メールマーケティングで一定の効果を出すには、適切なKPIを設定することと、その効果測定が欠かせません。

本記事では、メルマガ配信担当者向けに、メールマーケティングの効果測定の重要性や効果測定で使用するKPIとその平均値や目安、効果測定に役立つツールについて分かりやすく解説します。また、効果測定と改善の具体例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

メルマガ配信における効果測定の重要性

メルマガ配信における効果測定とは、送信したメールマガジンがユーザにどのように受け入れられたかを数値化し、その効果を評価することです。具体的には、配信したメルマガがどのくらい開封されたかや、そこからどのくらい商品の購入につながったかを把握することが主な目的です。これにより、メールマーケティングの成果を正確に把握し、戦略の改善や最適化に役立てることが可能となります。

メルマガを単に配信するだけでは、興味を持っている見込み顧客を引き込むチャンスを逃してしまいかねません。効果測定をおこなうことで、メルマガの内容や配信タイミングを最適化し、ユーザのニーズに合った情報を提供することができます。メルマガを配信しているにもかかわらず売上が伸びない場合でも、あきらめずに効果測定を通じて問題の原因を突き止めることが重要です。

【最新版】メールマーケティングとは?基礎や種類・効果的な実施手順について解説メールマーケティングとは、顧客とのやり取りを電子メールでおこない、サービスや商品に対する関心を高めることでコンバージョンに結び付けるマーケティング手法です。 今回は、メールマーケティングについて詳しく解説します。アララ メッセージ

メルマガの効果測定で分析するべき10個のKPI

メルマガのKPIとなる開封率、CTR、CVRなどの10項目について詳しく見ていきましょう。

①開封率

開封率は、ユーザがメルマガを開封する割合を示します。この数値はHTML形式のメールにのみ適用され、テキスト形式のメールは含まれません。一般的に、メルマガの平均開封率は15〜20%と言われており、メールの件名や送信者名、送信日時や曜日によっても変わります。

開封率からは、以下のことが読み取れます。

  • 件名に対する読者の関心度
  • メルマガの内容が長期的に読者の期待に応えているかどうか
  • 配信時間や頻度が適切かどうか
  • 配信先リストの質の良し悪し

各業種におけるメルマガの平均開封率は、以下の表の通りです。業種ごとに開封率にばらつきがあります。

業界

平均開封率

NPO/行政サービス

32.65%

医療

28.14%

観光/エンターテイメント/ホスピタリティ

27.59%

不動産

26.65%

広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン

26.41%

フィットネス

24.46%

小売/消費サービス

24.28%

コンサルタント/HR/人材

20.33%

テクノロジー/通信

20.33%

ファイナンス

17.94%

製造/物流/エンジニアリング

17.03%

建築・建設

16.86%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報

 https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/

メルマガ開封率の平均(業界・時間帯・曜日)と開封率を上げる方法を解説本コラムでは、業界別・配信日時別のメルマガ平均開封率の傾向や、開封率を向上させるための具体的な方法について紹介します。これからメールマーケティングを始める方や、施策の改善を検討している方にとって、自社サービスの売り上げ拡大につながる一助となれば幸いです。アララ メッセージ

②CTR(クリックスルー率)

CTR(Click-Through Rate)とは、メルマガ文内のリンクがクリックされた割合です。CTRは、<クリック数÷配信成功数×100>の計算式で求められます。一般的に、開封率の約10分の1程度と言われています。

クリックスルー率からは、以下の点を判断できます。

  • 読者にとって興味深いコンテンツを提供できたか
  • メールのデザインが読みやすかったか
  • 件名とコンテンツが一致していたかどうか

各業種におけるメルマガの平均クリック率は、以下の表の通りです。

業界

平均クリック率

NPO/行政サービス

2.59%

医療

1.80%

観光/エンターテイメント/ホスピタリティ

1.30%

不動産

2.40%

広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン

1.60%

フィットネス

1.27%

小売/消費サービス

1.34%

コンサルタント/HR/人材

0.94%

テクノロジー/通信

1.19%

ファイナンス

0.75%

製造/物流/エンジニアリング

1.06%

建築・建設

0.81%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報
https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/

③CVR(コンバージョン率)

CVR(Conversion Rate)は、メルマガをきっかけに読者がWebページ上で登録、購入、問い合わせなどのアクションをおこなった割合です。CVRを把握することで、サイトの内容や質を評価することができます。

平均的なコンバージョン率は0.1%から0.2%です。クリック率の約10分の1程度と考えると理解しやすいでしょう。CVRが低い場合、リンク先のサイトがユーザに魅力を与えていない可能性があります。つまり、商品に魅力がないか、申し込みフォームの設計に問題があることなどが考えられます。クリックがあっても反応が得られない場合は、商品の内容やWebデザインを見直すとCVR率が改善される可能性があります。

メルマガのコンバージョン率(CVR)とは?平均や上げる方法を解説多くのメールマーケティング担当者が抱える課題の一つに、メールマガジンの成約率の向上が挙げられます。成約率はコンバージョン率(CVR)ともいわれ、売上に直結する重要な指標です。 本記事では、コンバージョン率(CVR)の計算方法や平均値、測定ツールについて詳しく説明し、さらにコンバージョン率(CVR)を向上させるための逆算についても、ステップごとにポイントをご紹介します。アララ メッセージ

④不達(エラーメール)率

不達率とは、メルマガが何らかの理由によりユーザに届かなかった割合です。主な原因として、読者のメールアドレスの変更や受信ボックスの容量オーバーなどがあります。また、社用メールアドレスを使用している場合、退職などの理由によりメールが届かなくなることもあります。

以下の表は21の国(地域)におけるエラーメール率を示していますが、日本では平均1.5%〜2.0%程度です。不達率を把握し不要なメールアドレスを削除することで、顧客管理がスムーズになります。そのため、メルマガ登録者の定期的な整理が推奨されています。

業界

平均エラー率

NPO/行政サービス

3.02%

医療

3.87%

観光/エンターテイメント/ホスピタリティ

5.44%

不動産

4.56%

広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン

5.21%

フィットネス

4.81%

小売/消費サービス

4.16%

コンサルタント/HR/人材

4.52%

テクノロジー/通信

5.56%

ファイナンス

3.56%

製造/物流/エンジニアリング

4.99%

建築・建設

4.39%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報
https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/

⑤反応率

反応率は、メルマガ内のURLがクリックされた割合を示す指標で、クリックスルー率と同じです。しかし、クリック率とは異なる計算方法を使用します。クリック率は、<クリック数 ÷ 配信成功数 × 100>で算出しますが、反応率は<クリック数 ÷ 開封数 × 100>で求めます。

反応率の計算式の場合は開封数を分母にするため、メルマガを開封した読者が内容を見てどう反応したかを測定できます。これにより、本文の内容やレイアウトなど、配信したメルマガの内容がクリックにどの程度影響しているかを直接評価することが可能です。

⑥購読解除(オプトアウト)率

購読解除率(配信停止率)は、配信されたメールに対する購読解除したユーザの割合です。この割合は、<購読解除数 ÷ 配信成功数 × 100>で算出します。購読解除は配信者にとって不利ですが、解除理由を分析することで、見込み顧客の満足度を向上させるチャンスになります。

購読解除率から以下の点を把握できます。

  • メルマガが読者のニーズに合っているか
  • 配信頻度が適切かどうか
  • 配信先リストの質が良いか悪いか

各業種におけるメルマガの平均配信停止率は、以下の表の通りです。

業界

平均配信停止率

NPO/行政サービス

0.15%

医療

0.16%

観光/エンターテイメント/ホスピタリティ

0.16%

不動産

0.18%

広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン

0.17%

フィットネス

0.20%

小売/消費サービス

0.16%

コンサルタント/HR/人材

0.16%

テクノロジー/通信

0.18%

ファイナンス

0.13%

製造/物流/エンジニアリング

0.13%

建築・建設

0.19%

出典:BENCHMARK|平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報
https://www.benchmarkemail.com/jp/email-marketing-benchmarks/

⑦メルマガ登録数の変動

メルマガ登録数は解約数と一部重なるため、表面上の数字だけでは変動が分かりにくいものの、配信者としては登録数の変動に注意する必要があります。例えば、先週500人が登録し、今週も500人だったとしても、その間に5人が解約し、5人が新たに登録した可能性があります。この場合、登録数は同じでも読者は異なるので、当然反応も変わってくるでしょう。そのため、「登録数が変わらないから、今までと同じ配信方法でいい」と考えていると、読者の入れ替わりによってニーズを見逃してしまう可能性があります。

⑧直帰率

直帰率とは、メルマガ内にあるリンクをクリックした読者が、遷移先のページで何もアクションを起こさず、すぐにページを閉じた割合を示す指標です。この指標は、メルマガの内容に興味を持った読者がリンク先をクリックしたにもかかわらず、期待していた内容と実際のページ内容が異なっていた場合などに上昇する傾向があります。

例えば、「特別セール」という言葉に惹かれて該当のURLをクリックしたユーザが、遷移先で目的のページが見当たらなかったというような場合などです。こうした状況では直帰率が高くなり、ユーザの期待を満たせていないことが分かります。

⑨配信直後のアクション

配信直後の読者の反応を確認することにより、メールが開封されやすい時間帯やリンクがクリックされやすい時間帯をつかみやすくなります。そのため、配信後は一定の時間を設けて、読者がどのような行動を取るのかを観察しましょう。例えば、「通常なら30分程度で反応があるのに、今回は全く反応がない」といった場合でも、配信直後のアクションをきちんとチェックしていれば、早期に対処できます。

⑩その他指標

上記の項目に加えて「開封デバイスの種類」という指標もあります。どのデバイスからメールが開封されているかを把握することで、読者の環境に適したメルマガを作成することが可能となります。「8割近くの読者がスマホからアクセスして閲覧している」と分かれば、スマホでの見やすさやデザインを重視したメルマガを作成するなど、適切な施策に変更することができます。

メール配信から顧客獲得までのプロセスとKPI

実際に各KPIの数値を設定する際は、目標CV数を決め、クリック率、開封率で逆算して、各KPIの数値を算出します。例えば、目標CV数を10件と設定した場合を例に見ていきましょう。

<メルマガ試作のKPI設定例>

⑤配信数

約20,833件

ー

ー

④到達数

20,000件

約4%が不達

到達率 約96%

③開封数

4,000件

到達数の20%が開封

開封率 約20%

②クリック数

1,000件

開封数の25%がクリック

クリック率 約5%

①CV数

10件

クリック数の1%

CV率 0.05%


CV数をクリック数の1%と仮定します。この場合、①目標CV数10件を達成するために必要な②クリック数は1,000件(10件 ÷ 1%)です。
↓
過去の実績から、開封数の25%がクリックすると仮定します。この場合、②目標クリック数1,000件を達成するために必要な③開封数は4,000件(1,000件 ÷ 25%)となります。
↓
到達数の20%が開封すると仮定すると、③目標開封数4,000件を達成するために必要な④到達数は20,000件(4,000件 ÷ 20%)です。
↓
メールの約4%が不達になると仮定すると、④目標到達数20,000件を達成するためには、実際の⑤配信数は約20,833件(20,000件 ÷ 96%)となります。

ROI(投資対効果)もチェックしよう

ROI(Return On Investment:投資対効果)も重要な指標です。メルマガ配信におけるROIは、そのメルマガの配信にかかった投資に対して得られた利益を示す指標です。ROIは、以下の計算式で算出します。

利益金額÷投資金額×100(%)

「利益金額」とは、「売上-売上原価-投資額」のことで、つまり粗利(=売上総利益)です。以下で2商品のROI計算例を見ていきましょう。

【商品A】
売上:1,000万円、売上原価:300万円、販管費:40万円、マーケティング投資額:400万円

ROI = (1,000 - 300 - 40 - 400)÷ 400 × 100 =65%

【商品B】
売上:800万円、売上原価:200万円、販管費:30万円、マーケティング投資額:200万円

ROI = (800 - 200 - 30 - 200)÷ 200 × 100 = 185%

ROIが高いほど投資効果が高いと言えるため、この2つの商品を比較すると、商品Bは商品Aよりマーケティング効果があると評価できます。

効果測定の方法

メルマガ配信の効果を最大化するためには、配信後の反応を定量的に把握し、継続的な改善に取り組むことが欠かせません。本章では、メールマーケティングにおける効果測定の基本的な流れと、成果向上に向けた具体的な施策についてご紹介します。

全体の流れ:PDCAサイクルで成果を最大化

メルマガ配信の効果を高めるには、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回すことが基本です。一度配信して終わりではなく、「なぜこの結果になったのか」、「次回どう改善できるか」を定期的に見直すことで、安定的な成果に繋がります。

PDCAサイクルのステップ

  • Plan(計画):配信の目的・ターゲット・KPI(開封率やCV数など)を設定
  • Do(実行):設計したメルマガを配信
  • Check(評価):各種KPI(開封率、クリック率、CVRなど)を確認・分析
  • Action(改善):分析結果をもとに件名や配信タイミング、コンテンツを調整

実践例:ABテストでユーザーの反応を可視化

メルマガの反応を高めるには、ABテストも欠かせません。ABテストとは、同一の条件下で「件名」や「配信時間」「デザイン」などの要素を2パターンに分け、どちらが効果的かを検証する手法です。

例:件名のABテスト

  • A案:「【本日限定】最大50%OFFクーポン配布中」
  • B案:「今すぐチェック!週末限定セール開催中」

このように件名を変えて配信し、開封率が高かった案を採用します。特に以下の3点を意識することで、テストの効果を最大化できます。

  • テストする項目は1つに絞る(複数要素を同時に変えない)
  • 配信対象を均等な条件で分割する(セグメント設定)
  • 一定数のデータを収集し、統計的に有意な差を確認する

ABテストは、勘や経験ではなく、読者の実際の行動に基づいて判断するため、改善の説得力が高まります。

メルマガ配信の効果測定のためのツール

メールマーケティングの効果を測定するための代表的なツールを3つご紹介します。

①GoogleAnalytics

Google Analyticsは、無料で提供されているGoogleのアクセス解析ツールです。Webサイトの運営には不可欠なツールであり、さまざまなデータを計測・解析し、サイトの改善に役立てることができます。開封率は、HTMLメール内に”Measurement Protocol”のURLを埋め込むことで計測可能となっています。

一方、メール配信システムやMAツールを使用すると、メールの配信から分析までを一貫しておこないやすくなるため、これらのツールと併用して活用することが一般的です。

②メール配信システム

メール配信システムは、顧客のメールアドレスの登録・管理、メールの作成・配信、効果測定などを一貫しておこなえるシステムです。手動での登録や本文の書き換えの手間が不要になり、業務効率が向上します。

セグメントやステップメール機能も備えており、読者の属性や行動履歴に基づいて異なるメールの送信が可能です。ネットショップの集客やカスタマーサポート、イベント告知など、業種業界問わずさまざまな企業で利用されています。例えば、交通情報サービス企業ではメール配信システム導入によりサービス登録者を約2万人獲得したという事例もあります。

③MAツール

MAツールは、見込み顧客を実際の顧客に転換させるための施策やアクションを自動的に実行するツールです。情報の自動発信や、見込み顧客の行動をデータで可視化する機能も備えています。メール配信機能はMAツールの代表的な機能の1つであり、開封率やクリック率をリアルタイムで把握でき、設定した条件を満たす見込み顧客については、営業担当者やマーケティング担当者に自動的に通知される仕組みです。また、大規模なメール配信やタイムリーな一斉配信もおこなえます。

MAツールはメールマーケティング効果を測定するだけでなく、見込み顧客との関係を強化し、商談や成約の確率を高めることができます。

メール配信サービスを上手く活用する

効果測定を手間なく、正確におこなうには、メール配信サービスの活用が効率的です。配信から分析、改善までを一元管理できるため、担当者の負担を軽減しながら成果を高める運用が可能になります。

メール配信サービスを使うメリット

  • 開封率・クリック率などを可視化できる
  • ステップメール・セグメント配信など高度なターゲティングができる
  • ABテスト機能で簡単に改善施策を実行できる
  • エラーメールの自動除外や購読管理機能が使える

たとえば、当社の提供するメールマーケティングサービス「アララ メッセージ」では、開封率・クリック率などの効果測定機能やセグメント配信機能、HTMLメールをコーディング作業なしで作成できる「HTMLメール簡単モード」や宛先ごとに会社名や個人名を挿入できる「差し込み」機能など、初心者でもメールマーケティングに活用できる機能を多数備えています。

まとめ

メールマーケティングは、中長期的な取り組みです。メルマガ配信によって顧客との信頼関係を深め、ニーズが顕在化した際に問い合わせが増え、成約につながりやすくなります。そのため、配信と効果測定のサイクルを続けることが重要です。

例えば、クリック率を改善するには、メールのコンテンツがユーザのニーズに合っているか、リンクの配置が分かりやすいかを見直す必要があります。コンバージョン率を上げるには、リンク先ページの改善が必要です。効果測定を続け、ユーザのニーズや興味に応じた配信をおこない、関係構築に努めましょう。


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