メール配信サービスの導入事例9選!メール配信を成功させる方法も解説
本記事では、メール配信サービス導入の具体的な事例を紹介します。導入企業が導入前に抱えていた課題、どのような改善施策を講じ、どのような効果が得られたのかを説明します。メール配信を成功させるポイントも紹介していますので参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.メール配信とは
- 2.導入事例を紹介
- 2.1.導入事例1:株式会社東京海上日動パートナーズTOKIO
- 2.2.導入事例 2:株式会社ホットスタッフ品川
- 2.3.導入事例3:センターゲート株式会社
- 2.4.導入事例4:株式会社アイロバ
- 2.5.導入事例5:株式会社フォー・クオリア
- 2.6.導入事例6:アソビュー株式会社
- 2.7.導入事例7:IT・情報通信系企業
- 2.8.導入事例8:金融系企業
- 2.9.導入事例9:不動産系企業
- 3.メール配信を成功させるには
- 3.1.見込み顧客をリストアップする
- 3.2.開封率を向上させる
- 3.3.クリック率を向上させる
- 3.4.メール配信の階段設計
- 4.まとめ
メール配信とは
メール配信は、企業や組織が顧客との関係を築き、ビジネス成果を向上させるために非常に重要なツールであり、効果的なコミュニケーションとマーケティング手段として広く活用されています。企業は顧客に対し、興味を持ちそうな有益な情報を定期的にメールで送ることで、信頼関係を築き、企業や製品・サービスに対する理解を深めてもらうことができます。また、メール配信サービスを利用すると、配信時間を短縮し業務効率を改善することも可能です。
また、メール配信といっても、配信対象によりメールマーケティングとメルマガに大きく分類することができます。メールマーケティングは、読者に役立つ情報を提供し、関係を築きながら最終的に製品やサービスの購入を促すことを目的とします。
一方、メールマーケティングとメルマガの大きな違いは、「ターゲット」を明確に定めるかどうかです。メールマーケティングでは、特定の条件で送信相手を絞り込み、関心を持ってもらいやすい内容を配信します。これに対して、メルマガは一斉配信が主な目的であり、使うべき配信システムも異なります。
導入事例を紹介
メール配信サービスの具体的な事例を紹介します。導入した企業の業種、導入前の課題から導入後の効果などについて解説しますので、参考にしてください。
導入事例1:株式会社東京海上日動パートナーズTOKIO
業種:保険業
導入製品:アララ メッセージ
【導入前の課題】
セキュリティ上の制約のため、社外のお客様には一斉メール配信ができず、個別にメールを送っていました。配信作業に多くの時間がかかるため、月に一度しか配信できなかったこと、さらに、対象者数が増加するにつれて手動での配信が追いつかず、通常業務にも支障をきたす懸念がありました。
【導入の決め手】
「アララ メッセージ」は、MAツールと比較して操作画面がわかりやすく、設定も簡単な点が魅力で導入を決めました。また、効果測定機能を追加し開封率や興味分野を把握することで、配信内容の最適化を図り、効率的な配信と万全なセキュリティを確保することができました。
【導入後の効果】
「アララ メッセージ」の導入により、セミナー配信作業が20時間から15分へと大幅に短縮され、通常業務に支障をきたさずに配信できるようになりました。手動送信時と比べて到達率も向上し、配信時間帯ごとの開封率の差も把握できました。また、効果測定機能を活用して顧客が興味を引く内容を配信する工夫をおこなうことで、新型コロナウイルスの影響でオンライン化が進む中でも、対象者が増加し、円滑に配信できました。
導入事例 2:株式会社ホットスタッフ品川
業種:人材派遣業
導入製品:アララ メッセージ
【導入前の課題】
これまでメルマガ配信は実施していたものの、社内システムの制約により、求職者のメールアドレス、氏名などの抽出作業が非常に困難でした。そのため、配信リストの作成には多くの時間がかかっており、課題となっていました。
【運用方法】
株式会社ホットスタッフ品川では配信方法を細分化し、SMS、LINE、そして「アララ メッセージ」を使い分けています。「アララ メッセージ」は文章と画像を組み合わせて幅広い求職者に情報を届けるために活用し、メルマガを配信しています。一方、SMSはテキスト配信に、LINEは画像を重視した配信に向いており、それぞれのツールの特性を生かして効果的に活用しています。
【導入後の効果】
「アララ メッセージ」を利用することで、過去に作成したメールを複製し、新しいメールを迅速に作成できます。画像や文章を差し替えるだけで、誰でも短時間でメールを作成することができるため、メール担当者の工数が削減されました。15分〜30分程度で1配信のメルマガが完成し、現在は数百〜数千名に配信しています。1回の配信で平均3〜5名の求人応募があります。
導入事例3:センターゲート株式会社
業種:不動産業
導入製品: アララ メッセージ
【導入前の課題】
センターゲート株式会社では、以前から新しい顧客を獲得しながら既存の顧客と定期的に連絡を取ることを目標としていました。その目標を達成するために、テレマーケティングやメールマーケティングを導入することを検討していました。
【運用方法】
2024年2月から「アララ メッセージ」を導入し、大阪支社で運用を開始しました。毎週火曜日のお昼ごろに新規顧客へ物件情報を配信しています。運用方法としては、導入時に作成したメールテンプレートを基に、配信内容に応じて画像や文章、ボタンの文言をアレンジしています。
【導入後の効果】
開封率は約30%で、本格運用を始めてから約1か月でメルマガ経由でのお問い合わせがあり、その効果を実感しました。大阪支社での成功を受けて、東京支社でも段階的に運用を始める予定です。
導入事例4:株式会社アイロバ
業種:情報・通信業
導入製品:アララ メッセージ
【導入前の課題】
株式会社アイロバはメールの内容を全てテキストで配信していたため、堅い印象を与えてしまっていると感じており、お客様にとって重要なポイントやアクセスしてほしいリンク先が正しく伝わっているかが不安でした。
【導入の決め手】
同社は「初心者でも簡単にHTMLメールを作成できること」を重要視していました。その点でアララ メッセージの「HTML簡単モード」は、直感的な操作が可能で使いやすいツールであると判断し、導入を決定しました。また、開封数やクリック数などの効果測定も配信履歴画面から容易に確認できる点も大きな決め手でした。さらに、使い方について疑問点が生じた際には、担当営業の迅速かつ丁寧なサポートも導入の決定要因となりました。
【導入後の効果】
「HTML簡単モード」を使用することで、見やすい視覚的なメールを送信できるようになりました。お客様からは「メルマガを読んで展示会に来ました」という声も寄せられています。メルマガの配信業務は基本的に一人で担当しており、作成から配信までの全工程は約1時間で済み、HTMLメールのデザイン作成に関しては30分程度で完了します。
導入事例5:株式会社フォー・クオリア
業種:情報・通信業
導入製品:アララ メッセージ
【導入前の課題】
株式会社フォー・クオリアは以前、業務システムより配信対象者のデータを取り出し、別のメール配信ツールを使って一斉配信していました。この方法では、データ抽出から実際に配信が完了するまでに多くの手間がかかり、それが作業のストレスにもつながっていました。
【導入の決め手】
アララ メッセージは同社のニーズを満たしており、さらにウェブサイトの使いやすさと会社の先進性にも魅力を感じ、採用することにしました。
【導入後の効果】
メール配信APIの組み込み開発が2週間程度で完了しました。自社でメール配信システムを新たに開発する場合は、はるかに時間がかかると考えられますので、工数を60%以上削減できたことになります。
導入事例6:アソビュー株式会社
業種:情報・通信業
導入製品:アララ メッセージ
【導入前の課題】
アソビュー株式会社は以前、メルマガ作成においてHTMLソースを直接書いており、従業員にHTMLの知識が求められるため、課題が多くありました。特に、企画変更に伴うHTMLメールの再作成や、配信当日の修正に多くの時間を要するため、誰でも簡単に正確にHTMLメールを作成できる方法を求めていました。また、会員数の増加により配信時間が長くなり、朝の配信再開が頻繁になったため、タイムリーな情報を全ての会員に配信することが課題でした。
【導入の決め手】
同社は、大量かつ高速にメールを配信できるシステムを提供する6社を比較検討し、配信速度やHTML化の対応性、コスト面を重視しました。その結果、複数の選定条件を満たしていたのがアララ メッセージであり、導入を決定。また、導入時に「アソビュー!ポイント」のリリースを開始し、会員向けのポイントプレゼントを実施しました。
【導入後の効果】
ポイントプレゼントを実施した結果、昨年比でメルマガ経由の購入件数が1000%増となりました。この成果の背景には、HTML作成にかかる時間が大幅に削減されたことがあります。また、新たに導入した「HTML簡単モード」により、負荷が軽減され、効果的なメルマガコンテンツの企画が可能になりました。
導入事例7:IT・情報通信系企業
以前は自社で運用していたメールサーバーからメールを配信しており、配信速度や分析機能に課題がありました。メール配信サービスを導入したことでクリック率などのデータを直感的に理解できるようになり、効果を評価することが簡単になりました。また、豊富なAPIを提供しており、他の外部システムとの連携もスムーズにおこなえるため、効果的なメール配信を実現するための優れた選択肢となりました。
導入事例8:金融系企業
メール配信サービスを導入したことで、オペレータ権限と承認フローの設定ができるようにより、運用管理が簡易化され、効率性とセキュリティの両立が実現されました。これにより、運用に関する課題が解消され、作業が効果的かつスムーズに進行しています。
導入事例9:不動産系企業
メール配信サービスの導入により、HTMLメールを誰でも簡単に送信できるようになり、メールの構成にかかる手間が削減され、メール配信業務の時間が短縮されました。さらに、ワンタッチで画像の挿入や差し替えができるため、メール作成の手間も減り、現在、1通あたりのメール作成には1〜2時間しかかからず、配信作業の効率が向上しました。
メール配信を成功させるには
メール配信を成功させるための主なポイントは、以下の4つです。
- 見込み顧客をリストアップ
- 開封率の向上
- クリック率の向上
- メール配信の階段設計
各ポイントについて詳しく見ていきましょう。
見込み顧客をリストアップする
見込み顧客リストは、売上に直結しやすい顧客情報を含むため、多くの顧客を抱える企業にとって見込み顧客リストの作成は重要な業務の一つです。そのため、メールマーケティングでは質の高い見込み顧客を獲得することが必要です。どんなに良いメルマガでも、質の悪い顧客リストを使って送った場合、成果は得られません。
例えばSNSで「メルマガの登録者にギフト券プレゼント」という特典をアピールして獲得したメールアドレスでは、効果は期待できません。なぜなら、その人たちは会社が提供するサービスに興味があってメルマガに登録したわけではないからです。
一方、資料をダウンロードした顧客はサービスや関連情報に興味を持ったユーザーのため、マーケティング効果が期待できます。見込み顧客の獲得は容易ではありませんが、非常に重要ですので、自社でどのような取り組みができるか考えてみる必要があります。
開封率を向上させる
メールマーケティングをおこなう際には、まずメルマガの開封率改善に取り組みましょう。開封率に影響を与える要素には、メルマガ配信の目的、対象となる配信リスト(ターゲット)、配信時間、そしてメルマガのタイトルがあります。
メルマガの効果を最大化するには、「反応の良い件名」や「適切な配信時間帯」を特に重視し、読者の反応を定期的に測定することが重要です。蓄積したデータを効果的に活用し、メルマガの改善につなげましょう。
特に開封率は、メルマガのタイトルが大きく左右します。開封率を高めるメルマガタイトルの作成ポイントは次の通りです。
- 冒頭の15文字に力を入れる
- インパクトのある言葉を含める
- 数字を使用する
- 社名やサイト名は避ける
クリック率を向上させる
クリック率は、受信者がメール内のURLをクリックした回数の割合を表す指標です。メールマーケティングが目指す成果であるコンバージョン(成約など)にとって非常に重要な要素です。
以下の表は、Constant Contact が 2024年1月に公開した BtoB および BtoC 企業のデータから作成したものを引用したもので、業界別の平均メール開封率とクリックスルー率を示しています。全体の平均開封率は 39.7%、クリック率は1.0% です。下の表を参考に自社のメールエンゲージメント率も確認してみましょう。
業種・ジャンル |
クリック率 |
開封率 |
管理およびビジネスサポートサービス |
1.8% |
31.1% |
保育サービス |
1.7% |
44.8% |
飲食サービス |
0,7% |
37.6% |
教育 |
1.7% |
40.2% |
コンサルティングサービス |
1.4% |
30.1% |
金融サービス |
1.0% |
30.4% |
健康・ウェルネス |
1.0% |
37.0% |
法律サービス |
1.6% |
33.2% |
製造・流通 |
1.3% |
30.1% |
非営利サービス |
1.9% |
41.8% |
不動産 |
0.9% |
35.0% |
パーソナルケア |
0.7% |
36.4% |
小売 |
0.9% |
33.1% |
旅行・観光 |
1.0% |
36.2% |
平均 |
1.0% |
39.7% |
出典:2024 Email marketing statistics compilation(2024年メールマーケティング統計)
メール配信のクリック率に影響する主な要素は、CTAの種類、CTAの位置、クリック先のコンテンツです。CTAとは「Call To Action」の略で、行動喚起のための要素を指します。
CTAの例として、テキストリンクをボタンに変えるなど、さまざまなパターンを試すことが効果的です。どのパターンが最も効果的かを確認するためにA/Bテストを実施するとよいでしょう。
メール配信の階段設計
メール配信の階段設計は、BtoBマーケティングにおける顧客との効果的なコミュニケーション手法の一つです。このアプローチでは、ただちにお問い合わせや商談の獲得を目指さずに、見込み顧客と徐々にコミュニケーションを図りながら関係性を深め、その後にお問い合わせや商談の成立を目指します。
階段設計の基本的な考え方は、見込み顧客が容易に進めるような段差の少ない階段を用意して提示することです。メール配信においてこの手法を用いることは、一見手間が増えると思うかもしれませんが、最終的にお問い合わせ数や商談数、さらには受注数を最大化することができます。
一段飛ばしでメールのコンテンツを配信してしまうと、顧客のニーズに合わないため、顧客はそれを難しいと感じてしまいます。このような場合、効果的なメールマーケティングとは言えず、単なるメルマガの配信に過ぎません。配信先と配信するコンテンツを見極め、それぞれのステップに合わせた内容を提供することが重要です。
まとめ
メール配信サービスは、顧客へのメール送信を自動化・効率化するためのツールです。メール配信は企業の営業・マーケティングにおいて一般的な手法ですが、適切なタイミングで必要なメールを送るのは難しいものです。メール配信サービスを導入すれば、メール関連業務を最適化できます。
しかし、多くの製品があるため、選択に迷うこともあるでしょう。その場合は、本記事の成功事例を参考にしてください。メールマーケティングの成果が実感できていない場合は、自社のメールマーケティングの課題を確認し、対策していきましょう。
関連コラム