
メルマガ開封率の平均(業界・時間帯・曜日)と開封率を上げる方法を解説
メールマーケティングにおいて、配信したメルマガの開封率が低い場合には、中身を読んでもらう工夫をすることが大切です。
本コラムでは、業界別・配信日時別のメルマガ平均開封率の傾向や、開封率を向上させるための具体的な方法について紹介します。これからメールマーケティングを始める方や、施策の改善を検討している方にとって、自社サービスの売り上げ拡大につながる一助となれば幸いです。
目次[非表示]
- 1.メルマガ開封率とは?
- 1.1.開封率の算出方法
- 1.2.メルマガの開封率の仕組み
- 1.3.設定によって正しく開封率を測れない場合もある
- 2.メルマガ開封率の平均はどのくらい?
- 2.1.【業界別】メルマガ開封率の目安
- 2.2.【時間帯別】メルマガ開封率の目安
- 2.3.【曜日別】メルマガ開封率の目安
- 3.メルマガ開封率を上げる6つの方法
- 3.1.1.件名を工夫しよう
- 3.1.1.4Uの原則を意識する
- 3.1.2.最も伝えたい内容はタイトル前半に記載する
- 3.2.2.配信時間と配信頻度を工夫する
- 3.3.3.ゴミ箱行きを回避する
- 3.3.1.件名や差出人名を明らかにする
- 3.3.2.低いエラー率を保つ
- 3.3.3.送信ドメイン認証をおこなう
- 3.4.4.プリヘッダーテキストを工夫する
- 3.5.5.メルマガ配信先リストの精査をおこなう
- 3.6.6.URLの配置を工夫する
- 4.メルマガ開封率の測定方法
- 5.メルマガ開封率をKPIとして設定しよう
- 6.メルマガ開封率を改善する際の注意点
- 7.最後に
メルマガ開封率とは?
メルマガ開封率とは、企業や店舗がハウスリストに対して配信したメルマガが、どのくらい開封されたかを表す数値です。 開封率を把握することで、読者の関心やニーズを把握する手がかりにもなります。
開封率の算出方法
メルマガの開封率は以下の計算式で算出できます。
開封率=開封数÷到達数×100% |
メールの到達数が1,000通、開封数が250通だった場合には、開封率は25%です。
開封率=250÷1,000×100%=25% |
メルマガの開封率の仕組み
メルマガの開封率は、HTMLメールを使用して測定します。テキストメールには開封状況を判定する機能が備わっていませんが、HTMLメールでは「Webビーコン」と呼ばれる小さな画像を挿入し、その画像が表示されたかどうかで開封の有無を確認する仕組みになっています。
設定によって正しく開封率を測れない場合もある
ただし、相手のデバイスやメールアプリの設定によっては、開封率を正確に測定できない場合があります。例えば、iPhoneなどのiOSのメールアプリでは、メールプライバシー保護機能があるため、開封したことが分からないように設定できます。
また、Webビーコンは画像表示によって開封率を計測する仕組みなので、受信者が「画像を表示しない」設定にしている場合は開封率を計測できません。
メルマガ開封率の平均はどのくらい?
一般的にメルマガの開封率は平均20〜30%ほどと言われています。この数値には商品やサービスに強い関心を持たない層も含まれていますが、興味・関心の高いロイヤルユーザーに限定すると、開封率は30%以上になる場合もあります。一方で、配信対象に含まれる一般層やアクティブでない会員層が含まれる場合は10〜15%前後に落ち着くこともあり、ターゲットを適切なセグメントに切り分けることが重要です。
より詳細な分析や改善施策については、こちらの記事もあわせてご参照ください。
【業界別】メルマガ開封率の目安
業界別でみたメルマガ開封率の平均は以下の通りです。業界によって、メルマガ開封率にバラつきがあることが分かります。
業界 |
平均開封率 |
代理店・取次店 |
39.26% |
エンタメ |
51.19% |
自動車 |
39.69% |
コミュニケーション(広告・PR・デジタル) |
65.14% |
教育 |
41.33% |
金融 |
34.70% |
美容・ヘルスケア |
38.16% |
ヘルスケア(医薬品、医療機器、医療IT) |
43.95% |
Webマーケティング |
32.62% |
リーガルサービス |
47.26% |
NPO(非営利団体) |
54.54% |
出版 |
39.89% |
不動産 |
42.71% |
飲食 |
38.52% |
小売 |
41.77% |
スポーツ、アクティビティ |
37.28% |
ハイテク |
44.72% |
旅行 |
32.83% |
出典:2024 Email Marketing Benchmarks by GetResponse
【時間帯別】メルマガ開封率の目安
時間帯別でみたメルマガ開封率は以下の通りです。意外にも朝4時が最も高い数値となっており、夜9時~朝3時までは低い傾向になっています。
しかし、朝早すぎる時間帯に送ると会社のイメージ低下に繋がる可能性もあるため、送る際には十分に検討する必要があります。また、朝起きてから出社するまでの時間帯、また就業後の時間が高くなっています。
時間 |
平均開封率 |
時間 |
平均開封率 |
1時 |
30.34% |
13時 |
39.57% |
2時 |
29.08% |
14時 |
38.73% |
3時 |
33.03% |
15時 |
41.39% |
4時 |
49.56% |
16時 |
41.58% |
5時 |
41.58% |
17時 |
45.08% |
6時 |
42.65% |
18時 |
44.24% |
7時 |
41.04% |
19時 |
41.47% |
8時 |
41.28% |
20時 |
38.85% |
9時 |
39.42% |
21時 |
32.81% |
10時 |
37.89% |
22時 |
34.88% |
11時 |
39.31% |
23時 |
34.15% |
12時 |
40.95% |
24時 |
36.43% |
出典:2024 Email Marketing Benchmarks by GetResponse
【曜日別】メルマガ開封率の目安
メルマガの開封率は曜日によっても異なります。以下は一般的な傾向です。
曜日 |
開封率の傾向 |
備考 |
月曜 |
やや低め |
週初めで業務集中のため見落とされやすい |
火曜・水曜 |
高め |
業務ペースが安定し開封しやすい |
木曜 |
やや高め |
翌週に向けた準備前で余裕あり |
金曜 |
ばらつきあり |
週末前でプライベート優先傾向も |
土曜・日曜 |
業種による |
BtoC向けなら効果的なケースも多い |
特にBtoBの企業担当者へ配信する場合は、火〜木曜の午前中に配信することで、開封率が安定しやすくなります。逆に月曜や週末の開封率はやや落ちる傾向にあるため、ターゲットの属性や行動時間にあわせた戦略が求められます。
メルマガ開封率を上げる6つの方法
メルマガの開封率を向上させるためには、以下の6つの視点から工夫することが効果的です。
件名を工夫する
- 配信時間と配信頻度を見直す
- ゴミ箱行きを回避する工夫をする
- プリヘッダーテキストを最適化する
- 配信先リストの質を高める
- URLの配置を最適化する
1.件名を工夫しよう
メルマガを開封するかどうかは、多くの場合「件名」と「送信元」で判断されます件名が長すぎて内容が伝わらない場合や、魅力に欠ける件名では開封率が下がってしまいます。
件名は短く端的に、分かりやすくすることを心がけ、読者の関心を惹きつける工夫をしましょう。
4Uの原則を意識する
ユーザーの目を引く件名を設定するためには、「4Uの原則」を意識することがポイントです。
【4Uの原則】
-
有益性(Useful)
メールを読むことでどんな有益なことが自分にあるのかイメージできるようにしましょう。
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-
緊急性(Urgent)
「今だけ」、「◯人まで」などの時間や対象を限定する言葉を入れて読者の行動を急かす文言を入れましょう。
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-
超具体性(Ultra-Specific)
できるだけ具体的な数値やデータを入れることで、読者がイメージしやすくなります。
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-
独自性(Unique)
名前を差し込んで入れたり、「マーケター必見」など自分に関係のあるメールなのかを盛り込んだりすることで、開封数のアップにつながります。
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- 【マーケター向け 】最新のメルマガトレンドをご紹介
最も伝えたい内容はタイトル前半に記載する
メールは、PCやスマートフォン、タブレットなど様々なデバイスで読まれますが、デバイスによって表示される件名の長さは異なります。特に、画面が小さいスマートフォンの場合は表示される件名の文字数に限りがあり、長くなると後半部分は表示されません。最もアピールしたいことはタイトルの前半に記載するようにしましょう。タイトルの文字数は、15文字程度が最適です。
2.配信時間と配信頻度を工夫する
メルマガの配信時間や配信頻度は、開封率に大きく影響します。特にユーザーがメルマガを開封するのは、メルマガが届いてから1時間以内であることが多いといわれています。多くの人は通知や受信を確認したその場で開封しますが、逆にそのタイミングを逃すと読んでもらえなくなる可能性が高くなります。
したがって、ターゲットに応じて「いつ配信するか」を戦略的に考えることが重要です。先にご紹介した時間帯別の開封率データを参考にすると、例えばビジネスマン向けのメルマガでは、朝と夕方の通勤時間帯に配信すると開封率が上がると考えられます。朝6時~8時、夕方17時~18時頃に配信するようにしましょう。また、主婦層への配信では、昼から午後にかけての時間帯が有効的とされています。12時~15時頃の配信がベストです。このように、配信タイミングを工夫することで、同じ内容のメルマガでも開封率を大きく高めることができます。
3.ゴミ箱行きを回避する
メルマガが受信フォルダに届かず、ゴミ箱や迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうことは珍しくありません。これはメルマガ開封率を著しく下げてしまう要因となるため、早急な対策が必要です。送信側で講じられる対策はいくつかあります。以下のポイントに注意しながら配信しましょう。
件名や差出人名を明らかにする
件名や差出人を明確にすることで、迷惑メールとしてカウントされる確率を下げることができます。差出人には企業名と担当者名を入れるなど工夫をして、ゴミ箱行きを防ぎましょう。
低いエラー率を保つ
また、大量のメルマガを高いエラー率のまま配信し続けると、メールソフトが迷惑メールだと判定してしまうおそれがあります。そのため、メルマガリストは定期的に見直し、エラー率は3%以下を目指すようにしましょう。
送信ドメイン認証をおこなう
迷惑メールとして誤認されるリスクを回避するために、送信ドメイン認証を実施しましょう。SPFやDKIMなどを利用することで、メール送信元のドメインを信頼できるものとして認証でき、なりすましメール対策としても有効です。
メールマーケティングは多くの場合、効果的に働きますが、開封率が低いと十分な成果を得ることはできません。メルマガによるマーケティングが思うように進んでいない場合は、開封率の集計やメール配信システムの活用が有効です。
メールマーケティングにおけるHTMLメールの開封率取得やURLのクリック率取得の効果測定機能は、もちろん弊社のメール配信サービス「アララ メッセージ」で実現できます。メールマーケティングでお困りの方は、ぜひ、アララ メッセージの導入をご検討ください!
4.プリヘッダーテキストを工夫する
読者に「詳しく読みたい」と思ってもらうためには、メルマガのプリヘッダーテキストを工夫すると良いでしょう。プリヘッダーとは、メールアプリの受信トレイにおいて件名の下に表示される短い文章のことです。件名よりも小さく表示されるため視認性は低いものの、件名だけでは伝えきれない情報を補足できます。件名を見て興味を持った相手がメールを開封するかどうかを判断する重要な要素でもあります。
プリヘッダーテキストは自由に設定可能で、特に設定しなかった場合には、メールの冒頭文や画像の代替テキストが自動的に表示される仕組みになっています。挨拶文などをプリヘッダーに表示するよりも、メルマガで訴求したい魅力を端的に伝える方が効果的です。
メール配信ツールを利用すれば、簡単にプリヘッダーテキストを編集できます。プリヘッダーに表示される文字数やレイアウトは決まっているため、伝えたいメッセージが目立つように工夫して仕上げましょう。
5.メルマガ配信先リストの精査をおこなう
メルマガの開封率を高めるには、開封する可能性が高い、つまり商品やサービスへの関心が高い層に配信することが重要です。ユーザーは自分にとって有益でない情報がメルマガで送られてくるとストレスを感じ、有益な情報が少ないと開封しなくなります。そのため、配信先リストを定期的に精査してセグメント分けをおこない、メルマガの内容に応じたターゲティング配信をおこないましょう。
例えば、地域限定サービスやシニア特典などを紹介するメルマガは、該当する属性のユーザーに限定して配信すると、開封率の向上に期待できます。
また、登録当初は関心があったものの、現在は興味を失っている読者や、迷惑メール設定をして放置している読者も存在します。メルマガ配信後は効果検証をおこない、長期的にアクションがない人への配信は停止するなども検討すると良いでしょう。
6.URLの配置を工夫する
メルマガ内のURLの配置場所によっても開封率・クリック率が変わることがあります。特にURLは本文の前半に配置するのが効果的です。ユーザーの多くはメルマガをざっとスクロールして読むため、冒頭にURLがあれば興味を持った瞬間にアクションにつなげやすくなります。一方、後半に置くと、そもそも読まれずに離脱される可能性が高まります。
また、スマートフォンでは画面の視認範囲が限られるため、URLがすぐ目に入る位置にあることが重要です。リンクは1通あたり1〜2個に抑え、導線を明確にしておくとクリック率の向上が期待できます。
メルマガ開封率の測定方法
メルマガ開封率は、HTML形式のメールで計測することができます。 その理由は、HTML形式のメールでは、メール内に画像を埋め込むことができるからです。 ユーザーがメールを開封するとメールソフトが画像をダウンロードする仕組みになっており、この画像のダウンロード数をもとに開封率を把握できます。
なお、テキスト形式のメールではこの方法が使えないため、メルマガ開封率を知ることはできません。
メール配信サービス「アララ メッセージ」は、HTMLメールによる開封数の取得設定が簡単にできるうえ、効果測定機能も備えています。そのため、HTMLメール本文に設置したURLのクリック数を測定することも可能です。
開封数やURLクリック数の集計結果は、管理画面上でグラフとして確認できるため、効果を可視化し、効率的に分析することで次の施策に活かすことができます。また、CSV出力にも対応しており、他のソフトでの分析やレポーティングにも便利です。
メルマガ開封率をKPIとして設定しよう
メルマガ配信には以下のKPIがあります。
- リスト数:保有しているアドレスリスト数
- 配信成功率:メールを送って配信成功した率
- 開封率:メールが開封された率
- クリック率:URLがクリックされた率
-
コンバージョン率:メルマガ経由で購入や問い合わせなど成果に至った割合
開封率はメルマガ配信において、ユーザーの興味関心度を測る重要な指標です。開封率が低い場合は、配信コンテンツや配信時間などを見直す必要があります。まずは開封率をKPIとして設定し、自社の平均値を把握したうえで改善を重ねることで、より効果的なメルマガを配信できます。
メルマガ開封率を改善する際の注意点
メルマガの開封率向上を図る際には、数値の改善そのものにとらわれすぎず、配信内容の整合性や読者との信頼関係を損なわない工夫が求められます。ここでは、改善施策に取り組む際に意識すべき2つの注意点をご紹介します。
開封率に固執しすぎないようにする
開封率を上げるために、誇張表現や実態と乖離した件名を設定すると、一時的な成果は得られても、読者の信頼を損なう可能性があります。件名とメール本文の内容が一致していない場合、マイナスな印象を与えてしまい、クリック率や継続率の低下を招くおそれがあります。
件名は、本来の目的である内容の要約として機能させることが重要です。読者の関心を引きながらも誠実な表現を心がけ、長期的な関係構築を優先しましょう。
開封率が低くても改善が急務でないケースもある
メルマガの最終的な目的は、開封そのものではなく、資料請求や購入といった具体的な行動につなげることです。そのため、開封率が低くても成果が得られている場合には、必ずしも改善を急ぐ必要はありません。
ただし、その成果が一部の読者層に限られている可能性もあります。配信リストのセグメントを見直し、ニーズに即したターゲットへ配信することが望ましいと言えます。開封率の数値だけで判断せず、目的との整合性を重視することが大切です。
最後に
メルマガの開封率について、理解は深まりましたでしょうか。開封率は、ユーザーの興味・関心度を測る重要な指標です。まずは、自社で配信しているメルマガ平均開封率を把握し、業界別や時間帯別の平均値と比較してみましょう。また、メルマガ開封率は、少しの工夫で大きく向上する可能性があります。
ぜひ、今回のコラムを参考に、ポイントをおさえた効果的なメルマガを作成してみてください。
導入事例はこちら
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