CRMを利用したメールマーケティングとは?方法や活用事例を紹介
最近では、CRMを用いたメールマーケティングへの取り組みが広がっています。本記事では、CRMを基盤とした効果的な顧客向けメールマーケティングの手法について詳しく解説します。
また、CRMを活用して成功を収めた企業の事例や、メールマーケティングに適したCRMの選び方についてもご紹介しますので、導入の際の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.CRMとは?
- 2.CRMを用いたメールマーケティングの方法
- 2.1.顧客情報の登録・管理
- 2.2.顧客行動や属性情報のデータ分析
- 2.3.フォローメール・ステップメール配信の自動化
- 3.メールマーケティングにおけるCRMの活用事例
- 4.メールマーケティングでCRMを選ぶ4つのポイント
- 4.1.メールの到達率の高さ
- 4.2.他システムと連携できるか
- 4.3.クラウド型かオンプレミス型か
- 4.4.セキュリティ対策
- 5.まとめ
CRMとは?
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客との関係を管理し、強化するための戦略や手法を指します。また、顧客の名前、住所、メールアドレス、さらに商品の購買履歴やサービスの利用履歴など、顧客に関する情報を統合的に管理するツールを指すこともあります。CRMには通常、メール配信システムが備わっているため、顧客データを活用してメールマーケティングを容易に実施できます。
CRMを用いたメールマーケティングの方法
顧客管理システムとして用いられるCRMは、メールマーケティングにも効果的です。ここでは、CRMを使ったメールマーケティングの方法を3つのステップに分けて詳しく説明します。
顧客情報の登録・管理
CRMの導入には、顧客情報の正確な登録が鍵となります。具体的には、営業担当者からの情報を基に顧客の会社名や氏名、部署だけでなく、年齢層や購入履歴などもデータベース化します。効果的なメールを配信するために、分析に役立つ情報を幅広く収集することが重要です。
顧客行動や属性情報のデータ分析
次に、収集した顧客情報を分析し顧客のニーズを明確にします。分析結果を基に、顧客がどのタイミングでどんな商品やサービスを求めているのかを把握します。さらに、どのようなメール配信が効果的で、どんなアクションを期待できるのか、どのような成果が見込めるかを考えましょう。
顧客情報が十分に収集できていれば、より精密な分析が可能となり、顧客一人ひとりのニーズに合わせたメール配信が実現できます。
フォローメール・ステップメール配信の自動化
適切なタイミングで顧客に役立つ情報を自動的に配信するために、CRMを活用して配信プロセスを自動化すると良いでしょう。
例えば、展示会に来場した顧客にフォローメールを送信することは非常に効果的です。しかし、多くの案件や業務を抱えているとフォローメールの送信が後回しになったり、時間がかかったりすることがあります。このような場合、CRMが有効です。展示会やセミナーに参加した顧客のデータを登録するだけで、フォローメールを一斉に送信することができます。
CRMはフォローメールだけでなく、商品やサービスを購入した顧客に送るステップメールにも効果的です。ステップメールとは、購入後のサンクスメールや販促メールなど、あらかじめ計画されたストーリーに基づいて送られるメールのことを指します。
メールマーケティングにおけるCRMの活用事例
ここでは、CRMを活用している企業が直面していた課題と、CRMをどのように活用することで解決したか、そしてCRMの活用によって得られた効果について、具体的な事例を交えてご紹介します。
活用事例1:既存顧客への事前フォローアップ
CRMのメール連携機能を活用すると、既存顧客への事前フォローが可能になります。自動的にフォローメールを配信することで、顧客との接点を増やせます。
新規営業に注力するあまり、既存顧客へのフォローが疎かになってしまうと、解約件数の増加などの課題を引き起こすことがあります。こうした企業は、CRMのメール連携機能を利用して顧客の声を積極的にヒアリングし、フォローアップの機会を増やしましょう。
例えば、クラウド型人事システムを販売する会社では、既存顧客の中でFAQページを毎月3回以上訪れる企業が不満を抱えている可能性があると考え、そのような企業へのフォローメールの配信のためにCRMを導入しました。具体的な相談事項があるかどうかを確認するため、CRMから自動的にフォローメールを送信することで、直接ヒアリングする機会が増えたのです。その結果、ユーザーIDの追加や他連携システムのアップセル営業(客単価を向上させる取り組み)の機会も増加しました。
活用事例2:購入製品ごとのフォローメール
CRMのメール連携機能は、製品ごとにフォローメールを送るのに役立ちます。多くの企業が配信したメルマガの開封率低下に悩んでいますが、購入製品ごとに適切なタイミングでフォローメールを送ることにより、開封率を向上させることが期待できます。
CRMで収集したデータを活用し、サンクスメールの後に購入した商品に関連する別製品の販促メールを送るなど、製品ごとに効果的なストーリーを作成し、顧客一人ひとりにあった情報を配信しましょう。そうすることで、顧客にとって有益な情報として認識され、開封率の改善やおすすめ商品の売上増加が見込めます。さらに、CRMはこのようなステップメールも自動化できるため、複雑な作業が不要で導入しやすいのも魅力的なポイントです。
例えば化粧品などをインターネットで販売している会社では、以前から熱心にメルマガを配信していましたが、最近ではメルマガの開封率が大きく低下していたため、従来の一律配信のメルマガをやめ、お客様のフォローを中心とするステップメールに切り替えました。
活用事例3:クーポン配布などのプレゼントメール
CRMのメール連携機能を活用してプレゼントメールを配信することは、退会率などの改善に効果的です。プレゼントメールは、顧客にとって有益なクーポンなどの特典をメールで提供する方法です。このようなメール配信により、顧客が再び自社のサービスや製品に興味を持つきっかけを作ることができます。
複数のスポーツジムを運営している会社では、CRMのデータ分析を通じて一定回数の利用に達していない会員に自動的にメールを送信する仕組みを導入しました。顧客ごとに複数のプレゼントオプションと文面を準備し、それぞれの顧客に合ったプレゼントや文面を選定してカスタマイズされたメールを継続的に送信することで、退会率の低下に一定の成果を挙げました。
メールマーケティングでCRMを選ぶ4つのポイント
メールマーケティングを目的にCRMを導入しようと考えている企業の中には、システム選びに迷っている担当者もいるでしょう。ここでは、システム選定の際に重要な4つのポイントについて解説します。
メールの到達率の高さ
メールマーケティングツールとしてCRMを利用する場合、顧客へ確実にメールを届けることが大切です。そのため、システム選定では到達率の高さにも注目しましょう。クラウド型サービスの場合は比較的安価に利用できますが、他社の配信エラーが自社の配信に影響する可能性もあるため、サービス提供者の対応を事前に確認することが重要です。
一方、専用の送信サーバを使用するオンプレミス型サービスは、他社のエラーが影響する可能性が低く、高いメール到達率を実現できるメリットがあります。また、Gmailの送信ガイドラインに準拠していることも重要なポイントです。
他システムと連携できるか
他システムとの連携が可能か確認することもシステム選びでは大切なポイントです。他システムとの連携を希望する場合は、連携にかかる開発工数なども把握しておくことが重要です。システム連携を検討する際には、開発担当者の意見も取り入れるようにしましょう。
クラウド型かオンプレミス型か
メール配信やCRMのシステムは、大きく分けてクラウド型・オンプレミス型の2つがあります。クラウド型はサービスをレンタルして利用し、月額費用を支払う形態です。初期費用が抑えられ適切なプランを選べるメリットがありますが、機能のカスタマイズに弱い傾向があります。
一方、オンプレミス型はシステムを購入し自社サーバに構築するため、初期投資と環境管理にコストと手間がかかりますが、機能のカスタマイズがしやすくセキュリティ管理も自社でおこなえるメリットがあります。
セキュリティ対策
メール配信システム・CRMは個人情報を取り扱うため、システム選定時にはセキュリティ要件を確認することが重要です。特にクラウド型では、プロバイダー(提供業者)のセキュリティ対策が万全か確かめておきましょう。信頼性を評価するために、プロバイダーが第三者機関からのセキュリティ認証を受けているかどうかをチェックすることをおすすめします。
まとめ
本記事では、CRMを用いたメールマーケティングについてご紹介しました。マーケティングの手法は多様化していますが、メールマーケティングは効果的なマーケティングの一つとして現在も重要な位置を占めています。メールマーケティングをおこなう際は、本記事でお伝えしたポイントをもとに効果的なメール配信システム、CRMを使用することをおすすめします。
メールマーケティングでお困りの方は、メール配信サービス「アララ メッセージ」までご相談ください。
関連コラム