メルマガとは? 基礎知識や効果的な作り方、メリットまでわかりやすく解説

企業や団体などが提供する製品やサービスに関する情報を、定期的に発信する手段として活用されているのが「メールマガジン(メルマガ)」です。

本記事では、メルマガの概要や目的、配信によるメリットや直面しやすい課題、効果を上げるためのポイントなどを詳しく解説します。またメルマガの種類や配信時の注意点、代表的な配信方法などについても分かりやすくご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.メルマガ(メールマガジン)とは?他のツールとの違いも解説
    1. 1.1.メルマガとLINEやSNSのDMとの違い
  2. 2.メルマガの役割と目的
    1. 2.1.顧客に情報を伝達する
    2. 2.2.自社商品やサービスを介して流入を促す
    3. 2.3.特定の商品の購買を促す
    4. 2.4.メルマガの種類と特徴
  3. 3.無料メルマガと有料メルマガの違い
  4. 4.メルマガ配信のメリット・デメリット
    1. 4.1.メリット①コストを抑えられる
    2. 4.2.メリット②顧客に直接アプローチできる
    3. 4.3.メリット③顧客の状況に合わせたアプローチが可能
  5. 5.メリットを最大化するための実践テクニック
    1. 5.1.①セグメンテーション
    2. 5.2.②パーソナライズ
    3. 5.3.③A/Bテスト
  6. 6.メルマガを配信するデメリット
    1. 6.1.デメリット①手間と時間がかかる
    2. 6.2.デメリット②効果測定が難しい
  7. 7.メルマガの主な配信方法4つと最適な選び方
  8. 8.メルマガの配信形式は2種類|特徴と選び方を解説
    1. 8.1.テキストメールで簡潔に
    2. 8.2.HTMLメールで凝ったデザインにする
  9. 9.メルマガを配信する際の注意点
    1. 9.1.「迷惑メール」と思われないための法律上のルール
    2. 9.2.注意点①必ず配信の同意(オプトイン)を得る
    3. 9.3.注意点②送信者の情報を必ず明記する
    4. 9.4.注意点③いつでも配信停止(オプトアウト)できるようにする
  10. 10.メルマガ配信の流れ
    1. 10.1.①メルマガの目的とターゲット(ペルソナ)を明確にする
    2. 10.2.②文章を作成
  11. 11.読者を引き込む文章の作り方
    1. 11.1.③配信ツールの選定と実行
    2. 11.2.配信頻度の決め方
    3. 11.3.効果検証
    4. 11.4.解約率を下げるコツ
    5. 11.5.PDCAサイクルの回し方
  12. 12.効果的なメルマガの作り方
    1. 12.1.魅力的な件名を付ける
    2. 12.2.メルマガの形式を工夫する
    3. 12.3.ターゲットや商品に沿って内容を作る
  13. 13.メルマガ運用の成功事例
    1. 13.1.事例① アソビュー株式会社
    2. 13.2.事例② 株式会社ホットスタッフ品川
    3. 13.3.事例③ センターゲート株式会社
  14. 14.メルマガ配信システムを選ぶ際のポイント
    1. 14.1.ポイント①配信量・速度
    2. 14.2.ポイント②機能
    3. 14.3.ポイント③信頼度
  15. 15.メルマガに関するご相談なら、アララメッセージへ
  16. 16.まとめ

メルマガ(メールマガジン)とは?他のツールとの違いも解説

メールマガジンとは、配信者(企業や団体など)が顧客に向け、定期的に情報を発信するコミュニケーションツールの一つです。通称「メルマガ」とも呼ばれており、欧米では一般的に「Email newsletter(Eメールニュースレター)」と呼ばれています。

メルマガは基本的に、顧客自らが購読を希望・登録をします。配信者は、提供する製品やサービスなどの情報をまとめ、購読を希望する顧客へ送信します。配信の時間やタイミングは決まりがないため、自由に設定できます。

メルマガとLINEやSNSのDMとの違い

LINEやSNSのDMはフィード露出や既読率がアルゴリズムの影響を強く受けますが、メールは到達・開封・クリックを明確な指標で追えるうえ、件名・差出人名・配信時間の設計で開封率を上げる運用がしやすいのが特長です。国内では民間ベンチマークで平均開封率が約31.75%とする報告もあり、成果管理のしやすさがうかがえます。表現面でも、メールは長文やHTMLレイアウトでブランドの世界観を丁寧に伝えやすく、SNSのDMは即時性に優れる一方で、レイアウトの自由度に制約があると指摘されています。さらにコスト面では、SNS広告が配信量に応じて費用が積み上がりやすいのに対し、メールは大量一斉配信や定額制の配信基盤を活用することでスケール時の限界費用を抑えやすいという違いがあります。

メルマガの役割と目的

定期的に情報を発信することで企業や団体と顧客をつなぐメルマガには、数多くの目的があります。具体的には、どのような目的があるのでしょうか?ここからは、メルマガの代表的な目的や効果を解説します。

顧客に情報を伝達する

メルマガを配信する主な目的は、顧客に対して情報を効果的に伝達することです。具体的には、製品やサービスのQ&Aや活用方法をはじめ、ブランドの背景や魅力、顧客目線の有益なコラムや豆知識などが挙げられます。つまり、顧客との関係を維持・強化するために、配信者が顧客に伝えたい情報を届けることがメルマガの目的や効果なのです。こうした定期的な情報伝達は、顧客満足度の向上にもつながります。

自社商品やサービスを介して流入を促す

メルマガの大きな特徴は、配信者が顧客に対してダイレクトにアプローチできる点です。この強みを活かし、自社製品や提供するサービスの存在を顧客に知ってもらい、ホームページや店舗への送客につなげることも、メルマガを配信する目的や効果と言えます。自社商品やサービスを介して顧客の流入を促す方法には、主に以下の3種類があります。メルマガはその中でも、発信者が所有する顧客リストに登録された顧客に、直接情報を伝えることが可能な「プッシュ型」に該当する送客方法となります。

  • プッシュ型:企業が特定の顧客に直接アプローチする手法
  • プル型:企業が不特定多数の顧客に情報発信し、興味を持った顧客が自発的に接点を持つ手法フロー型:顧客がさまざまな情報を取捨選択し、企業と接点を持つことを期待する手法

特定の商品の購買を促す

最新商品のリリース情報やセール・キャンペーン情報を発信し、特定商品の購買を促すことも、メルマガの重要な目的・効果の一つです。配信されたメルマガで特定商品の情報に興味を持った顧客がホームページへ訪問し、最終的に売上の向上につながります。また、メルマガは単なる営利目的だけではなく、顧客に有益な情報を定期配信することで、接点を継続的に持ち、親近感や信頼感を育む役割も担います。こうした関係構築は、将来的な購買につながる可能性を高めます。

メルマガの種類と特徴

メルマガの配信方法は、大きく「定期配信型」、「ステップメール型」、「トリガーメール」の3種類に分かれます。「定期配信型」は週1回など決まった頻度で情報を届ける方法で、継続的なブランド訴求や関係構築に適しています。「ステップメール型」は登録日などを起点に、あらかじめ設定したスケジュールに従って自動配信する方法で、顧客教育やナーチャリング(見込み客の育成)に活用されます。「トリガーメール」は購買やクリックなど特定のアクションに応じて即時配信するメールで、タイミング重視のコミュニケーションに有効です。

さらに、配信方法の分類に加えて、内容や目的による分類も存在します。たとえば、「ニュースレター型」は、業界ニュースや自社コラムなどを通じて読者との信頼関係を築き、ブランド想起を高める目的で配信されます。一方、「プロモーション型」は、新商品やセール情報を告知し、購買や申込といった具体的なアクションを促すことを目的としています。また、「ハイブリッド型」では、ニュースレターの情報提供要素とプロモーション要素を組み合わせ、関係構築と売上の両立を狙うケースも増えています。目的に応じて最適な形式を選ぶことで、より効果的な配信が可能になります。

無料メルマガと有料メルマガの違い

比較項目

無料メルマガ

有料メルマガ

目的

認知拡大・集客・販促

情報販売・信頼構築・収益化

読者層

一般顧客、見込み客

専門情報を求める熱心な読者層

コンテンツ内容

一般的な製品情報・ニュース

有料級の独自ノウハウ、コラム、分析記事など

購読ハードル

低い(無料で簡単に登録可能)

高い(料金・登録手続きが必要)

メルマガ配信のメリット・デメリット

メルマガは、他のマーケティング手法と異なる特有の魅力を持っています。具体的には、どのような長所や利点があるのでしょうか?ここからは、メルマガを配信するメリットをご紹介します。

メリット①コストを抑えられる

メルマガ配信の大きなメリットの一つは、コストを抑えられる点です。一般的なダイレクトメール(手紙やハガキなど)の場合、ハガキ代や印刷代、配送料などの費用が必要となります。

一方、Eメールを利用するメルマガであれば、前述した費用がかかりません。また同時に大量の顧客へ送信することで、1件あたりのコストを抑えることも可能です。

メリット②顧客に直接アプローチできる

プッシュ型の販促手法であるメルマガは、顧客に直接アプローチできる点も大きなメリットです。ホームページのような顧客の訪問を待つ「受動的なスタイル」とは異なり、企業から顧客へダイレクトに働きかける「能動的なスタイル」であるため、即効性がある点も魅力といえるでしょう。さらに、LINEやSNSのDMと比べて文字数やデザインの自由度が高く、ブランドの世界観やストーリーを丁寧に表現しやすいのもメルマガならではの利点です。メルマガは販促だけでなく、ブランディングや顧客との関係維持といった目的にも活用でき、長期的な信頼構築にもつながります。

メリット③顧客の状況に合わせたアプローチが可能

メルマガの登録時に入力してもらった性別・年齢・職業・趣味などの顧客情報をもとに、自社の製品やサービスを特定のターゲットにアピールすることも可能です。このように細かく顧客を分類し、それぞれの条件にマッチする人のみにメールが配信される仕組みを「セグメントメール」といいます。さらに近年では、購入履歴やサイト閲覧履歴といった行動データを活用したセグメント配信も主流になっています。例えば、過去にAという商品を購入した顧客にはその関連商品の案内を、カートに商品を入れたまま離脱した顧客にはリマインドメールを送るといった施策が可能です。また、特定のページを複数回閲覧しているユーザーに期間限定キャンペーンを案内するなど、行動に基づくタイムリーなアプローチで購買意欲を高めることができます。

メリットを最大化するための実践テクニック

メルマガの効果を最大化するには、以下の3つの施策が有効です。

まずセグメンテーションでは、年齢・性別・購買履歴・地域などの属性をもとに顧客を分類し、それぞれに最適な内容を配信します。例えば、若年層には新商品のトレンド情報を、リピーターには限定クーポンを送るといった工夫が効果的です。

次にパーソナライズでは、顧客の名前や居住地、誕生日、閲覧履歴を活用してメッセージ内容を個別に最適化します。誕生日特典や地域限定キャンペーンの案内などが代表例です。

最後にA/Bテストでは、件名や本文、配信時間、デザインなどを複数パターンで比較検証し、最も成果の高い要素を特定して次回配信に反映します。

①セグメンテーション

顧客の属性や行動履歴に基づいて配信対象を分類し、ニーズに合った情報を届けることで、反応率の向上が期待できます。例えば、年齢を軸にすれば、20代向けにはトレンド感のある新商品情報、40代以上には機能性や品質を重視した内容を配信できます。性別では、男性向けにビジネスアイテム、女性向けに美容・ライフスタイル情報を配信するなどの工夫が可能です。さらに、購入履歴をもとに、過去に購入した商品と相性の良い関連アイテムを提案したり、地域別に季節イベントや店舗キャンペーン情報を案内したりすることで、よりパーソナルで効果的なアプローチが実現します。

②パーソナライズ

顧客の名前を挿入したり購入履歴に応じた内容を盛り込んだりすることで、顧客の関心を引きやすくなり、エンゲージメントの向上につながります。さらに、居住地に合わせた地域限定イベントの案内や、閲覧履歴に基づくおすすめ商品の提示、誕生日に特典クーポンを配信するなど、個々の状況に寄り添ったパーソナライズを行うことができます。これにより、高い反応率が期待できます。

③A/Bテスト

件名や本文の異なるパターンを複数配信し、配信結果を比較・検証することで、どの要素が成果に結びつくかを検証できます。A/Bテストでは、まず件名の違い(例:「期間限定セール実施中」vs「本日23:59まで!最大50%OFF」)を比較し、開封率への影響を測定します。次に、CTA(行動喚起ボタン)では「今すぐ購入」や「詳細を見る」といった文言や配置位置を変えてクリック率を検証します。配信タイミングも重要で、曜日や時間帯を変えて反応の高いタイミングを把握します。さらに、デザインでは画像の有無、レイアウト、ボタンカラーなどをテストします。視覚的要素がエンゲージメントに与える影響を分析することで、より効果的なメルマガ設計が可能になります。これらの施策を組み合わせ、定期的に効果測定を繰り返すことで、メルマガの精度と成果が着実に向上します。

メルマガを配信するデメリット

コストの抑制や顧客に直接アプローチできるなど、多くのメリットがあるメルマガですが、一方で配信時に直面しやすい課題も少なくありません。ここからは、メルマガを配信する際の主な課題とその対策方法を解説します。

デメリット①手間と時間がかかる

メルマガにおける主な課題のひとつが「手間がかかる点」です。メルマガの配信にあたっては、配信先となる顧客のデータ管理にはじまり、配信目的・目標の設定、配信ツールの選定や配信リストの用意、そして肝心の本文作成など、多くの工程が生じます。メルマガの担当者は他の業務を兼任していることも多いため、上記の対応が大きな負担となることも少なくありません。こうした負担を軽減するためには、配信リストのデータベース化や担当者の専任化、関連業務の分散など、効率的な運用体制の構築が重要です。

デメリット②効果測定が難しい

メルマガはマーケティング手法のひとつとして広く活用されていますが、効果測定が難しい点も大きな課題となります。これは、単純にメルマガを配信するだけでは、到達率・クリック率・開封率・目的達成率・配信エラー数といったメールマーケティングとしての重要なデータを把握できないからです。この課題を解決する方法として有効なのが、メール配信サービスの導入です。メール配信サービスを利用すれば、配信業務を効率化できるだけでなく、詳細な効果測定が可能になり、配信内容の改善や戦略立案にも役立ちます。

メルマガの主要なKPIとしては、まず開封率(開封数 ÷ 到達数 ×100%)があり、メールがどれだけ読まれたかを示します。一般的には20〜30%前後が平均的な目安です。次にクリック率(クリック数 ÷ 到達数 ×100%)は、メール内リンクへの関心度を表し、2〜5%程度が標準とされています。コンバージョン率(CVR)は、メール経由で実際に購入・申込などの行動に至った割合で、1〜3%前後が目安です。最後に配信停止率(解除数 ÷ 到達数 ×100%)は読者離脱の指標で、0.1〜0.3%程度に抑えることが望ましいとされています。

メルマガの主な配信方法4つと最適な選び方

メルマガには、主に以下のような配信方法があります。

  1. ExcelとOutlookの併用
  2. Googleスプレッドシート・ドキュメントの使用
  3. BCC配信の使用
  4. メール配信サービスの利用

「ExcelとOutlook」や「Googleスプレッドシート・ドキュメント」を使う場合、時間や手間、知識が必要となるため、決して難易度が低いとはいえません。 また、Googleのツールは1日の送信数に制限があります。 複数の宛先を「BCC」で送信する方法は、一見便利に思えますが、設定ミスによる個人情報漏洩のリスクが高いため、おすすめできません。操作性や安全性、確実性などを鑑みると「メール配信サービス」が最適といえるでしょう。配信時に専門技術や知識が必要ないうえ、手間をかけずに大量配信が可能となります。 効果測定の機能が備わっている点も魅力のひとつです。

メルマガの配信形式は2種類|特徴と選び方を解説

メルマガの形式は、主に2つの種類があります。それが「テキストメール」と「HTMLメール」です。ここからは、それぞれの特徴や効果的な使い方を見ていきましょう。さらに近年では、両者のメリットを活かした「マルチパート配信」という形式も一般的になっています。これは、1通のメール内に「テキスト版」と「HTML版」を両方含めて送信する方法で、受信環境に応じて最適な形式が自動で表示される仕組みです。例えば、HTMLを表示できないメールソフトではテキスト版が表示されるため、表示崩れや閲覧エラーを防ぎつつ、到達率と訴求力を両立できるのが特長です。テキスト・HTML両方の弱点を補う、実務的かつ安定した配信手法といえるでしょう。

テキストメールで簡潔に

テキストメールとは、「テキスト(文字)」のみで構成された形式のメールです。 文字だけで情報を伝えるテキストメールは容量が小さいため、大半の環境で受信できる点が最大の特長となります。 また知識・経験や専門的なツールがなくても利用可能です。ただし、画像・図の挿入や文字・色などの装飾の設定などができません。 メルマガがシンプルな内容になる場合、テキストメールが効果的です。

HTMLメールで凝ったデザインにする

HTMLメールとは、マークアップ言語の「HTML」を用いて作成されたメールの形式を指します。 テキストメールと異なり、画像・図の挿入や文字・色などの装飾が可能であるため、読者に与える視覚的な訴求効果が高い点が大きな特長です。 また、メールが開封されたかどうかが分かる「開封数」などの効果測定がおこなえる点も、HTMLメールのメリットに挙げられます。 一方で、メールの容量が大きくなり、顧客の受信環境によっては正しく表示されないリスクもあるため、注意が必要です。

また、HTMLやCSSといった専門知識が必要となるため、作成のハードルはやや高めですが、メルマガをより魅力的で印象的な内容に仕上げたい場合には、HTMLメールが最適といえるでしょう。メルマガの種類に関して、さらに詳しい情報を知りたい方は、以下のリンクからチェックできます。

比較項目

テキストメール

HTMLメール

構成内容

文字のみ

文字+画像+レイアウト装飾

メリット

軽量・高い到達性・作成が容易

視覚的訴求力・ブランドイメージ強化・分析機能あり

デメリット

デザイン性に乏しく、感情訴求が難しい

表示崩れリスク・作成に技術が必要

使用シーン例

お知らせ通知・パスワード変更通知など

キャンペーン情報・新商品紹介など

用途に応じて最適な形式を選ぶことで、より効果的な配信が可能になります。

メルマガを配信する際の注意点

メルマガを配信する際には、法律・セキュリティ・ユーザー同意の3点に特に注意が必要です。特に「特定電子メール法」と「個人情報保護法」は、メールマーケティングをおこなううえで必ず遵守すべき重要な法律です。これらの法律は、迷惑メールの防止と個人情報の適正管理を目的としており、違反した場合は罰則が科されることもあります。

本章では、法令違反を防ぐために押さえておくべき基本ルールとして、「迷惑メールと見なされないための法的要件」、「配信同意(オプトイン)の取得方法」、「送信者情報の明記」、「配信停止(オプトアウト)の設置」の4つのポイントを詳しく解説します。

「迷惑メール」と思われないための法律上のルール

メルマガ配信をおこなう際は、「特定電子メール法」を遵守する必要があります。この法律は、営利目的での大量配信による迷惑メールを防止するために制定されたもので、違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金、法人には最大3,000万円の罰金が科されることもあります。違反を防ぐための基本対策として、まずオプトイン(配信同意)の取得が必須です。登録フォームで「受信を希望する」旨のチェックを明確に設け、誤登録防止のためにダブルオプトイン方式(確認メールで最終同意を得る方法)を採用すると安全です。次に、送信者情報の明記として、メール本文またはフッターに企業名・住所・問い合わせ先を必ず記載します。最後に、オプトアウト(配信停止)リンクを設置し、読者がいつでもワンクリックで購読を解除できる環境を整えることが、法令遵守と顧客信頼の両立につながります。

注意点①必ず配信の同意(オプトイン)を得る

オプトインとは、ユーザーが自らメール受信を希望する意思を明示することを指します。登録フォームで「メルマガを受け取る」にチェックを入れるなど、明確な同意の取得が必須です。誤登録や第三者登録を防ぐためには、ダブルオプトイン方式が効果的です。これは、登録直後に確認メールを送信し、ユーザーがそのメール内のURLをクリックして最終承認をおこなう仕組みで、確実に本人の意思確認が取れる安全な方法です。

注意点②送信者の情報を必ず明記する

特定電子メール法では、メール内に送信者情報(社名、所在地、問い合わせ先)を明示することが義務付けられています。これにより、受信者が送信元を明確に把握でき、信頼性が向上します。記載はメールのフッターにまとめるのが一般的です。

<記載例>

――――――――――――――――――

発行:アララ株式会社(〒107-0062 東京都港区南青山2-24-15)

お問い合わせ:●●@arara.com/03-0000-0000

配信停止はこちら:{URL}

――――――――――――――――――

注意点③いつでも配信停止(オプトアウト)できるようにする

オプトアウトとは、ユーザーが任意のタイミングでメルマガ配信を停止できる仕組みのことです。メール本文やフッターに「配信停止はこちら」リンクを設置し、クリック一つで解除できるようにするのが理想的です。このワンクリック解除を導入することで、ユーザーの利便性が高まり、「迷惑メール」と判断されるリスクを減らすことができます。さらに、解除ページで「配信頻度の変更」や「カテゴリ選択」も設けると、離脱率を抑制しつつ顧客満足度の向上につながります。

メルマガ配信の流れ

メルマガの配信は主に、企画、文章作成、配信、効果検証のステップで進めます。それぞれの段階でのポイントと留意点を確認しておきましょう。

①メルマガの目的とターゲット(ペルソナ)を明確にする

メルマガを成功させるためには、まずターゲットを明確にすることが重要です。特にメルマガの読者層は幅広い場合が多く、読者の属性や状況によって届けたい情報が異なります。配信前に「誰に」、「いつ」、「何のために」メールを送るのかを明確に整理しておきましょう。ターゲットを具体化するには、ペルソナ設定をおこなうのが有効です。ペルソナとは、理想的な顧客像を具体的に描いた架空の人物像のことです。例えば、「35歳・女性・会社員・東京都在住・仕事のストレスで睡眠に悩む」など、年齢・性別・職業・居住地・ライフスタイル・価値観・課題・購買動機といった項目を細かく設定します。こうした情報をもとに、「どのような内容なら関心を持つか」、「どんなタイミングで配信すると効果的か」を設計することで、より精度の高い配信戦略が立てられます。

②文章を作成

ターゲットに合わせてメルマガのテーマや内容を決めたら、次は文章を作成します。

読者に魅力的なメルマガを提供するために、以下のポイントを確認しましょう。

<件名の決め方>

件名(タイトル)は、メルマガの開封率に大きく影響する要素です。読者がメールの内容をすぐに理解できるような、短くて簡潔な30文字前後で作成すると良いでしょう。件名の中にメルマガのテーマや内容に合った適切なキーワードを含めると、読者の関心を引きやすくなります。後述の「魅力的な件名を付ける(アンカーリンクを挿入してください)」で、さらに詳しく解説します。

<内容の書き方>

メルマガの本文では、最も訴求したいコンテンツを1つ用意します。他にも訴求したい内容があれば、優先順位をつけてサブコンテンツとして挿入しましょう。伝えたい内容をすべてを詰め込んでしまうと長文になってしまい、読者が最後まで読んでくれない可能性が高くなります。情報を適切に整理・絞り込むことで、読者の内容に対する理解度や関心を高めることができます。後述の「ターゲットや商品に沿って内容を作る(アンカーリンクを挿入してください)」も是非、参考にしてください。

<装飾の使い方>

メルマガの装飾((文字の強調、色、画像など))は、メルマガ全体の読みやすさや魅力的な印象を与える効果があります。

その結果、開封率やクリック率の向上に期待できます。

読者を引き込む文章の作り方

読者の興味を引くメルマガを作るには、冒頭から心をつかむ工夫が欠かせません。例えば「ストーリーテリング」を取り入れることで、商品やサービスにまつわる実体験やエピソードを通じて、読者の感情に訴えることができます。また、「問いかけ」で始める方法も効果的です。例えば「こんな悩み、抱えていませんか?」といった一文を冒頭に挿入することで、読者が自分ごととして捉えやすくなり、続きを読みたくなるきっかけになります。さらに、「数字の活用」も重要な要素です。「◯◯%が効果を実感」といった具体的なデータは、文章に説得力を与え、読者の行動を後押しします。また、文章構成のフレームワークとして活用できるのが「PASONAの法則」です。これは、Problem(問題)→Affinity(親近感)→Solution(解決策)→Offer(提案)→Narrowing Down(絞り込み)→Action(行動)という流れで構成され、読者の共感を得ながら自然に行動を促す手法です。メルマガでは、冒頭で課題を提示し(Problem)、共感を示したうえで(Affinity)、自社の商品やサービスを解決策として提案し(Solution/Offer)、限定性や特典を提示して(Narrowing Down)、最後に行動を促す(Action)ことで、クリック率やCVRの向上が期待できます。

③配信ツールの選定と実行

通常、メルマガは定期配信またはステップメールのどちらかの方法で配信されます。定期配信は1日に1回、1週間に1回といったペースで実施している企業が多いと言われています。配信頻度は自由ですが、3ヶ月に1回など、間隔が長すぎると印象が薄れる傾向があります。一般的に、頻繁な接触によって読者の印象が向上すると言われています。ステップメールは、あらかじめ設定したタイミングで配信される方法です。例えばユーザーが今日メールマガジンに登録した場合、登録直後に1通目を送り、登録から2日後に2通目を送るといったペースで、配信対象に適した送信タイミングや頻度を設定して配信します。配信前にはメールのプレビューとテストを実施し、レイアウトやリンク、スペルなどに誤りがないかを確認することが重要です。

また、BCCによる一斉送信は情報漏洩のリスクが高く危険です。誤って宛先を「TO」や「CC」に設定してしまうと、他の受信者にメールアドレスが公開されるおそれがあります。こうした事故を防ぐためにも、専用のメール配信システムの利用が推奨されます。これにより、宛先管理・配信予約・効果測定などを安全かつ効率的におこなうことができます。

配信頻度の決め方

メルマガの配信頻度は、業種や目的に応じて最適化する必要があります。例えば、ECサイトやレジャー系サービスでは、情報を積極的に求める読者が多いため「週1回以上」の配信が効果的とされています。一方、BtoBのサービスや士業など専門性の高い業種では、「月1回〜隔週程度」の配信が適しています。重要なのは、配信頻度が多すぎて読者に煩わしさを与えたり、少なすぎて読者に忘れられたりしないようにすることです。開封率や配信停止率などの数値を参考にしながら、配信のタイミングや間隔を継続的に見直していきましょう。

効果検証

メルマガの開封率とクリック率を分析し、効果を評価します。

開封率

メルマガがどれだけ開封されたかを示す指標

クリック率

メルマガ内に設置されたリンクがクリックされた割合を示す指標

開封率は【開封数 ÷ メール到達数 × 100%】で算出されます。一般的には平均20%程度がひとつの目安とされています。開封率がこの目安を下回る場合は、件名や配信頻度などに改善の余地があるかもしれません。また、読者はメルマガ内のリンクをクリックすることで、興味を持った内容や提供された情報にアクセスします。そのため、クリック率が高いほど、メルマガの内容が読者の興味を引いたことを示します。これらの指標を通じてメルマガの効果を低規程に評価し、必要に応じて内容や構成の見直しをおこなうことが重要です。また、効果検証ではコンバージョン率(CVR)と解約率(配信停止率)も重要な指標です。コンバージョン率とは、メール経由で実際に購入・資料請求・問い合わせなどの目的行動に至った割合を指します。算出式は【コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100%】で、一般的には1〜3%前後が平均的な目安とされています。CVRが低い場合は、リンク先ページの内容やCTAの文言を見直すと改善につながります。

一方、解約率(配信停止率)は【配信停止数 ÷ メール到達数 × 100%】で算出し、0.1〜0.3%程度が理想とされます。高すぎる場合は、配信頻度や内容が読者ニーズと乖離している可能性があるため、配信リズムやテーマを再検討することが重要です。

解約率を下げるコツ

メルマガの解約率を抑えるには、継続的に「読まれる理由」を提供し続けることが大切です。中でもまず意識したいのは「コンテンツの質を高めること」です。読者にとって有益な情報や限定特典、実用的なノウハウなどを届けることで、読者にメルマガの価値を実感してもらい、満足度を高めることができます。また、「適切な配信頻度」を設定することも欠かせません。頻度が高すぎると煩わしさを感じさせ、少なすぎると関心が薄れてしまうおそれがあります。読者層や反応を分析しながら、最適な配信間隔を見極めるようにしましょう。そして、「セグメント配信」も解約率を下げるコツのひとつです。読者の興味や属性に合わせた内容を届けることで不要な情報提供を避け、解約リスクを抑えることができます。

PDCAサイクルの回し方

メルマガ運用を継続的に改善するには、PDCAサイクルを正しく回すことが欠かせません。まず「Plan(計画)」では、配信の目的やKPI(開封率・クリック率など)を設定し、配信内容やターゲットを明確にします。次に 「Do(実行)」では、計画に基づいてメルマガを作成・配信します。続く 「Check(検証)」では、実際の配信結果を分析し、反応の良かったコンテンツや離脱要因を把握します。そして 「Act(改善)」では、分析結果をもとに件名や配信時間、内容の改善案を実施し、次回配信に反映させます。このサイクルを継続的に回すことで、読者の関心に応える精度の高いメルマガ運用が実現できます。

効果的なメルマガの作り方

製品やサービスの販促につなげるためには、メルマガを魅力的なものに仕上げる必要があります。しかし、具体的にどのような点を意識すれば顧客の目を引き、興味を持ってもらえるのでしょうか?ここからは、効果的なメルマガを作成するためのポイントを解説します。

まず、メルマガ制作の基本ステップは大きく3段階に分けられます。

① ターゲット設定:配信対象を明確にし、読者の興味・課題を把握する。

② コンテンツ企画:目的(販売促進・関係維持など)に合わせてテーマや構成を設計する。

③ デザイン・ライティング:読みやすく視覚的に訴求できるレイアウトや文章表現を工夫する。

この流れを意識することで、戦略的かつ効果的なメルマガ設計が可能になります。

魅力的な件名を付ける

メルマガの開封率に最も大きな影響を与えるのは「件名」です。読者の興味を引くためには、「具体性」、「数字」、「ベネフィット」を意識した件名が効果的です。例えば、飲食業であれば「今だけ50%OFF!夏限定メニュー先行案内」、人材業界であれば「たった3分で完了!未経験OKの新着求人」など、内容と価値が一目で伝わる経験が好まれます。

一方で、「重要なお知らせ」や「本日限定です!」など曖昧な表現やスパムと誤認されやすい語句は、開封率の低下や迷惑メール判定のリスクを高めるため避けましょう。業種や読者層に応じた件名設計が、メルマガの成果を大きく左右します。

メルマガの形式を工夫する

メルマガの効果を高めるためには、配信する情報に応じてメルマガの形式を工夫する必要があります。例えば、会員登録や購入完了の通知、コラム、豆知識などの内容は、文字のみで構成した方がシンプルで読みやすく、必要な情報をすばやく確認できます。一方で、新商品のリリース情報やサービスのQ&A・活用方法などは、随所に画像を入れた方が視覚的に情報が伝わりやすくなります。このような形式の使い分けが、メルマガを効果的に配信するポイントです。

ターゲットや商品に沿って内容を作る

メルマガの内容も、効果を高めるうえで重要なポイントになります。たとえ到達率や開封率が高くても、肝心の内容に魅力がなければ、読者の興味を引いたり、購買意欲につなげることができないからです。そのため、メルマガを作成する際は「販売促進」や「顧客との関係構築・継続」など、配信の目的を明確にしましょう。そして、ターゲット層や配信の目的に合わせて、内容や装飾を構成するよう心がけましょう。  

メルマガ運用の成功事例

事例① アソビュー株式会社

多様なジャンルの遊びやレジャーの情報を掲載し、利用予約やチケット購入できるサービス「アソビュー!」を運営されているアソビュー株式会社では、顧客に向けて1日に1回メルマガを配信し、顧客接点の強化を図っています。

事例② 株式会社ホットスタッフ品川

地域社会に密着した人材サービスを提供している株式会社ホットスタッフ品川では、SMSやLINEと並行しながら、週に1回最新の人材募集情報を掲載したメルマガを配信しています。

事例③ センターゲート株式会社

オフィスビルや店舗物件などの不動産仲介業を展開しているセンターゲート株式会社では、顧客の所在地域に合わせて週に1回、物件情報を載せたメルマガ配信を実施しています。配信したメルマガをきっかけにお客様よりお問い合わせいただくことが増えており、メルマガ効果を実感しています。

メルマガ配信システムを選ぶ際のポイント

メルマガ配信システムを選ぶ場合、どのような点を判断基準にするべきなのでしょうか?重要なポイントは「配信量・速度」「機能」「信頼度」です。

ポイント①配信量・速度

大量の読者に安定してメールを届けるには、配信量・配信速度が非常に重要です。例えば、10万通以上の大量配信に対応できるか、あるいは1万通を5分以内に遅延なく配信できるかが選定の基準になります。急なキャンペーン対応にも耐えられる処理能力が求められます。

ポイント②機能

リスト管理・HTMLメール作成機能・ステップメール機能・効果測定・時間指定など、各種機能をチェックすることも選択肢のポイントです。配信するメルマガの目的に沿った最適な機能を選ぶことが重要になります。

ポイント③信頼度

信頼性の高いメール配信サービスを選ぶ際には、次の3点が重要です。

1つ目は「導入実績の豊富さ」です。業界や企業規模を問わず、幅広い導入実績があるかを確認しましょう。多くの企業に選ばれているサービスは、安定性や機能面でも信頼できる傾向があります。

2つ目は「セキュリティ対策」です。暗号化通信やIP制限など、情報漏洩を防ぐためのセキュリティ機能が備わっているかを確認することが大切です。

3つ目は「サポート体制」です。トラブル時や設定に関する問い合わせへの対応が迅速かつ丁寧に対応してくれるサポート体制が整っているかどうかも、安心して運用するための重要な判断材料となります。

メルマガに関するご相談なら、アララメッセージへ

メルマガで期待した成果を出すためには、HTMLを使った画像での訴求や、効果検証ができる効果測定が欠かせません。しかし、自前でシステムの構築や対応をおこなうと、工数もかかり効率的ではありません。そこで役立つのがメール配信に特化したメール配信サービスです。

さまざまな専門業者がメール配信サービスを提供していますが、アララ メッセージは、メール配信の際に重要な「大量・高速配信」「高い到達率」「シンプルな操作性」をはじめ、メール配信に必要な数多くの機能を搭載し、マーケティングご担当者様の工数負担をかけない仕様となっているのが特徴です。

費用が比較的安価な海外サービスに比べ、国産商品ならではの充実したサポートもアララ メッセージの強みです。

まとめ

メルマガは、読者との関係性を構築・継続し、配信者と読者双方にとって有益なコミュニケーションツールです。情報伝達や送客、購買を目的とし、企業視点から見た場合、顧客に直接アプローチできる重要なマーケティング手法の一つでもあります。

メルマガを配信するときは、その目的を明確に定め、最適な方法で実施することが求められます。専門的な技術や知識、手間や時間を要するとともに、法律の遵守も不可欠です。そのため、メルマガの配信にはメール配信サービスの利用をおすすめします。

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