メルマガのコンバージョン率(CVR)とは?平均や上げる方法を解説
多くのメールマーケティング担当者が抱える課題の一つに、メールマガジンの成約率の向上が挙げられます。成約率はコンバージョン率(CVR)ともいわれ、売上に直結する重要な指標です。
本記事では、コンバージョン率(CVR)の計算方法や平均値、測定ツールについて詳しく説明し、さらにコンバージョン率(CVR)を向上させるための逆算についても、ステップごとにポイントをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.メールマガジンにおけるコンバージョン率(CVR)とは?計算方法も合わせて解説
- 1.1.コンバージョン(CV)とは?
- 1.2.コンバージョン率(CVR)の計算方法とは?
- 2.メールマガジンにおけるコンバージョン率(CVR)の平均・目安
- 3.メールマガジンにおけるコンバージョン率(CVR)の計測ツール
- 4.コンバージョン率(CVR)を上げるためにはコンバージョン(CV)からの逆算が必要
- 4.1.到達率の改善
- 4.2.開封率の改善
- 4.3.クリック率の改善
- 4.4.コンバージョン率(CVR)の改善
- 5.おすすめの打ち手4選
- 5.1.入力フォームの改善
- 5.2.A/Bテストの実施
- 5.3.セグメント配信
- 5.4.メルマガと遷移先のページの統一性を見直す
- 6.まとめ
メールマガジンにおけるコンバージョン率(CVR)とは?計算方法も合わせて解説
コンバージョン率(CVR)とは、コンバージョン(CV)の達成度を分かりやすく数値化したもので、「成約率」とも呼ばれます。コンバージョン率(CVR)を理解するために、まずコンバージョン(CV)が何を意味するかを確認しておきましょう。以下では、コンバージョン(CV)の定義とコンバージョン率(CVR)の計算方法について説明します。
コンバージョン(CV)とは?
コンバージョン(CV)とは「成約」や「成功」という意味を持ちます。例えばメールマガジンにおけるコンバージョン(CV)とは、商品の購入だけでなく、資料請求や無料体験申し込みなど、特定の行動をユーザーに促すことを指します。
具体的には、資料請求を促すメールマガジンを配信している場合、5人の読者が資料請求をおこなった場合、そのコンバージョン(CV)値は5です。Webマーケティングで成功するためには、多くのコンバージョン(CV)を獲得することが重要です。
コンバージョン率(CVR)の計算方法とは?
全体の数に対して、どれだけコンバージョンしたのか、その割合を示すコンバージョン率(CVR)を計算する公式は以下の通りです。
コンバージョン(CV)数÷全体数×100 |
具体的な例を見てみましょう。
例えば、100人にメルマガを配信して5人が資料請求をした場合の計算は以下のようになります。
5(資料請求者数)÷100(全体数)×100=5% |
この場合、5%がコンバージョン率(CVR)となります。
次に、50人にメルマガを配信して5人が資料請求をした場合の計算を見てみましょう。
5(資料請求者数)÷50(全体数)×100=10% |
この場合、コンバージョン率(CVR)は10%です。
これらの計算から、同じ資料請求者数であっても全体の母数が少ないほどコンバージョン率(CVR)が高い、ということが理解できるのではないでしょうか。高いコンバージョン率(CVR)は、メルマガが効果的にユーザーを行動に誘導していることを示しています。
メールマガジンにおけるコンバージョン率(CVR)の平均・目安
コンバージョン率(CVR)が高いメルマガは、コンバージョン(CV)に至る読者が多いことを示しており、メルマガの訴求力が高いといえるでしょう。一般的には、コンバージョン率(CVR)の平均は約1〜5%とされています。ただし、コンバージョン率(CVR)の数値は業界により異なるため、自社の業界での参考値を確認するようにしましょう。
以下に、業界別コンバージョン率(CVR)の平均・目安の参考値を示します。
コンサルティング、ファイナンス、メディア出版:10% |
コンバージョン率(CVR)が高い業界は、「コンサルティング」「ファイナンス」「メディア出版」です。一方で「製造業」「旅行・サービス業」「EC小売り」は、コンバージョン率(CVR)が低くなっています。ただし、コンバージョン率(CVR)は設定したコンバージョン(CV)の内容などによっても異なるため、これらの数値が必ずしも自社にそのまま当てはまるわけではないことに注意が必要です。
コンバージョン率(CVR)は業界の特性によって変動するため、目標を設定する際には業界の平均値を参考に、現実的な目標数値を設定しましょう。そのため、まずは自社の売上目標を達成できるコンバージョン率(CVR)を設定し、その数値を達成するための適切な施策を講じることが重要です。
メールマガジンにおけるコンバージョン率(CVR)の計測ツール
コンバージョン率(CVR)は、Googleアナリティクスを使って計測できます。測定には、パラメータ(受け渡しをする変数)の設定が必要です。このパラメータを設定することで、メルマガを通じてサイトにユーザーが訪問したことを確認できるようになります。
また、メール配信システムを導入している場合は、そのシステムの効果測定ツールを利用して、メルマガのクリック率や開封率なども確認できます。
Googleアナリティクス・メール配信システムの両方を導入すると、メルマガに対するユーザーの反応だけでなく、クリック後のユーザーの行動も把握することができます。ユーザーのアクションをより詳しく分析したい場合は、これらのツールを併用することを検討してみましょう。
ただし、Googleアナリティクスは非常に高機能で多機能なツールであり、その設定は簡単ではありません。精度の高い分析をおこなうためには、測定したい項目やその目的を明確にし、適切な設定をおこなう必要があります。そのため、Googleアナリティクスを効果的に活用するには、一定の知識や経験が必須です。
コンバージョン率(CVR)を上げるためにはコンバージョン(CV)からの逆算が必要
コンバージョン率(CVR)を把握することで、目標とするコンバージョン数(CV数)を達成するために必要なセッション数(サイト訪問数)を逆算して割り出すことができます。この考え方はシンプルで、コンバージョン率(CVR)を基にして必要なセッション数を計算するだけです。
例えばコンバージョン率(CVR)が1%の場合、100セッションで1つのコンバージョン(CV)が得られることになります。
メールマーケティングで施策の効果を測るための主な指標は以下の4つです。
- 到達率
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率(CVR)
到達率 → 開封率 → クリック率 → コンバージョン率(CVR)という段階を図とともに解説します。
到達率の改善
到達率は送信先に届いた割合で、<配信したメールの到達数 ÷ 配信総数 × 100>で計算されます。到達率が低いと、コンバージョン率(CVR)を正確に評価するのが難しくなるため、理想的には到達率を「ほぼ100%」に維持することが重要です。
到達率に問題があった場合は、以下の対策を検討しましょう。
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開封率の改善
メルマガの開封率は、<開封数 ÷ 配信総数 × 100>で算出されます。配信したメルマガのうちどれくらいが開封されたかを示す指標です。開封率は業界や製品により異なりますが、一斉配信の場合、20%未満が一般的です。
メルマガの開封率を改善するためには、以下の要素に対して対策を講じる必要があります。
- 配信時間
- タイトル
- 差出人名
- 本文構成
- リストのセグメント
- 迷惑メール対策
中でも、重要なのはメルマガの件名(タイトル)です。件名は受信者の目に最初に留まり、開封するか削除するかを瞬時に判断される要素だからです。魅力的な件名にするためのポイントは以下の通りです。
- 具体的な数字を入れる
- 緊急性や特別感を持たせる
- 受信者の名前などを入れてパーソナライズする
- 文字数は30~35文字程度にする
- 件名とは別に、プリヘッダーテキスト(メールの内容を要約したテキスト)も活用する
これらのポイントを検討し、実施することで開封率の向上が期待できます。
クリック率の改善
メルマガのクリック率は、開封されたメルマガの中のURLがクリックされた割合です。この数値は、<クリック率 = クリック数 ÷ 開封数 × 100>で算出されます。この指標は「CTOR(Click To Open Rate)」または「クリックスルー率(CTR)」とも呼ばれます。
多くの場合、最終目標のコンバージョン(CV)ポイントは、クリック先のサイトページです。そのため、メルマガの内容はユーザーが思わずクリックしたくなるように誘導することを心がけましょう。クリック率を高めるためのポイントは以下の通りです。
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さらに、クリック率を高めるためには、ユーザーがもっと情報を知りたくなるような魅力的なコピーライティングスキルも必要です。
コンバージョン率(CVR)の改善
コンバージョン率(CVR)の改善には、到達率、開封率、クリック率の向上が前提となります。最終段階であるコンバージョン率(CVR)の改善には、主に遷移先のページの最適化が重要です。遷移元であるメルマガの情報やイメージとの一貫性も欠かせません。具体的な改善方法として以下の2点が挙げられます。
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おすすめの打ち手4選
コンバージョン率(CVR)を向上させるためのポイントは以下の4つです。
- 入力フォームの改善
- A/Bテストの実施
- セグメント配信
- メルマガと遷移先のページの統一性
それぞれについて詳しく解説します。
入力フォームの改善
コンバージョン(CV)を獲得するためには、「読者の負担を減らすこと」が重要です。その一環として、入力フォームの改善が挙げられます。入力項目が多いと面倒に感じ、興味の薄い読者は申し込みを躊躇する可能性があります。
そのため、入力項目を減らすだけでなく、スマホでも簡単に入力できる設計や必須項目の明確化、自動入力機能の導入なども重要です。読者の負担を最小限に抑えつつ、有益なデータを収集するバランスが求められます。
A/Bテストの実施
A/Bテストはコンバージョン率(CVR)だけでなく、開封率やクリック率を向上させる効果的な手法です。複数のバージョンのメルマガを作成し、ランダムに分けた配信リストに送信します。テストする要素には、件名、送信者名、送信日時、メインコピー、アイキャッチ画像、CTAボタンのテキスト・位置・デザイン・数などがあります。1度のテストにつき、1つの要素のみを変更することで、効果的な要素を特定できます。結果は記録し、継続的に最適化をおこないましょう。
A/Bテストを重ねていくことで、最適なメルマガ戦略を見つけてコンバージョン率(CVR)を向上させることが可能です。
セグメント配信
セグメント配信は、より的を絞ったメルマガ配信の一種で、コンバージョン率(CVR)を向上させる有効な手法です。例えば、B to Bでは業種、検討状況、職務など、B to Cでは年齢、性別、居住エリアなどの属性に基づき読者を分類します。一般的な広範な対象のメルマガと比べると、特定の属性に合わせたメルマガを配信することが可能です。
これにより、読者にとってはより関心があり有益な内容が提供されるため、閲覧意欲が高まり、結果的にコンバージョン率(CVR)も向上します。
メルマガと遷移先のページの統一性を見直す
メルマガから遷移するページのデザインや内容を一貫させることも重要です。メルマガをクリックしたということは、内容に興味がある可能性が高いです。そのため、移動先のサイトがメルマガと異なる場合、ユーザーは違和感を覚えて離脱する可能性があります。また、信頼性も損なわれ、解約リスクが高まるかもしれません。
したがって、甘い言葉で誘導するだけではなく、デザインや文言を調整し、サイトとメルマガの一貫性を保つことで、読者の購入や申し込みへの意欲を具体的な行動であるコンバージョン(CV)に結びつけることが大切です。
まとめ
メールマガジンのコンバージョン率(CVR)を高めることは、メルマガで達成すべき最終目標ともいえます。メルマガは売上や申込などの目的を達成するためのプロセスの一部であり、その効果を最大化するにはコンバージョン率(CVR)を意識して作成することが重要です。コンバージョン率(CVR)の計算方法は、「コンバージョン(CV)数÷全体数×100」です。
コンバージョン率(CVR)を改善するには、到達率、開封率、クリック率のどこに課題があるのかを分析し、それぞれに対する効果的な対策を施しましょう。
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