メルマガ配信の効果測定とは?分析すべきKPIと分析の具体例を紹介


メールマーケティングで一定の効果を出すには、適切なKPIを設定することと、その効果測定が欠かせません。

本記事では、メルマガ配信担当者向けに、メールマーケティングの効果測定の重要性や効果測定で使用するKPIとその平均値や目安、効果測定に役立つツールについて分かりやすく解説します。また、効果測定と改善の具体例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


目次[非表示]

  1. 1.メルマガ配信における効果測定の重要性
  2. 2.メルマガの効果測定におけるKPIと平均・目安
    1. 2.1.①開封率
    2. 2.2.②CTR(クリックスルー率)
    3. 2.3.③CVR(コンバージョン率)
    4. 2.4.④不達(エラーメール)率
    5. 2.5.⑤反応率
    6. 2.6.⑥購読解除(オプトアウト)率
    7. 2.7.⑦メルマガ登録数の変動
    8. 2.8.⑧直帰率
    9. 2.9.⑨配信直後のアクション
    10. 2.10.⑩その他指標
    11. 2.11.メール配信から顧客獲得までのプロセスとKPI
  3. 3.ROI(投資対効果)もチェックしよう
  4. 4.メルマガ配信の効果測定のためのツール
    1. 4.1.①GoogleAnalytics
    2. 4.2.②メール配信システム
    3. 4.3.③MAツール
  5. 5.効果測定と改善の具体例
    1. 5.1.①開封率の改善
      1. 5.1.1.配信時間に配慮する
      2. 5.1.2.メルマガの件名を効果測定に使う
      3. 5.1.3.差出人名に個人名を含める
    2. 5.2.②CTR(クリック率)の改善
      1. 5.2.1.リンク配置を改善する
      2. 5.2.2.画像や装飾に工夫を加える
      3. 5.2.3.メール内URLのクリック率を測定する
    3. 5.3.③CVR(コンバージョン率)の改善
    4. 5.4.④購読解除率の改善
    5. 5.5.⑤不達(エラーメール)率の改善
    6. 5.6.⑥その他改善策
  6. 6.まとめ

メルマガ配信における効果測定の重要性

メルマガ配信における効果測定とは、送信したメールマガジンがユーザにどのように受け入れられたかを数値化し、その効果を評価することです。具体的には、配信したメルマガがどのくらい開封されたかや、そこからどのくらい商品の購入につながったかを把握することが主な目的です。これにより、メールマーケティングの成果を正確に把握し、戦略の改善や最適化に役立てることが可能となります。

メルマガを単に配信するだけでは、興味を持っている見込み顧客を引き込むチャンスを逃してしまいかねません。効果測定をおこなうことで、メルマガの内容や配信タイミングを最適化し、ユーザのニーズに合った情報を提供することができます。メルマガを配信しているにもかかわらず売上が伸びない場合でも、あきらめずに効果測定を通じて問題の原因を突き止めることが重要です。


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メルマガの効果測定におけるKPIと平均・目安

メルマガのKPIとなる開封率、CTR、CVRなどについて詳しく見ていきましょう。


①開封率

開封率は、ユーザがメルマガを開封する割合を示します。この数値はHTML形式のメールにのみ適用され、テキスト形式のメールは含まれません。一般的に、メルマガの平均開封率は15〜20%と言われており、メールの件名や送信者名、送信日時や曜日によっても変わります。

開封率からは、以下のことが読み取れます。

  • 件名に対する読者の関心度
  • メルマガの内容が長期的に読者の期待に応えているかどうか
  • 配信時間や頻度が適切かどうか
  • 配信先リストの質の良し悪し

各業種におけるメルマガの平均開封率は、以下の表の通りです。業種ごとに開封率にばらつきがあります。


業界

平均開封率

NPO/行政サービス

32.65%

医療

28.14%

観光/エンターテイメント/ホスピタリティ

27.59%

不動産

26.65%

広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン

26.41%

フィットネス

24.46%

小売/消費サービス

24.28%

コンサルタント/HR/人材

20.33%

テクノロジー/通信

20.33%

ファイナンス

17.94%

製造/物流/エンジニアリング

17.03%

建築・建設

16.86%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報

 https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/


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②CTR(クリックスルー率)

CTR(Click-Through Rate)とは、メルマガ文内のリンクがクリックされた割合です。
CTRは、<クリック数÷配信成功数×100>の計算式で求められます。
一般的に、開封率の約10分の1程度と言われています。

クリックスルー率からは、以下の点を判断できます。

  • 読者にとって興味深いコンテンツを提供できたか
  • メールのデザインが読みやすかったか
  • 件名とコンテンツが一致していたかどうか

各業種におけるメルマガの平均クリック率は、以下の表の通りです。

業界

平均クリック率

NPO/行政サービス
2.59%

医療
1.80%
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ
1.30%
不動産
2.40%
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン
1.60%
フィットネス
1.27%
小売/消費サービス
1.34%
コンサルタント/HR/人材
0.94%
テクノロジー/通信
1.19%
ファイナンス
0.75%
製造/物流/エンジニアリング
1.06%
建築・建設
0.81%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報
https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/


③CVR(コンバージョン率)

CVR(Conversion Rate)は、メルマガをきっかけに読者がWebページ上で登録、購入、問い合わせなどのアクションをおこなった割合です。CVRを把握することで、サイトの内容や質を評価することができます。

平均的なコンバージョン率は0.1%から0.2%です。クリック率の約10分の1程度と考えると理解しやすいでしょう。CVRが低い場合、リンク先のサイトがユーザに魅力を与えていない可能性があります。つまり、商品に魅力がないか、申し込みフォームの設計に問題があることなどが考えられます。クリックがあっても反応が得られない場合は、商品の内容やWebデザインを見直すとCVR率が改善される可能性があります。


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④不達(エラーメール)率

不達率とは、メルマガが何らかの理由によりユーザに届かなかった割合です。主な原因として、読者のメールアドレスの変更や受信ボックスの容量オーバーなどがあります。また、社用メールアドレスを使用している場合、退職などの理由によりメールが届かなくなることもあります。

以下の表は21の国(地域)におけるエラーメール率を示していますが、日本では平均1.5%〜2.0%程度です。不達率を把握し不要なメールアドレスを削除することで、顧客管理がスムーズになります。そのため、メルマガ登録者の定期的な整理が推奨されています。


業界

平均エラー率

NPO/行政サービス
3.02%
医療
3.87%
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ
5.44%
不動産
4.56%
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン
5.21%
フィットネス
4.81%
小売/消費サービス
4.16%
コンサルタント/HR/人材
4.52%
テクノロジー/通信
5.56%
ファイナンス
3.56%
製造/物流/エンジニアリング
4.99%
建築・建設
4.39%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報
 https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/



⑤反応率

反応率は、メルマガ内のURLがクリックされた割合を示す指標で、クリックスルー率と同じです。しかし、クリック率とは異なる計算方法を使用します。クリック率は、<クリック数 ÷ 配信成功数 × 100>で算出しますが、反応率は<クリック数 ÷ 開封数 × 100>で求めます。

反応率の計算式の場合は開封数を分母にするため、メルマガを開封した読者が内容を見てどう反応したかを測定できます。これにより、本文の内容やレイアウトなど、配信したメルマガの内容がクリックにどの程度影響しているかを直接評価することが可能です。


⑥購読解除(オプトアウト)率

購読解除率(配信停止率)は、配信されたメールに対する購読解除したユーザの割合です。この割合は、<購読解除数 ÷ 配信成功数 × 100>で算出します。購読解除は配信者にとって不利ですが、解除理由を分析することで、見込み顧客の満足度を向上させるチャンスになります。

購読解除率から以下の点を把握できます。

  • メルマガが読者のニーズに合っているか
  • 配信頻度が適切かどうか
  • 配信先リストの質が良いか悪いか

各業種におけるメルマガの平均配信停止率は、以下の表の通りです。

業界

平均配信停止率

NPO/行政サービス
0.15%
医療
0.16%
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ
0.16%
不動産
0.18%
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン
0.17%
フィットネス
0.20%
小売/消費サービス
0.16%
コンサルタント/HR/人材
0.16%
テクノロジー/通信
0.18%
ファイナンス
0.13%
製造/物流/エンジニアリング
0.13%
建築・建設
0.19%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報
https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/


⑦メルマガ登録数の変動

メルマガ登録数は解約数と一部重なるため、表面上の数字だけでは変動が分かりにくいものの、配信者としては登録数の変動に注意する必要があります。例えば、先週500人が登録し、今週も500人だったとしても、その間に5人が解約し、5人が新たに登録した可能性があります。この場合、登録数は同じでも読者は異なるので、当然反応も変わってくるでしょう。そのため、「登録数が変わらないから、今までと同じ配信方法でいい」と考えていると、読者の入れ替わりによってニーズを見逃してしまう可能性があります。


⑧直帰率

直帰率とは、メルマガ内にあるリンクをクリックした読者が、遷移先のページで何もアクションを起こさず、すぐにページを閉じた割合を示す指標です。この指標は、メルマガの内容に興味を持った読者がリンク先をクリックしたにもかかわらず、期待していた内容と実際のページ内容が異なっていた場合などに上昇する傾向があります。

例えば、「特別セール」という言葉に惹かれて該当のURLをクリックしたユーザが、遷移先で目的のページが見当たらなかったというような場合などです。こうした状況では直帰率が高くなり、ユーザの期待を満たせていないことが分かります。


⑨配信直後のアクション

配信直後の読者の反応を確認することにより、メールが開封されやすい時間帯やリンクがクリックされやすい時間帯をつかみやすくなります。そのため、配信後は一定の時間を設けて、読者がどのような行動を取るのかを観察しましょう。例えば、「通常なら30分程度で反応があるのに、今回は全く反応がない」といった場合でも、配信直後のアクションをきちんとチェックしていれば、早期に対処できます。


⑩その他指標

上記の項目に加えて「開封デバイスの種類」という指標もあります。どのデバイスからメールが開封されているかを把握することで、読者の環境に適したメルマガを作成することが可能となります。「8割近くの読者がスマホからアクセスして閲覧している」と分かれば、スマホでの見やすさやデザインを重視したメルマガを作成するなど、適切な施策に変更することができます。


メール配信から顧客獲得までのプロセスとKPI

実際に各KPIの数値を設定する際は、目標CV数を決め、クリック率、開封率で逆算して、各KPIの数値を算出します。例えば、目標CV数を10件と設定した場合を例に見ていきましょう。

<メルマガ試作のKPI設定例>

⑤配信数

約20,833件

④到達数

20,000件

約4%が不達

到達率 約96%

③開封数

4,000件

到達数の20%が開封

開封率 約20%

②クリック数

1,000件

開封数の25%がクリック

クリック率 約5%

①CV数

10件

クリック数の1%

CV率 0.05%


CV数をクリック数の1%と仮定します。この場合、①目標CV数10件を達成するために必要な②クリック数は1,000件(10件 ÷ 1%)です。

過去の実績から、開封数の25%がクリックすると仮定します。この場合、②目標クリック数1,000件を達成するために必要な③開封数は4,000件(1,000件 ÷ 25%)となります。

到達数の20%が開封すると仮定すると、③目標開封数4,000件を達成するために必要な④到達数は20,000件(4,000件 ÷ 20%)です。

メールの約4%が不達になると仮定すると、④目標到達数20,000件を達成するためには、実際の⑤配信数は約20,833件(20,000件 ÷ 96%)となります。




ROI(投資対効果)もチェックしよう

ROI(Return On Investment:投資対効果)も重要な指標です。メルマガ配信におけるROIは、そのメルマガの配信にかかった投資に対して得られた利益を示す指標です。ROIは、以下の計算式で算出します。

利益金額÷投資金額×100(%)

「利益金額」とは、「売上-売上原価-投資額」のことで、つまり粗利(=売上総利益)です。以下で2商品のROI計算例を見ていきましょう。


【商品A】
売上:1,000万円、売上原価:300万円、販管費:40万円、マーケティング投資額:400万円

ROI = (1,000 - 300 - 40 - 400)÷ 400 × 100 =65%


【商品B】
売上:800万円、売上原価:200万円、販管費:30万円、マーケティング投資額:200万円

ROI = (800 - 200 - 30 - 200)÷ 200 × 100 = 185%


ROIが高いほど投資効果が高いと言えるため、この2つの商品を比較すると、商品Bは商品Aよりマーケティング効果があると評価できます。


メルマガ配信の効果測定のためのツール

メールマーケティングの効果を測定するための代表的なツールを3つご紹介します。


①GoogleAnalytics

Google Analyticsは、無料で提供されているGoogleのアクセス解析ツールです。Webサイトの運営には不可欠なツールであり、さまざまなデータを計測・解析し、サイトの改善に役立てることができます。開封率は、HTMLメール内に”Measurement Protocol”のURLを埋め込むことで計測可能となっています。

一方、メール配信システムやMAツールを使用すると、メールの配信から分析までを一貫しておこないやすくなるため、これらのツールと併用して活用することが一般的です。


②メール配信システム

メール配信システムは、顧客のメールアドレスの登録・管理、メールの作成・配信、効果測定などを一貫しておこなえるシステムです。手動での登録や本文の書き換えの手間が不要になり、業務効率が向上します。

セグメントやステップメール機能も備えており、読者の属性や行動履歴に基づいて異なるメールの送信が可能です。ネットショップの集客やカスタマーサポート、イベント告知など、業種業界問わずさまざまな企業で利用されています。例えば、交通情報サービス企業ではメール配信システム導入によりサービス登録者を約2万人獲得したという事例もあります。


③MAツール

MAツールは、見込み顧客を実際の顧客に転換させるための施策やアクションを自動的に実行するツールです。情報の自動発信や、見込み顧客の行動をデータで可視化する機能も備えています。メール配信機能はMAツールの代表的な機能の1つであり、開封率やクリック率をリアルタイムで把握でき、設定した条件を満たす見込み顧客については、営業担当者やマーケティング担当者に自動的に通知される仕組みです。また、大規模なメール配信やタイムリーな一斉配信もおこなえます。

MAツールはメールマーケティング効果を測定するだけでなく、見込み顧客との関係を強化し、商談や成約の確率を高めることができます。


効果測定と改善の具体例

メルマガ全体を解析しようとすると、多くの点を確認する必要があります。そこで今回はすぐに実践できるメルマガの効果測定と改善の具体例をご紹介します。状況に応じて改善方法は変わるものの、基本的な流れはほぼ同じです。


①開封率の改善

開封率が低い場合は、配信時間への配慮、メルマガの件名で効果測定、差出人名に個人名を入れる、という3つの改善策があります。それぞれについて見ていきましょう。


配信時間に配慮する

配信時間を工夫することで、メルマガの開封率を向上させることができます。例えば、BtoB向けのメルマガの場合、平日の11時頃や15時台に配信すると開封率が高くなる傾向があります。自社のターゲットがどの時間帯にメルマガを読みやすいかを考慮して、配信時間を決めましょう。もし、どの時間帯が適切か分からない場合は、異なる時間帯で配信してみて、最も反応が良かった時間を選ぶことをおすすめします。


メルマガの件名を効果測定に使う

例えば、メルマガの件名によって開封率に大きな差が出る場合を考えてみましょう。ユーザはメルマガを受信すると、まずメール受信ボックスに表示される「送信者名」と「メールの件名」を見て、開封するかどうかを決めます。重要でないとみなされたメルマガは、開封される可能性が非常に低くなります。

そこで、同じ内容のメルマガであっても、異なる件名をいくつか作成し、それらの開封率を比較してみるとよいでしょう。もし件名によって大きな開封率の差が見られる場合は、その差を縮めるために改善が必要です。


差出人名に個人名を含める

差出人名にメルマガ配信者の個人名を挿入すると、読者に親近感を抱いてもらいやすくなるため開封率が向上する可能性があります。例えば、「株式会社〇〇」ではなく、「△△(個人名)/株式会社〇〇」という形式で送ると良いでしょう。購読者は実際の人との関係を感じることで、開封率やエンゲージメントの向上につながる可能性があります。ただし、差出人名は読者にとって認識しやすいように、一貫性を持たせることが重要です。


②CTR(クリック率)の改善

CTR(クリック率)が低い場合はクリックしやすいリンクを配置したり、メルマガ内の画像・装飾を工夫したりするなどして、クリック率の改善を図ると良いでしょう。


リンク配置を改善する

クリック率を向上させるには、クリックしたくなるようなリンクを配置することがポイントです。タイトルや本文のキーワードなど、読み手が興味を持ちやすい場所にリンクを配置します。目を引くボタンやアイコンを使って視覚的に注目させるのも効果的です。リンクのテキストは簡潔で具体的な行動を促す言葉を選ぶと良いでしょう。例えば「今すぐ登録する」といった表現も有効です。


画像や装飾に工夫を加える

メールマーケティングにおいて画像やデザインの工夫は、読者の注意を引く要素として、クリック率の向上につながります。色彩豊かな画像や動きのあるアニメーションを活用することで視覚的な魅力を高め、さらに重要なメッセージはテキストを装飾することで強調できます。シンプルで統一感のあるカラースキームやレイアウトを採用し、モバイルでも見やすいデザインを心掛けましょう。


メール内URLのクリック率を測定する

メール本文に挿入するURLにはトラッキングコード(ユーザのサイト内での行動などを計測するためのコード)を追加します。ユーザがリンクをクリックするとトラッキングコードがアクティブになり、データ収集が可能です。さらに、メール本文の長さ、リンクの配置、全体のレイアウトを変えて異なるバージョンを配信します。そして、各バージョンのクリック率を比較することで、メールの効果を評価し、改善のための手掛かりを導き出すことができます。


③CVR(コンバージョン率)の改善

CVR(コンバージョン率)が低い場合は、遷移先のWebサイトのナビゲーションが分かりにくいか、メールの内容と遷移先のコンテンツが合致していない可能性があります。まずは「読者が目的のページにスムーズに遷移できるか」、「遷移先のコンテンツがメールの内容に一致しているか」を確認しましょう。

読みにくいコンテンツや期待と異なる内容は、ユーザの興味を失わせ、CVR(コンバージョン率)低下の原因になります。また、小さな画像や不適切なコンテンツもCVR(コンバージョン率)を低下させる可能性があるため、ターゲットに応じたナビゲーションやコンテンツの設計も重要です。良質な情報を提供し、ユーザがスムーズにコンバージョンまで進むための導線を整えておきましょう。


④購読解除率の改善

メルマガの購読解除率が上がる主な理由は、メルマガの内容がユーザの興味関心とマッチしていないことです。配信時間が適切でないことも考えられます。解除数が一時的に増えた場合は、どのコンテンツがユーザに合わなかったのかを詳しく分析することが必要です。

購読解除率を下げる手段として、メルマガ解除時のアンケートがあります。ユーザのフィードバックを収集し活用することで、ユーザのニーズに応じた改善を図ることが可能となり、購読解除率の低下につなげることができます。


⑤不達(エラーメール)率の改善

エラーメールの割合が高い場合、メルマガの配信リストの整理が必要です。メールが届かない原因としては、多くの場合、メールアドレスの変更、受信ボックスの容量オーバー、または社用アドレスにおいては退職などによるメールアドレスの使用停止などが挙げられます。

そこで、定期的にメルマガの配信リストをチェックし、不要なメールアドレスや配信エラーとなるメールアドレスを削除しましょう。これにより、エラーメールの割合を低減させることができます。なお、登録時に正確なメールアドレスを収集することも重要です。二重確認を導入するなど、間違ったアドレスや誤った情報を最小限に抑える対策を取りましょう。


⑥その他改善策

効果測定を改善させるには、質の高い情報収集と分析が不可欠で、MAツールの活用が有効です。MAツールを使うことにより、正確な顧客情報を収集し、セグメント機能でユーザを細かく分類することで、より個別化されたコンテンツを配信できます。

さらに、トリガーメールやワークフローを設定することで、適切なタイミングでのメール送信が可能です。また、データ分析により開封率やクリック率などを評価し、改善が必要な部分を特定できます。MAツールを利用して、継続的な改善を行うことで、メールマーケティングの精度をより高めることができます。



まとめ

メールマーケティングは、中長期的な取り組みです。メルマガ配信によって顧客との信頼関係を深め、ニーズが顕在化した際に問い合わせが増え、成約につながりやすくなります。そのため、配信と効果測定のサイクルを続けることが重要です。

例えば、クリック率を改善するには、メールのコンテンツがユーザのニーズに合っているか、リンクの配置が分かりやすいかを見直す必要があります。コンバージョン率を上げるには、リンク先ページの改善が必要です。効果測定を続け、ユーザのニーズや興味に応じた配信をおこない、関係構築に努めましょう。



著者
アララ メッセージ マーケティングチーム

メール配信運用、メールマーケティングに関する情報をお届けするコラムです。“知ってるとちょっとイイコトがある”情報を発信します。


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