メールフォームとは?作成する方法や注意点、セキュリティ対策を解説
多くの企業のWebサイトに設置されているメールフォーム。
メールフォームはユーザーからの問い合わせやセミナー等の申し込み受け付け、顧客の声の収集などに役立ちますが、どのような仕組みなのか、どのような機能があるのか分からない、という方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、メールフォームの仕組みや作り方について解説します。
目次[非表示]
- 1.メールフォームとは?
- 1.1.メールフォームが持つ機能
- 1.2.メールフォームの基本的な構成
- 1.3.問い合わせやアンケートなど利用するシーンは様々
- 2.メールフォームを設置して得られるメリット
- 2.1.メリット①ユーザーからの必要な情報を収集できる
- 2.2.メリット②回答の入力ミスを防げる
- 2.3.メリット③業務効率向上につながる
- 2.4.メリット④迷惑メールを減らせる
- 3.メールフォームを設置するデメリットも
- 3.1.デメリット①設置コストがかかる
- 3.2.デメリット②セキュリティリスク
- 4.メールフォームの作り方は大きく3つ
- 4.1.プログラミング言語(HTML・CSS・PHP)などのコーディングで作成
- 4.2.コーディングの知識がなくても設置できるWordPressのプラグインを利用
- 4.3.簡単に設置するだけのフォーム作成ツールを利用
- 5.メールフォーム作成ツールを選ぶポイント
- 6.メールフォームを設置する際の注意点
- 7.メールフォームにセキュリティ対策が必須な理由
- 7.1.サイバー攻撃の方法①クロスサイトスクリプティング
- 7.2.サイバー攻撃の方法②SQLインジェクション
- 7.3.サイバー攻撃の方法③メールヘッダインジェクション
- 7.4.サイバー攻撃の方法④クロスサイトリクエストフォージェリ
- 8.SSLの特徴と仕組み
- 8.1.SSL『Secure Sockets Layer』とは
- 8.2.暗号化される仕組み
- 9.メールフォームの作成でお悩みなら、アララメッセージへ
- 10.メールフォームを設置しよう
メールフォームとは?
メールフォームとは、問い合わせなどを受け付けるWebサイト内に設置された「入力フォーム(入力欄)」のことです。
問い合わせ等をする際、ユーザーがフォームに直接テキストを入力し、送信ボタンをクリックすると、サイト管理者にその内容がメールで通知されます。
メールフォームを設置すれば、メールソフトやアプリの起動、またメールサービスにログインすることなく、ユーザーはメールを送ることができます。
メールフォームが持つ機能
メールフォームには、主に以下のような機能があります。
- 自動返信メールの送信
- 入力補助(住所の自動入力やSNS連携など)
- バリデーション(入力内容のエラーを画面に表示する機能)
- ファイル添付
メールフォームの機能は、受信側、送信側双方にメリットがあります。
受信側(主にサイトの担当者など)のメリットは、フォーム送信をしたユーザーに自動で「受付を完了しました」といった返信メールを送信できることです。
この自動返信メールにより、サイトの担当者は手動でメールを確認し受領したことを返信する必要がなくなります。
またファイル添付機能を活用すれば、画像やPDFなどのファイルを受信できるようになります。
送信側(主に問い合わせなどをするユーザー)のメリットとしては、入力補助機能で住所を自動入力できたり、バリデーション機能で入力内容の不備に気づくことができる点が挙げられます。
いずれも入力時の負担軽減につながります。
メールフォームの基本的な構成
メールフォームは、主に「入力フォーム」「確認画面」「完了画面」の3つで構成されています。
入力フォームは、名前やメールアドレス、電話番号といった個人情報、問い合わせ内容などを入力する画面です。
各項目への入力方法は、直接テキストで記載するほか、ラジオボタンやチェックボックス、プルダウンで表示される選択肢の中から回答を選ぶこともできます。
確認画面は、入力した内容に間違いがないかを確認するための画面です。
入力内容が正しければ「送信」ボタンをクリックしてメールを送信、間違いがあれば「戻る」ボタンで入力画面に戻ります。
確認画面を設置することで、入力ミスを防ぎ、正しい情報を送信してもらうことが可能となります。
完了画面は「送信」ボタンをクリックした後に表示される画面で、問い合わせが完了したことを知らせるものです。
完了画面には、問い合わせへのお礼メッセージに加え、今後の流れ、受付番号、他の商品・サービスの宣伝などを表示することもあります。
問い合わせやアンケートなど利用するシーンは様々
メールフォームが活躍するシーンには次のようなものがあります。
- 問い合わせの受付
- 見積もり依頼
- アンケート調査
- イベントの出欠確認
- 会員登録
- セミナー・キャンペーンの申し込み
- 人材採用の受付
- メルマガ会員登録
- 大学入試の出願
- コンテストの投稿
ラジオボタンやチェックボックス、プルダウンのセレクトボックスなどを用いた回答方法は、資料請求画面などに利用できます。
メールフォームを設置して得られるメリット
メリット①ユーザーからの必要な情報を収集できる
メールフォームには、企業側が求めているユーザーの「氏名」「電話番号」「メールアドレス」といった任意の項目を設置できます。 また必ず得たい情報は、必須項目として設置することも可能です。 メールフォームに任意の項目や必須項目などを設置することで、ユーザーからの必要な情報を収集できるのがメリットといえます。
メリット②回答の入力ミスを防げる
メールフォームの機能のひとつに、バリデーション(入力内容のエラーを画面に表示する機能)があります。 この機能が搭載されていれば、ユーザーの入力ミスを防げます。 また、送信前に内容確認画面を設置することで、ユーザーから誤った情報が送信されることを減らすことができます。
メリット③業務効率向上につながる
問い合わせ担当者が、電話やメールで個別に手動で対応すると手間や時間がかかります。 しかしメールフォームを設置すれば、自動返信機能などにより一次対応にかかる時間を短縮できるのがメリットです。 また外部ツールと連携させることにより、顧客情報の一元管理もでき、業務効率向上につながります。
メリット④迷惑メールを減らせる
企業のメールアドレスをサイトに掲載していれば、スパムなどの迷惑メールが送られてくるリスクがあるでしょう。 しかしメールフォームから問い合わせなどを受け付ければ、企業のメールアドレスをサイトに掲載する必要がなく、迷惑メールを減らすことが可能です。
メールフォームを設置するデメリットも
デメリット①設置コストがかかる
メールフォームは、導入、運用、管理するのにコストがかかります。 メールフォームを作成する際、HTML・CSS・PHPといったプログラミング言語を用いてコーディングする場合には、これらの知識をもった人材の確保が必要となります。 社員を新たに採用するのであれば人件費がかかり、外注するのであれば、発注コストがかかります。 また、メールフォーム作成ツールを使う場合は、有料で提供されている場合が多いため月額料金が発生します。
デメリット②セキュリティリスク
メールフォームを設置する際には、セキュリティ対策が必要不可欠です。 セキュリティ対策を怠った場合、スパムメールからのウィルス感染、個人情報の漏えいなどのリスクがあるのがデメリットといえます。 万全なセキュリティ対策、メールフォーム管理者へのセキュリティ教育は重要です。 時間と手間はかかりますが、管理するスタッフ間で個人情報を取り扱う際のルールやセキュリティ問題の事例などの情報共有、周知が必要となります。
メールフォームの作り方は大きく3つ
プログラミング言語(HTML・CSS・PHP)などのコーディングで作成
メールフォームの作り方の1つ目は、HTML、CSS、PHPといったプログラミング言語を用いて作成する方法です。
プログラミング言語を使ってコーディングすることで、レイアウトや装飾、入力形式などを細かく指定できます。デザイン性が高く、機能性も併せ持つメールフォームを作成できるのが特徴です。
ただしプログラミング言語を扱うため、作成には専門的な知識、まとまった時間が必要となります。
コーディングの知識がなくても設置できるWordPressのプラグインを利用
メールフォームの作り方の2つ目は、WordPressのメールフォーム用のプラグイン(機能を拡張できるプログラム)を活用する方法です。
プラグインには、コーディングの知識が必要ない「Jetpack Contact Form」や、ドラッグ&ドロップで作成できる「Contact Form by WPForms」、自由にカスタマイズできる「Contact Form 7」などがあります。
プラグインを活用したメールフォームは、簡単に導入できるのが魅力です。ただし、プラグインによって設定方法や機能が異なるため事前に確認をしましょう。また、セキュリティ対策も別途必要です。
簡単に設置するだけのフォーム作成ツールを利用
メールフォームの作り方の3つ目は、フォーム作成ツールを利用する方法です。
ほとんどのツールにはテンプレートが用意されています。
そのテンプレートの中から最適なものを選び、Webサイトに埋め込むだけでフォームが完成します。
プログラミング知識やプラグインといった専門知識がなくても、簡単かつ短時間で作成できます。
また顧客管理やアクセス解析、回答データのグラフ化などの機能、セキュリティ対策などが搭載されていることも多いため、「手間をかけずセキュリティも万全なメールフォームを作りたい」という場合に適しています。
メールフォーム作成ツールを選ぶポイント
選ぶポイント①顧客管理機能がある
顧客管理機能とは、メールフォームに入力された顧客情報や対応状況などを管理する機能のことです。
この機能があれば、顧客の名前や電話番号などを一元管理でき、問い合わせ内容も整理できます。
また、一元管理した顧客情報を営業やマーケティングなどに活かせるのもメリットです。
フォーム作成ツールを選ぶときには、顧客管理機能が搭載されているものを選ぶと良いでしょう。
選ぶポイント②セキュリティ対策が十分に施されている
メールフォームでは、顧客の個人情報を扱います。そのため、セキュリティ対策が万全なフォーム作成ツールを選ぶことが大切です。
次のような対策がされているツールか事前に確認しましょう。
- SSL暗号化通信への対応(盗聴や改ざん対策)
- ISMS認証(ツールの信頼性)
- サーバーの監視(不正アクセス対策)
- プライバシーマーク
選ぶポイント③外部ツールと連携できる
外部ツールと連携できるものなら、メールフォームから得た個人情報の有効活用や、顧客対応の業務効率化を図れるでしょう。
外部ツールには、顧客のWeb行動履歴の管理や効果的なメールマガジンの配信ができる「MAツール」や、問い合わせを即時に通知できる「チャットツール」などがあります。
フォーム作成ツールごとに連携できる外部ツールは異なるため、社内で利用しているツールに対応しているかを確認して選定をすると良いでしょう。
メールフォームを設置する際の注意点
注意点①入力項目数
入力項目の数が多いと回答者が面倒に感じ、入力をやめてしまうことがあります。
そのため、必要最低限の情報だけ入力してもらうように項目数を絞ること、メールフォームの目的に適した項目数にすることが大切です。
項目数の目安としては、気軽に問い合わせをするタイプのメールフォームなら5項目程度、しっかりと情報を集めたい場合は10~20項目程度とすると良いでしょう。
注意点②エラー表示
入力に誤りがある、不備がある場合にアラートを出すエラー表示機能を活用しましょう。
どの部分を修正するのかが分かるよう、回答者に対して親切なエラー表示にしましょう。
できれば確認画面でエラー表示を出すのではなく、項目入力後にエラー表示を出せば、回答者の離脱を防げます。
注意点③確認画面
確認画面は省略することも可能です。
省略することで送信完了率を上げることができます。ただし、省略した場合は情報の正確性が下がってしまうため、確認画面はあったほうが良いといえます。
なお、確認画面には回答者に完了前であることを知らせる役割もあります。確認画面があることで回答者は安心して送信できるので、設置するとよいでしょう。
注意点④必須表示
メールフォームの項目には「必須項目」と「任意項目」があります。
回答者へも配慮し、必須項目だけ色を付ける等分かりやすくしておきましょう。
注意点⑤フロー表示
メールフォームの回答項目数が多い場合は、入力画面が複数ページにわたることもあります。
複数ページに及ぶ場合には、ページの上部に進捗を表示し、現在何ページを入力しているのか分かるようにしましょう。
そうすることで、送信するまでにあと何ページなのか把握でき、回答者の離脱防止に役立ちます。
入力画面が2~3ページの場合であっても、できれば進捗表示をつけることをおすすめします。
注意点⑥スパム対策
メールフォームの運用中は、スパム対策が書かせません。
スパム対策をしていなければ、大量に送られてくる迷惑メールによって作業効率が下がってしまいます。
自社でメールフォームを用意する場合は、必ずスパム対策をおこないましょう。
また、新たにフォーム作成ツールを選ぶ際にはスパム対策機能が備わっているものを選ぶようにしましょう。
メールフォームにセキュリティ対策が必須な理由
サイバー攻撃の方法①クロスサイトスクリプティング
「クロスサイトスクリプティング」とは、HTMLに悪質なスクリプトをページに埋め込むサイバー攻撃です。
Webアプリケーションの欠陥を突いて不正なスクリプト(文字列の記載のみで実行できるプログラム)を実行させます。
この攻撃を受けると、ユーザーのセッションが乗っ取られ、機密情報を盗み出す、ページを改悪する、悪意のある情報を表示するなどが起こります。
サイバー攻撃の方法②SQLインジェクション
「SQLインジェクション」は、第三者がSQLコマンドを悪用し、不正にデータベースへの情報にアクセスする攻撃手法です。
データベースの情報搾取や、データの改ざん・削除といった被害が発生します。
サイバー攻撃の方法③メールヘッダインジェクション
「メールヘッダインジェクション」は、悪意のある第三者がWebアプリケーションのメール送信機能を誤作動させる攻撃です。
メール送信機能を誤作動させることにより、メールの内容を改ざんしたり、メールの宛先に改行コードを挿入してBccなどの新しいメールヘッダを追加し、本来の宛先以外に迷惑メールを送るなどの被害があります。
サイバー攻撃の方法④クロスサイトリクエストフォージェリ
Webアプリケーションの脆弱性、もしくはそれを利用した攻撃が「クロスサイトリクエストフォージェリ」です。
攻撃する側が作った罠サイトを会員サイトにログインしている状態のユーザーに閲覧させ、ユーザーがログインしている会員サイトへ強制的に悪意のあるリクエスト(ユーザー設定の変更や書き込み、決済処理等)を送信します。
この攻撃を受けると、アカウント悪用などの被害が発生します。
SSLの特徴と仕組み
SSL『Secure Sockets Layer』とは
SSLとは『Secure Sockets Layer』の略で、情報を暗号化する仕組みのことを指します。
「通信内容を秘匿する暗号機能」「通信相手の真正性」「通信データが改ざんされていないか検知する機能」の3つの機能をもつのが特徴です。
このSSLを利用することにより、メールフォームから送信される情報はサーバーに届くまでの間暗号化され、安全にやりとりできます。
なおSSLを利用しているメールフォームのURLは「http://****」ではなく「https://****」と表示されます。
このことからSSLを導入することを「https化」ともいい、httpにセキュリティ機能を追加したものとなるのです。
暗号化される仕組み
SSLは一般的に「公開鍵暗号方式」と「共通鍵暗号方式」の2つの暗号方式を組み合わせて暗号化されます。
「公開鍵暗号方式」は、ユーザーからSSL通信のリクエストを受け取ったあとユーザーに送付されます。
一方「共通鍵暗号方式」は、公開鍵を受け取ったユーザーの端末上で生成されサーバーに送信されます。
SSL通信を利用しているメールフォームの場合、
メールフォームに入力された情報が共通鍵暗号方式によって暗号化される
↓
サーバーに届いた暗号化された情報を、共通鍵暗号方式を利用して暗号化前の状態に戻す
という流れになります。
SSLを利用すれば入力した個人情報なども暗号化されるため、送信する側も安心です。
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メールフォームを設置しよう
Webサイトから直接メッセージを送ることができる「メールフォーム」。
設置すればユーザーの必要な情報を得やすくなり、業務効率化にもつながるなどメリットがたくさんあります。
設置する際には万全なセキュリティ対策と、自社の目的に合ったメールフォームを用意することが大切です。
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