
メール配信システムの配信方法や仕組みとは?メリット・デメリットを徹底解説
こんにちは!営業担当の吉田です。
商品やサービスの宣伝、お客様のナーチャリングや接点強化などでメール配信を利用している方は多いのではないでしょうか。
そんなメール配信において欠かせないのが「メール配信システム」です。
今回は、この「メール配信システムとはどのようなものなのか」をお伝えします。
今このページを見ている方は、恐らく”メールを配信すること”に対して、何らかの課題や要望(実現したいこと)をお持ちなのではないでしょうか。
“メールを配信(送信)すること”自体は、PCや携帯電話、スマートフォンからでも簡単にできます。
携帯キャリアやPCプロバイダ、Yahoo!やGmailといった無料で取得できるメールアドレスや無料で利用できるメーラーがたくさんあるので、メールの送受信にお金がかかるという感覚も、実はあまりないのではないかと思います。
それでは何故、お金のかかるメール配信システムを導入する必要があるのでしょうか。
その答えは、「大量配信」「高速配信」「到達率」「効率化」の4つのキーワードに集約されます。
個人から個人や、数名へ宛てたメールに関しては何の問題もありません。
しかし、仮に何千・何万というメールを送りたい、といった要件がある場合、なんとなく、普段使っているメーラーだと厳しそう・・という印象はありませんか。
また、訴求力が高いメールの作成や購入のフォローアップをおこないたい時も、ある程度であれば自力でおこなうこともできますが、マンパワーだけではどうしても限界があります。
そんな時、役に立つのが、メール配信システムです!
目次[非表示]
- 1.メール配信システムの仕組み・機能とは?
- 1.1.大量のメールを一斉配信可能
- 1.2.効率的にメール配信の作成が可能
- 1.3.自動予約で配信が可能
- 2. メールの配信方法
- 3.メール配信システムを導入するメリット・デメリット
- 4.メール配信システムの選び方
- 5.まとめ
メール配信システムの仕組み・機能とは?
メール配信システムは、「大量のメールを高速に、到達率を高く保った状態で送ることができる!」ものです。
詳しくどんなものかをご紹介していきます。
大量のメールを一斉配信可能
メールの大量・高速配信を実現するシステムは、MTA(メール転送エージェント/Mail Transfer Agent または Message Transfer Agent)と呼ばれています。
上記の通り、メール配信システムを提供する事業者の一番の強みは、このMTAの性能です。
大量のメールを高速に、到達率を高く保った状態で送ることは、実は大変難しい技術で、ただ送るだけではなく、送信先のキャリアやプロバイダ等に適切なかたちで送る必要があります。
キャリアやプロバイダ側は大量のメールを一気に受け取ると、それをスパムメールや迷惑メールと認識し、送信元のドメインに対して、受信ブロックや通信制限をかけることがあるためです。
メール配信システムを提供する事業者は、この問題を解決するノウハウを搭載したMTAを持っているからこそ、メール配信に対する価値を提供できるのです。
効率的にメール配信の作成が可能
また、メールを「効率的」に送ることも重要です。
効率的に送るためにはMUA(メーラーまたは電子メールソフト/Mail User Agent)の存在が欠かせません。
MUAはメッセージの作成やファイルの添付、配信予約や配信履歴の確認などを一手におこなうことができます。
例えば、メッセージ作成。テキストメールはもちろん、HTMLメールを作成することができます。
とくにHTMLメールは、画像付きのデザイン性の高いメールのことで、テキストメールに比べて訴求力が高いことがポイントです。
自動予約で配信が可能
また、配信予約では希望した日時に配信することはもちろん、購入日や予約日といった”日付に関する情報”きっかけにして自動でメールを配信することができる「ステップメール」機能があります。
購入したお客様に対してフォローアップをおこないたい場合、メールを作ってフォローの日に合わせて配信予約して…だとあまりにも非効率的です。
しかし「ステップメール」機能が備わっている場合は、効率的にフォローアップをおこなうことが可能です。
ステップメールを使い、日をおいてフォローすることで、既存顧客はもちろん見込み客の増加と育成も狙えるので、メール配信の施策にとても有効です。
このように、メール配信システムを利用することで、大量配信、高速配信はもちろん、到達率の高いメールを効率的に配信することができるのです。
メールの配信方法
メール配信システムの配信方法としては大きく3つ上げられます。
①大量配信
大量配信はキャンペーンやセミナーのお知らせなどのメルマガを配信する際に利用されます。
例えば、ECショップの場合なら期間限定のセール情報やクーポン、新商品のお知らせなどがあります。
BtoB向けの場合は、セミナーのお知らせやリリース情報、コラム配信や事例紹介といった配信などを送ります。
②ステップメールなどの自動配信
ステップメールは、お客様の属性に含まれる”日付に関する情報”をきっかけとして、指定した日やその前後○○日、決まった曜日や時間にメール配信のシナリオを設定し、自動的にメールを配信することができる仕組みです。
例えば、バースデーメール、毎日決まった時間に送るタイムセールの告知メール、毎週決まった曜日に送る週替わりのキャンペーンメール、商品の購入日の○○日後に送る入金のリマインドメールなどです。
ステップメールは、お客様へのリマインドやフォローに多く用いられ、お客様との長期的な関係構築に活用いただけます。
③API連携によるメール配信
API連携によるメール配信は即時性・リアルタイム性を求められる情報発信と相性が良い配信方法です。
例えば、ニュース速報やスポーツの試合速報、鉄道での事故や遅延があったときの運行情報等のメール配信に多く利用されています。
このように何らかの出来事をきっかけに即時性が求められるメールを配信する場合、そのタイミングを事前に予測し配信予約等をすることはできません。
メール配信をおこなう上で必要となる「配信設定」や「メール本文作成」作業を自動化することで、メールの運用担当者にとっては作業負荷が減り、メール受信者にとっては欲しい情報をリアルタイムに受け取ることができるようになります。
メール配信システムを導入するメリット・デメリット
メール配信システムを導入した際のメリットデメリットをご紹介します。
メール配信システムを導入するメリット
①大量配信でも高速に到達率の高いメール送信できる
前述してきたように、メール配信システムを導入するための1番のメリットと言えます。
個人が個人へメールを送信する場合、メールの配信遅延や不達はあまりないかもしれませんが、企業が何千通や何万通といった大量のメールを一斉に配信する場合は、配信の遅延や不達が生じることがあります。
これらの配信遅延や不達を解決するために、メール配信システムを利用しシステムの処理速度を高めることがシンプルな方法の1つと言えます。
また、メールの配信遅延や不達の要因は、システムの性能の問題だけではありません。
近年の迷惑メールの増加にともない送信先となる携帯キャリアやインターネットサービスプロバイダ等において、迷惑メール対策が厳しくなってきています。
そのため、各社が設ける迷惑メール対策のガイドラインに沿った、適切なメールを配信することが求められています。
万が一、携帯キャリアやインターネットサービスプロバイダから”迷惑メール”と判定されてしまった場合、受信ブロックや通信制限といった処置がとられ、メールの配信遅延や不達といった事象につながる可能性が高くなります。
しかしメール配信システムには、携帯キャリアやインターネットサービスプロバイダ等のノウハウと配信ロジックがあります。
そのため、チューニングを実施した上で、大量かつ高速に到達性の高いメール配信を実現することが可能です。
②効果的なメールマーケティングを実施できる
メールマーケティングを実施している企業にとって、「そのメールがどれだけユーザの興味を喚起したか」は重要な部分です。
ただ定期的にメール配信をするだけでなく、クリック数が高くコンバージョンにつながりやすいメール本文を作成したり、開封がされやすい配信時間帯にメール配信をしたりと、効率的にPDCAを回さなければ最大の効果は期待できません。
そこで必要になってくるのが、メールの「効果測定機能」です。
効果測定機能とは、メール配信後にお客様がどれだけ開封やURLをクリックしたかといったアクションを測定できる機能です。
配信しているメールを数値化することによって、具体的な問題点が見えてくるため、改善点を把握しやすくなります。
メールマガジンやキャンペーン告知メールの配信効果の確認には必要不可欠な機能が、メールシステムを導入することで利用することが可能となります。
③セキュリティ対策ができている
迷惑メールやフィッシングをはじめとしたメールのほとんどは、送信元を詐称した「なりすましメール」として配信されます。
企業や第三者を装って送ることから、なりすましメールだと気づかずにログインIDやパスワード、クレジットカード番号などの個人情報が盗み取られるケースが多発しており、昨今の大きな問題にもなっています。
そこで、開発されたのが「送信ドメイン認証」の技術です。
送信ドメイン認証とは、それが正当な送信元から配信されたメールであるかを確認する技術です。
主な送信ドメイン認証には「SPF(エスピーエフ)」と「DKIM(ディーキム)」があります。
「SPF」は、インターネットの住所となるIPアドレスを元に、正当なドメイン(送信元)から送られたメールであるかを判断します。
一方「DKIM」は、電子署名を元に正当なドメイン(送信元)からメールが送られてきたのかを判断する技術です。
このようなセキュリティ対策がされていない場合、迷惑メールが届くことはもちろん、実際に存在する正当なアドレスからメールを配信したとしても、なりすましメールと認識されてしまい、メールの受信者が受信拒否をしてメールが届かなくなることもあります。
送信ドメイン認証を用いることにより、送信元は届けたい情報を適切に受信者に届けることができ、受信者は迷惑メールの被害を防ぐことができるのです。
メール配信システムを導入するデメリット
①コストがかかる
メール配信システムを導入するためには費用がかかります。
無料で利用できるメーラーもありますが、ステップメールなどの機能がない、配信数が少ない、広告が表示されるといった制限が付いてしまいます。
制限無しのメーラーを利用するには費用が生じてしまうため、コストをかけずにメール配信をしたいお客様にとっては、デメリットの1つと言えます。
②クラウド型を導入する場合、セキュリティ面は提供会社に依存
クラウド型のメール配信サービスを利用する場合は、セキュリティ対策が十分に取れているかどうか注意が必要です。
クラウド型の場合、顧客データ等はインターネットのクラウド上に保存されるため、セキュリティ面は提供会社に依存する形となります。
セキュリティ対策がしっかり取れていない場合は、顧客データの情報漏洩に繋がる恐れもあります。
提供会社のセキュリティポリシーを確認し、取り扱う情報の重要度を慎重に検討するようにしましょう。
③オンプレミス型を導入する場合は自社構築・運用が必要
オンプレミス型を導入する場合は、社内でメール配信システムの構築や環境設定、テストなどをおこなわなければいけません。
また、常に監視やシステムが古くなったらバージョンアップもしなくてはなりません。
そのため、運用の負荷が高くなってしまうことがデメリットとして挙げられます。
メール配信システムの選び方
メール配信システムを選ぶ際は以下の点に注目するとよいでしょう。
①クラウド型かオンプレミス型か
メール配信システムには「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。
クラウド型は、メール配信サービス提供会社が所有するサーバーにデータを保存してメールを運用するサービスです。
メンテナンスなどの運用負荷はかからず、オンプレミス型と比較すると安価に始めやすいです。
また、管理や編集などをWebブラウザ上でおこなうことができる点が特徴です。
一方オンプレミス型はサーバやパソコンにソフトをインストールして利用します。
自社でサーバー環境を用意する必要があるため、専門的な知識が求められます。
例えば、配信ボリュームに合った予算で運用したい、また自社でサーバの構築や運用をおこなうリソースがない場合はクラウド型の方が良いでしょう。
メール配信の方法を自社でカスタマイズしたい、自社のセキュリティポリシーに合った運用をしたいといった場合はオンプレミス型の方が適しています。
どちらにもメリット・デメリットがありますので、どちらのタイプが自社の要件と合うのかを比較・検討して判断することが大切です。
②セキュリティ対策は万全か
昨今、送信元を詐称した「なりすましメール」など様々な方法で個人情報が流出してしまう事故が増えており、メール配信システムに高いセキュリティ性は欠かせません。
「DKIM」や「SPF」などの正しい送信元であるかどうかを確認する「送信ドメイン認証」やメール送信時の通信を暗号化する仕組みである「START TLS」などセキュリティ対策をしっかりおこなっているメール配信システムを選ぶようにしてください。
また、他にも
- プライバシーマークなどの第三者機関認証の有無
- アプリの脆弱性対策
- 管理画面へのアクセス制限
- アカウントの権限管理や操作ログの記録
といったような内容にも着目するとよいでしょう。
③要件にあったスペック・機能か
メール配信をおこなうにあたり必要な機能は何かを洗い出す必要があります。
例えば、自社で顧客管理システムやメール作成の部分を持っている場合、必要なのはMTAだけです。
しかし、販売されているメール配信システムの中には、MTAとMUAのセット販売しかおこなっていないものもあります。
不要なMUAがある分コストが高くなってしまうので、必要な機能を見定めて必要な機能だけ提供可能なシステムを選ぶようにしましょう。
また、メールマーケティングをおこなう場合は、機能にも注目する必要があります。
以下のような機能があると便利です。
-
効果測定機能
開封率やクリック率、コンバージョン率など、メール配信の結果を取得する機能です。
メールマーケティングを成功させるためには、効果測定の結果をもとにPDCAを回していく必要があるため、効果測定機能があるメール配信システムを選びましょう。
-
セグメント配信機能
メールアドレスリストに登録されているお客様の中から抽出をおこない配信することができます。
性別や年齢、地域といった一般的なセグメント項目から、会員番号やお気に入り店舗など項目をカスタマイズできると更に便利です。
-
ステップメール
起算日をきっかけとして、指定した日やその前後○○日、決まった曜日や時間にメールの配信シナリオを設定し、メールを自動的に配信することができます。
お客様のナーチャリングやフォローに活用いただけます。
-
HTMLメール
HTMLメールは画像やボタンを使いお客様を誘導できるので、訴求力の高いメールを送りたい際に最適です。
また、HTMLタグを利用しなくてもドラック&ドロップで簡単にHTMLメールを作れるシステムもあります。
HTMLタグの専門知識がない人はそういったシステムを選ぶと良いでしょう。
他にも、名前などの差し込み機能や配信禁止時間帯の設定、エラーリスト処理などができるとメールマーケティングには大変便利です。
そして、メール配信システムを導入する前には必ずトライアルを試すようにしましょう。
製品サイトや資料だけでは使用感が分かりにくいため、トライアルをすることで導入してから「意外と使いにくい」、「イメージと違った」というズレを防止することができます。
メール配信システムは、製品によって使い勝手が異なるため、運用も考えてシステム選びをする必要があります。
そのためトライアルが使えるのであれば、積極的に試してください。
④サポート体制は整っているか
メール配信システムを運用する中で、トラブルが生じる可能性があります。
その際に提供会社のサポート体制が薄いと、対処が遅れて大きな問題に発展する可能性もあります。
また、海外製品の場合、サポートの回答が英語ということもあります。
手厚いサポート体制はシステムを導入するうえで重要なポイントになると言えるでしょう。
サポートは24時間対応しているか、回答は何営業日以内か、電話対応はあるかなど、事前に細かくチェックすることが大切です。
まとめ
メール配信システムについて、お分かりいただけましたでしょうか。
企業がメール配信に求めるニーズは多様化しています。
昨今、お客様の要件は、必ずしも大量配信や高速配信だけではありません。
そのため、メール配信システムも”進化”が求められています。
メール配信システムを導入することで、無料のメーラーでは成しえないメール配信の効果を最大限に発揮することができます。
これまでメール配信システムを10年以上自社で開発、運用をしてきたアララでは、「アララ メッセージ」を提供しております。
アララ メッセージはメール配信遅延や不達を改善し、毎時100万通の処理速度と各種ガイドラインへの対応により、より速く、大量に、確実にメールを配信することができます。
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著者 メール配信運用、メールマーケティングに関する情報をお届けするコラムです。“知ってるとちょっとイイコトがある”情報を発信します。 |
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