か?
- 2.リードナーチャリングの役割
- 2.1.リードジェネレーションとは?
- 2.2.リードクオリフィケーションとは?
- 3.リードナーチャリングが注目される背景
- 4.リードナーチャリングのメリット・デメリットとは
- 4.1.リードナーチャリングのメリット3選
- 4.1.1.メリット1:商談・受注の機会損失を防げる
- 4.1.2.メリット2:営業活動の生産性が上がる
- 4.1.3.メリット3:製品・サービスへの信頼感が増す
- 4.2.リードナーチャリングのデメリット3選
- 4.2.1.デメリット1:時間とリソースが必要
- 4.2.2.デメリット2:成果の見込みまでの時間がかかる
- 4.2.3.デメリット3:成果の測定と評価が難しい
- 5.リードナーチャリングの実行手順7ステップ
- 5.1.STEP① 顧客情報の収集・一元化
- 5.2.STEP② 顧客情報のセグメント
- 5.3.STEP③ ステージを細分化する
- 5.4.STEP➃ カスタマージャーニーを作成する
- 5.5.STEP⑤ インサイドセールス部門や営業部門と密に連携する
- 5.6.STEP⑥ スコアリングなどを使いナーチャリングの完了を定義する
- 5.7.STEP⑦ コンテンツを作成する
- 6.リードナーチャリングで成果を出すためのポイント
- 6.1.ポイント① KPIを設定する
- 6.2.ポイント② ホットリードの定義を明確にする
- 6.3.ポイント③ 部門間で連携する
- 7.具体的なリードナーチャリングの6つの手法
- 7.1.① SNS
- 7.2.② リターゲティング広告
- 7.3.③ メール
- 7.4.④ セミナー
- 7.5.⑤ 電話
- 7.6.⑥ オウンドメディア
- 8.リードナーチャリングのアプローチの流れ【部門別】
- 8.1.マーケティング部門のアプローチ方法
- 8.2.インサイドセールスのアプローチ方法
- 8.3.営業部門のアプローチ方法
- 9.MAならリードナーチャリングを効率化できる
- 10.費用を抑えて始めやすいリードナーチャリングの種類
- 10.1.① Webサイトの問い合わせフォーム
- 10.2.② ステップメール
- 10.3.③ ノウハウの提供メール
- 11.リードナーチャリングの効果測定方法と活用できる3つの指標
- 11.1.コンバージョン率
- 11.2.リードエンゲージメント
- 11.3.セールスサイクルの短縮化
- 12.メールを使ったリードナーチャリング事例
- 12.1.事例① アソビュー株式会社
- 12.2.事例② 株式会社ホットスタッフ品川
- 12.3.事例③ センターゲート株式会社
- 13.まとめ
リードナーチャリングとは何か?
リードナーチャリングとは、企業が自社の製品やサービスに興味を示した見込み客(リード)を育成し、商談や受注につなげる手法のことを言います。見込み客の検討度合にあわせて適切なアプローチを継続しておこなうことで、購買意欲を向上させ、最終的に売上に繋げることが目的です。
見込み客(リード)を育成(ナーチャリング)するという意味から、この言葉は作られています。
ナーチャリングの対象は、なんらかの形で一度企業と接点を持ったリードすべてとなります。新規顧客だけでなく、アポ獲得に繋がらなかったリードや一度失注してしまったリードも対象となります。
リードナーチャリングの役割
リードナーチャリングは、先述の通り「購買意欲を向上させ、最終的に売上に繋げる」ための手法ですが、まずは顧客に自社のサービスや商品に興味をもってもらうことが前提となります。
そのため、「リードジェネレーション」と呼ばれる見込み客(リード)の獲得・自社サービスの興味喚起をおこない、リードナーチャリングを実施してから、「リードクオリフィケーション」と呼ばれる見込み客(リード)の選別作業をおこなうのが理想的なフローと言われています。
リードジェネレーションとは?
リードジェネレーションは、リードナーチャリングの前段階の役割であり「見込み客を獲得する」活動のことです。自社の製品やサービスに興味関心を持つ人たちを集め、商談や受注へとつなげます。リードジェネレーションの目的は、関心を持ってくれる見込み顧客の連絡先などの情報を収集することです。これにより、企業はリードナーチャリングをするための基盤を築くことができます。
リードを獲得するために企業で実施されるオフライン施策は、展示会やセミナー、テレアポなどが挙げられます。オンライン施策の場合は、Web広告・コンテンツマーケティング・Webセミナーなどが一例となります。
リードクオリフィケーションとは?
リードクオリフィケーションは、リードナーチャリングで購買意欲を高めた見込み客を選別し、見つけ出す活動のことです。購買意欲の高い見込み客のことは「ホットリード」とも呼ばれます。リードを適切にクオリファイ(評価)することで、企業は優先順位の高いホットリードに対してリソースを集中し、効率的な営業活動を実施することができます。
リードクオリフィケーションをおこなう時は、「スコアリング」によって見込み客の購入確度を測ります。たとえば、メルマガを開封した人よりも、問い合わせしてくれた人 の方がスコアが高いなど、施策ごとに点数をつけましょう。
見込み客と接する機会の多い営業部門と連携を取りながら、詳細なスコアリングをおこなうことで、受注率をより高めることができます。
リードナーチャリングが注目される背景
近年、リードナーチャリングが注目を浴びるようになった背景には、デジタルマーケティングの進化があります。インターネットやSNSの普及によって、情報量は飛躍的に増加し、ユーザーは製品やサービスをよく吟味して選ぶようになりました。特に、BtoB分野では1つの製品の検討から購買まで至るリードタイムも長期化しているため、購買プロセスに対して適切なアプローチや関係性づくりが重要となります。
さらに、製品比較サイトやホワイトペーパーのダウンロード等、リード獲得をする手段も増加しました。それと同時に、直近では情報収集を目的に案件にならないような、確度の低いリードの数も増えています。
これらの要因によって、企業が顧客との関係を強化するだけでなく、長い目で購買意欲を高める必要があり、効率的な営業活動を進めることができるリードナーチャリングは注目されています。
リードナーチャリングのメリット・デメリットとは
ここまで、リードナーチャリングの概要や注目される背景を解説してきましたが、続いてはリードナーチャリングのメリット・デメリットをご紹介します。
リードナーチャリングのメリット3選
メリット1:商談・受注の機会損失を防げる
メリットの1つは、機会損失を防げることです。新規リードを獲得後、すぐに案件化に繋がる顧客はごく一部に限られます。導入時期が先の場合は直近の売上に繋がらないため、確度の高い見込み顧客を優先している間に自社への興味が薄れ、競合他社が入り込む余地を与えてしまいます。
これを防ぐために、営業部門が個人裁量によって継続的にフォローをおこなうとしても限界があります。継続的かつ長期的にリードナーチャリングをおこなうことで、商談・受注の機会損失を防ぎ、売り上げの向上につなげられます。
メリット2:営業活動の生産性が上がる
メリット1にもつながりますが、営業活動がスムーズに進まない要因として、見込み客リスト内での優先順位が設定されていないことが挙げられます。リードナーチャリングを実施することで、購買意欲の高い見込み客を特定しやすくなり、営業部門は時間とリソースを注力すべきホットリードに絞りアプローチをすることができます。これにより、無駄なアプローチをおこなう必要がなくなり、営業活動の生産性が上がります。
結果として、見込み客とのコミュニケーションや提案の質が向上し、成果を上げることができるのです。
メリット3:製品・サービスへの信頼感が増す
リードナーチャリングでは、見込み客との継続的なコミュニケーションを通じて、ニーズや課題に対応する情報を提供します。これによって見込み客は自分自身のニーズが理解されていると感じ、製品やサービスに対する信頼感が高まります。
信頼感が高まると長期的な関係を築くことができ、製品やサービスに対しても安心感を抱くようになるため、競合サービスよりも自社サービスを選ぶ可能性が高くなります。
リードナーチャリングのデメリット3選
デメリット1:時間とリソースが必要
リードナーチャリングは、時間とリソースを要する活動です。見込み客とのコミュニケーションを継続的におこなうためには、MAツール(マーケティングオートメーション)など適切なツールの契約や営業スタッフの配置が必要です。
リードナーチャリングをおこなうために、企業はリソースを適切に投入する必要があります。
デメリット2:成果の見込みまでの時間がかかる
リードナーチャリングは長期的に見込み客を育成していく手法なので、商談や受注といった成果までに時間がかかる場合があります。さらに、見込み客が興味を持ち、購買意欲が高まるまでには、複数のコンテンツを提供する必要があり、これらを作成するのも時間がかかります。
そのため、直近の売上が欲しいなど、即効性を求める場合には向いていません。
デメリット3:成果の測定と評価が難しい
リードナーチャリングは長期的な取り組みであるため、成果を測定し評価することは、一部の企業にとって課題となる場合があります。
適切な分析ツールで成果が見えるようにしたり、指標を立てそれが達成できているか確認したりなど、成果を評価する体制を整えることが重要です。
リードナーチャリングの実行手順7ステップ
リードナーチャリングを成功させるためには、以下の7つの手順を追うことが重要です。これらの手順を実施し、効果的な施策を展開することで、顧客獲得のプロセスを最適化し、成功を収めることができます。
リードナーチャリングの重要性を理解し、継続的な活動を通じて自社の成長につなげましょう。
STEP① 顧客情報の収集・一元化
リードナーチャリングを実施するためには、はじめに企業内に散在するすべてのリードの情報を収集し、一元化する必要があります。訪問や展示会で獲得した名刺、オンライン施策から入手したメールアドレスというように、顧客情報は様々な形で存在しています。また、営業個人で管理したり、部門ごとに管理したり、管理方法もまちまちとなっている企業もあるでしょう。
まずは、この散在する顧客情報をすべて一つに収集し、一元化しましょう。
STEP② 顧客情報のセグメント
収集した顧客データをもとに、リードをセグメントします。セグメントとは、性別や住所、会社名、部署、収集経路やニーズ、過去の取引履歴など、さまざまな切り口で顧客をグループ分けすることです。
顧客の属性や関心、購買履歴などに基づいてセグメントをおこなうことで、よりターゲットに合ったナーチャリングを展開することができます。
STEP③ ステージを細分化する
リードナーチャリングでは、顧客の進行ステージに応じたアプローチを実施することが重要です。顧客の欲しい情報は、製品やサービスに興味を持ち初めたタイミングと、購入を決定するタイミングでは大きく異なります。購入までのステージを細分化することによって、各ステージの顧客に対して適切に対応することが可能となります。
ステージを細分化する際には、顧客が購入する際のプロセスをモデル化したフレームワーク「AIDMA」や「AISAS」などを活用しましょう。現在、消費者の購買行動プロセスは多様化しており、それに伴いフレームワークも「DECAX」や「VISAS」など様々あります。自社のサービスの提供方法にあわせたフレームワークを使うことが大切です。
STEP➃ カスタマージャーニーを作成する
カスタマージャーニーとは、リードが自社の製品やサービスを認知してから購入するまでのプロセスにおける顧客の感情や思考の変化、そしてそれに伴う行動を時系列で可視化したものです。顧客のセグメントごとにカスタマージャーニーを設定することで、「認知」「検索」「行動」といったそれぞれのステージにおける状況の変化に合わせて、より適切な施策を検討することができます。
これにより、顧客のニーズに適切に対応し、効果的なナーチャリングを実施することが可能です。
顧客の課題を理解するリードナーチャリングをより効果的におこない、商談率や受注率を上げるためには顧客の課題を理解することが不可欠です。
マーケットリサーチや顧客インタビューを実施し、顧客が興味や関心があると思われるテーマを見つけましょう。顧客の課題認識を強めることで、商品やサービス購入の動機づけがしやすくなります。
STEP⑤ インサイドセールス部門や営業部門と密に連携する
リードナーチャリングはマーケティング部門とインサイドセールス部門や営業部門の連携が欠かせません。ナーチャリングをおこなうのはマーケティング部門でも、最終的にリードにアプローチして商談から受注を目指すのはインサイドセールス部門や営業部門なので、各部門が求めるリードの情報を把握する必要があります。
また、顧客との対話に一貫性を持たせることも必要です。各部門で提供する情報に齟齬が生じると、顧客は失望し離れてしまう可能性があります。失注した顧客を取り戻すのは難しいため、それぞれの部門がどのような情報をどのように提供しているのか、共有するようにしましょう。
STEP⑥ スコアリングなどを使いナーチャリングの完了を定義する
見込み客がどのような状態になった時点でナーチャリングが完了とし、ホットリード扱いとなるのかを明確にしましょう。その際には先に実施したカスタマージャーニーの各ステージをもとに、リードの属性、興味、行動に応じて点数を加点/減点し、購入意欲を数値化するスコアリングを使うと良いでしょう。スコアリングの点数設定は顧客の購入意欲の高さに応じて設定され、スコアが○点以上に到達したリードをホットリードと定義し営業にパスをします。
なお、ホットリードの定義はリードの質や状況により変化するため、定期的に営業部門とマーケティング部門で状況を共有し、現在の定義が適切か検証することが大切です。このような定義付けができない場合、個人の裁量判断になってしまい、検討度が高くないリードを営業部門に引き渡してしまうことになるので注意が必要です。
STEP⑦ コンテンツを作成する
リードナーチャリングの実施には、魅力的なコンテンツが必要です。スコアリングで点数が低いリード(興味関心度が低い見込み客)に対しては、サイト訪問数を増やすために、ブログでノウハウ系コンテンツを作成しましょう。
点数が平均的なリードに対しては、ウェビナーやよくある課題を解決するようなホワイトペーパーが最適です。点数が高いリード(関心度が高い見込み客)に対しては、他社比較や導入事例を紹介してもよいでしょう。
また、コンテンツは継続的に作り、提供する必要があります。同じものばかりを繰り返し提供していても、ナーチャリングには繋がらずむしろ顧客が離れてしまう原因にもなりかねません。事前に毎月〇本のコンテンツを拡充するという目標を設定しておくことも大切です。
リードナーチャリングで成果を出すためのポイント
リードナーチャリングで成果を出すために、以下の3つのポイントを意識するようにしましょう。これらの手順を実施し効果的な施策を展開することで、顧客獲得のプロセスが最適化され、自社の成長につながります。
ポイント① KPIを設定する
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で、組織の目標を達成するためにおこなう行動指標のことを指します。数値化できるKPIをきちんと設定し、新しい施策にチャレンジしたり現在進行中の施策の改善をしていくことで、リードナーチャリングの成果が出てくるでしょう。
ポイント② ホットリードの定義を明確にする
ホットリードとは、自社のサービスや商品への興味関心が高い見込み顧客のことを指します。どの段階の見込み顧客をホットリードとするのか、ホットリードの定義を明確にしておくことで効率よくリードナーチャリングを進めていくことができます。一般的に、見込み顧客の購買意欲や関心度、アクションごとで点数を付け、リードごとに合計点を出して高得点となった見込み顧客をホットリードとみなすケースが多く見られます。
ポイント③ 部門間で連携する
リードナーチャリングは主にマーケティング部門が、その後の顧客へのヒアリングや商談などの作業は営業部門が担当するケースが多いです。リードナーチャリングから受注までつなげるためには、マーケティング部門と営業部門の連携が必要不可欠です。
顧客の詳細情報や商談内容を部門間で正確かつ迅速に共有し合うことで、顧客とのより良い関係構築や今後の施策の方向性につながります。
具体的なリードナーチャリングの6つの手法
リードナーチャリングにはさまざまな手法があります。以下では、その中でも主要な手法について紹介します。
① SNS
現代において見逃せないのが、TwitterやInstagramなどSNSを活用したリードナーチャリングです。必ずしも見込客の誰が見たか情報が得られるわけではありませんが、オウンドメディアに掲載したコラムの情報、新製品情報などを投稿し、広範なユーザーに対してサービスやオウンドメディアへ誘導するのに適しています。
定期的な投稿やコンテンツのシェアを通じて、リードの購買意欲や関心度を高めることができます。
② リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社のWebサイトに訪問するなど、過去に製品やサービスに興味を示した見込み客に対して、見込み客が閲覧している外部サイトに表示する広告のことです。
製品やサービスに興味をもった見込み客に対して広告を改めて表示することで、ニーズの喚起や、自社を思い出してもらうきっかけを与えることができます。
③ メール
リードに対して定期的なメール配信を実施することで、関心を持続させることができます。メールを使ったリードナーチャリングの手法は、次のようなものがあります。
- メルマガ配信
- セグメント配信
- ステップメール
BtoCはもちろんBtoBのビジネスにおいてはメルマガは有効的な手段です。
セグメント配信ではパーソナライズされたコンテンツや特典を提供することで、リードの関心や購買意欲を高めることができ、適切なタイミングでメールを配信することができるステップメールも顧客フォローの強化に繋がります。
④ セミナー
セミナーを使ったリードナーチャリングは、多くのBtoB企業が実施している手法です。見込客の検討段階に合わせ、知りたいと思っているであろうテーマに関してセミナーを開催し、参加者に必要な情報を与えることで関心を高めます。
また、セミナーを通じて見込み客とのコミュニケーションを深め、新たな課題やニーズを把握することも重要です。参加してくれた見込客は興味・関心も高いと判断できるので、参加後もメールなどでフォローしましょう。
⑤ 電話
昨今ではインサイドセールス部門が、電話でリードナーチャリングをおこなうケースが増えてきました。従来のテレアポとは異なり、よりマーケティング視点で見込み客の状況やニーズを把握し、製品やサービスに関する情報や提案をおこないます。
電話によるフォローアップを通じて、見込み客との関係を深めることが重要です。
⑥ オウンドメディア
自社のブログやウェブサイトなどのオウンドメディアを活用したリードナーチャリングは、情報発信とコンテンツ提供を中心とする手法です。有益なコンテンツや情報を提供することで、見込み客の関心を引きつけます。
また、オウンドメディアを通じて見込み客の情報を収集し、セグメントやターゲティングをおこなうことも可能です。
リードナーチャリングのアプローチの流れ【部門別】
リードナーチャリングは企業内のさまざまな部門が連携して実施することが重要です。ここでは、マーケティング部門、インサイドセールス部門、営業部門のそれぞれのアプローチ方法を紹介します。
マーケティング部門のアプローチ方法
マーケティング部門は、リードナーチャリングの初動を担当します。具体的なアプローチ方法としては、以下の手法があります。
-
ウェブサイト上でのフォーム経由でのリード収集
ウェブサイト上に設置した問い合わせフォームや資料ダウンロードフォームを通じてリードを獲得します。リードの情報を収集し、セグメント化してナーチャリングの対象とします。
-
ステップメールの送信
リードがフォームを送信した後は、自動化されたステップメールを送信して関心を引き続けます。ステップメールでは、リードの関心やニーズに合わせた情報やコンテンツを提供します。
インサイドセールスのアプローチ方法
インサイドセールス部門は、マーケティング部門から受け渡されたリードに対して直接アプローチをおこないます。
-
メールや電話によるフォローアップ
マーケティング部門から受け取ったリードに対して、個別にメールや電話でフォローアップをおこないます。リードの関心や課題に基づいた情報提供や製品説明をおこない、関係を深めていきます。
-
ウェビナーやセミナーへの参加勧誘
インサイドセールス部門は、リードに対してウェビナーやセミナーへの参加を促すことで関心を引き続けます。関連するトピックや製品についての知識を提供し、リードの興味を高めます。
営業部門のアプローチ方法
営業部門は、インサイドセールス部門から受け渡されたホットリードに対して、最終的な営業活動をおこないます。
-
顧客訪問やデモ提供
ホットリードに対しては営業担当者が直接顧客を訪問し、製品やサービスのデモを実施します。見込み客の課題やニーズに合わせたサービスを提案し、契約の獲得につなげます。
-
提案書や見積もりの作成
見込み客に対して提案書や見積もりを作成し、具体的な提案をおこないます。価格や条件の調整なども対応し、リードのニーズに最適な形で応えるよう努めます。
MAならリードナーチャリングを効率化できる
リードナーチャリングを効率化するためには、MAツールを活用することが有効です。MAツールは、見込み客の情報や行動履歴を自動的に収集し、スコアリングやセグメントをすることで、個々の見込み客に合わせた的確なメッセージを送ることができます。
さらに、トラッキングや分析機能も備えているため、見込み客の行動や反応をリアルタイムで把握することが可能です。特定のアクションに対する反応や興味の度合いを把握することで、見込み客の興味関心やニーズを的確に把握し、適切なタイミングでアプローチを実施できます。
これにより効率的なリードナーチャリングを実現し、商談や受注へと繋げることができます。
費用を抑えて始めやすいリードナーチャリングの種類
リードナーチャリングを始める際には、費用を抑えつつ効果的な施策を選ぶことが重要です。以下は、費用を抑えて始めやすいリードナーチャリングの種類です。
① Webサイトの問い合わせフォーム
Webサイトに設置した問い合わせフォームを通じてリードを収集する方法です。Webサイトの問い合わせフォームは既存のWebサイトに組み込むだけで大きな手間をかけずに簡単に導入できます。
顧客がフォームを通じて問い合わせをすることで、企業側はリードの興味関心やニーズを把握することができます。フォームに設定された顧客の情報や要望を収集し、それに基づいて適切なフォローアップをおこなえます。
② ステップメール
ステップメールは、事前に作成したメールを指定したタイミングで自動的に送信することができるメール配信方法の1つです。ステップメールを活用することで、手動で個別のメールを送る手間を省き、大量のリードに対して効率的にメッセージを送ることができます。
さらに、ステップメールでは、複数のメールを連続して送信することができます。最初のメールでは興味を引きつけ、次のメールで情報を提供し、最終的にコンバージョンへ導くなど、段階的な接触を通じてリードを育成することができます。
ステップメールの詳細については以下のコラムを参考にしてください。
③ ノウハウの提供メール
業界の専門知識や成功の秘訣などのノウハウをメールで配信することで、見込み客の関心を高め、信頼関係を築くことができます。次第に自社のファンになり、サービスが必要なタイミングになった時に見込み客から問い合わせをもらえるようになります。
基本的には自社の専門知識や経験を活用した内容を送るので、小規模な企業や初めてリードナーチャリングを導入する企業には始めやすい手法です。手間をかけずに効果的なリードナーチャリングを実施したい場合は、ノウハウの提供メールを配信してみましょう。
リードナーチャリングの効果測定方法と活用できる3つの指標
リードナーチャリングの効果を測定するためには、適切な指標を設定し、定期的に分析することが重要です。以下では、リードナーチャリングの効果測定方法と活用できる3つの指標をご紹介します。
コンバージョン率
リードナーチャリングの最終的な目標は、見込み客を「顧客」にすることです。そのため、「コンバージョン率」は重要な指標となります。コンバージョン率は、リード発生から実際の商談や受注などの目的達成までの転換率を示します。
リードナーチャリングの効果を正確に把握するためには、リードからのコンバージョン率の変化を計測・分析する必要があります。
リードエンゲージメント
「リードエンゲージメント」は、リードが提供されたコンテンツやメールに対してどれだけ反応しているかを測定する指標です。
例えば、ステップメールを使ってナーチャリングをおこなう場合は、メールの開封率やクリック率、コンテンツの閲覧回数やダウンロード数などを分析することで、リードの関心や関与度を把握することができます。
セールスサイクルの短縮化
リードナーチャリングの効果を測定するうえで「セールスサイクルの短縮化」も挙げられます。セールスサイクルとは、リードをホットリードに変換するまでの時間やステップのことを指します。
リードナーチャリングが効果的に機能している場合は、セールスサイクルの短縮化が期待できます。セールスサイクルが短縮化することによって、迅速な売上へ繋げることが可能です。
メールを使ったリードナーチャリング事例
リードナーチャリングの施策の一例としてメール配信をご紹介しました。メール配信は費用を抑えて始めやすく、リードに対して定期的なメール配信を実施することで、関心を持続させることができるため、効果的な施策の一つといえます。ここからは、リードナーチャリング施策として実際にメール配信をおこなっている企業の事例をご紹介します。
事例① アソビュー株式会社
多様なジャンルの遊びやレジャーの情報を掲載し、利用予約やチケット購入できるサービス「アソビュー!」を運営されているアソビュー株式会社では、顧客に向けて1日に1回メルマガを配信し、顧客接点の強化を図っています。
事例② 株式会社ホットスタッフ品川
地域社会に密着した人材サービスを提供している株式会社ホットスタッフ品川では、SMSやLINEと並行しながら、週に1回最新の人材募集情報を掲載したメルマガを配信しています。
事例③ センターゲート株式会社
オフィスビルや店舗物件などの不動産仲介業を展開しているセンターゲート株式会社では、顧客の所在地域に合わせて週に1回、物件情報を載せたメルマガ配信を実施しています。配信したメルマガをきっかけにお客様よりお問い合わせいただくことが増えており、メルマガ効果を実感しています。
まとめ
リードナーチャリングは、企業が見込み顧客を獲得し、関係を深め、最終的に売上へとつなげるための重要な施策です。マーケティング部門、インサイドセールス部門、営業部門の連携が不可欠であり、効果的なアプローチ方法を選択することで効率的なリードナーチャリングを実現できます。効果的にリードナーチャリングを実施し、顧客獲得につなげましょう。
また、アララが提供する「アララ メッセージ」は、初めてナーチャリングを実施する方に最適なメール配信システムです。 当社ではお客様から「MAツールは機能が多く使いこなせなかったため、メール配信を導入したい 」という声をよく伺います。MAツールの導入で失敗する原因としては、どのような見込み客がいるか把握しておらず、効果的なメール配信の勝ちパターンが見えていないことにあります。
そのため、初めてナーチャリングを実施する場合は、メール配信システムにて見込み客の状況を把握し、効果的なメール配信の勝ちパターンを見つけてからMAツールにて自動化する方法がおすすめです。
月額9,500円から利用できる「アララ メッセージ」は効果測定やセグメント配信、ステップメールなど最初のナーチャリングのステップに必要な機能が備わっています。さらにMAツールよりも費用を抑えて利用できるため、初めてナーチャリングを実施する方にはおすすめのツールです。
お気軽にお問い合わせください。
関連コラム