
メールマーケティングにCRMを活用するメリットや方法、活用事例を解説
近年、CRM(顧客関係管理)を活用したメールマーケティングの取り組みが急速に広がっています。本記事では、CRMを基盤とした効果的なメールマーケティングの手法を分かりやすく解説します。
さらに、CRMを活用して成果を上げた企業の成功事例や、メールマーケティングに適したCRMの選び方についてもご紹介します。
目次[非表示]
- 1.CRMとは?
- 2.メールマーケティングにCRMを活用するメリット
- 2.1.顧客に合わせたメール配信ができる
- 2.2.効果的なタイミングでメール配信ができる
- 2.3.メール配信をまとめて管理できる
- 3.CRMを用いたメールマーケティングの方法
- 3.1.顧客情報の登録・管理
- 3.2.顧客行動や属性情報のデータ分析
- 3.3.フォローメール・ステップメール配信の自動化
- 3.3.1.フォローメールの具体例
- 3.3.2.ステップメールの具体例
- 4.メールマーケティングにおけるCRMの活用事例
- 5.メールマーケティングでCRMを選ぶ5つのポイント
- 5.1.メールの到達率の高さ
- 5.2.他システムと連携できるか
- 5.3.クラウド型かオンプレミス型か
- 5.4.セキュリティ対策
- 5.5.サポート体制
- 6.まとめ
CRMとは?
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客情報を一元管理し、顧客との関係構築に活かすための仕組みです。名前や連絡先だけでなく、購入した商品や利用したサービスの履歴なども記録されます。
多くのCRMには、メールマーケティングに適した配信機能が標準搭載されており、蓄積された情報を活用することで、効果的なメール配信などの施策を手軽に実行できます。
メールマーケティングにCRMを活用するメリット
CRMを活用すると、顧客ごとに内容を変えたメールを送ったり、最適なタイミングで自動配信をおこなったりできるため、メールマーケティングがしやすくなります。また、配信履歴や顧客情報もひとつの画面で管理できるので、業務全体の効率化にもつながります。ここでは、CRM活用の3つのメリットをご紹介します。
顧客に合わせたメール配信ができる
CRMには顧客の基本情報だけでなく、購入履歴やWebサイトでの行動履歴といった詳細なデータも蓄積されています。こうした情報を活用することで、顧客の興味や関心に合わせたメール配信が可能です。例えば、ある商品を購入した方に関連アイテムを提案したり、最近よく閲覧しているカテゴリの商品を紹介したりといった対応ができます。
こうしたパーソナライズされたメールは、「自分のための情報」と感じてもらいやすく、開封やクリックといった行動にもつながりやすくなります。画一的な配信ではなく、一人ひとりに最適化した情報を届けられる点は、CRMを活用した配信の大きな魅力です。
効果的なタイミングでメール配信ができる
CRMを活用すると、顧客の行動や状況に応じて最適なタイミングでメールを自動送信できます。資料請求直後にサンクスメールを送ったり、商品をカートに入れたまま購入していない顧客にリマインドメールを送ったり、購入後に関連商品のご案内やクーポンを届けたりすることも可能です。
こうした一連の流れをあらかじめ設定しておけば、自動で配信が行われるため、人的コストを削減しながら売上アップやリピート購入につなげられます。顧客との接点を自然に増やせる点も、CRM活用の強みです。
メール配信をまとめて管理できる
CRMを導入すると、メールの配信履歴や開封・クリックの状況、顧客との過去のやりとりや対応の詳細まで、すべて一元的に管理できるようになります。これにより、対応漏れや返信の見逃しを防ぎやすくなり、スタッフ間での情報共有もスムーズになります。また、担当者が変わってもこれまでの履歴が確認できるため、顧客に同じ説明を繰り返し求める必要がありません。必要な情報が一つの画面で見られることで作業効率が向上し、より細やかなフォローや的確な対応が可能になります。
CRMを用いたメールマーケティングの方法
顧客管理システムとして用いられるCRMは、メールマーケティングにも効果的です。ここでは、CRMを使ったメールマーケティングの方法を3つのステップに分けて詳しく説明します。
顧客情報の登録・管理
CRMを導入する際には、顧客情報を正確かつ丁寧に登録していくことが大切です。会社名や氏名、部署などの基本情報に加えて、年齢層や購入履歴といった詳細なデータも合わせて管理します。特に購入履歴については、購入した商品やサービスの内容、数量、購入日、時間帯まで細かく記録しておくと、後の活用に大きく役立ちます。
例えば、ある商品が特定の曜日や時間帯に売れやすいと分かれば、そのタイミングに合わせたメールを配信することで反応率を高めることができます。また、どの商品やサービスをどのくらい購入したのかが分かれば、関連商品の提案やクーポンの配布など、よりパーソナライズされたアプローチが可能になります。こうした情報の積み重ねが、メールマーケティングの質を高め、顧客との関係をより深めてくれます。
顧客行動や属性情報のデータ分析
次に、顧客から集めた情報をもとに分析することで、ニーズや購買のタイミングをより具体的に把握できるようになります。どのような商品やサービスが、いつ求められているのかを見極めることで、配信すべきメールの内容やタイミングが明確になります。さらに、どのような反応が期待できるか、どれくらいの成果が見込めるかといった予測も立てやすくなります。十分なデータがあれば分析の精度も高まり、顧客一人ひとりのニーズに合わせたメール配信が可能になります。
フォローメール・ステップメール配信の自動化
顧客へのアプローチをタイミングよく、そして自動でおこないたい場合には、CRMの活用が効果的です。例えば、展示会やセミナーの参加者にお礼のメールを送りたくても、日々の業務に追われて後回しになってしまうことは少なくありません。そんな時でも、CRMに来場者情報を登録しておけば、あらかじめ設定した内容のフォローメールを自動で送信できます。
さらに、購入後のステップも計画的に管理可能です。商品を購入した人に感謝のメールを送り、数日後には使い方の案内や関連商品の紹介といった内容を段階的に配信する「ステップメール」も自動化ができます。こうした仕組みを活用すれば、業務の負担を軽減しながら、顧客との関係を継続的に築くことができます。
フォローメールの具体例
展示会で名刺交換をした相手に対し、来場翌日に「ご来場ありがとうございました」とメールを一通送るだけでも、相手に強く印象づけることができます。さらに、資料のURLや製品紹介ページへのリンクを添えることで、自然な流れで次のアクションを促すことも可能です。CRMを活用すれば、こうしたメールの文面や送信タイミングをあらかじめ設定でき、すべて自動で配信されます。そのため、対応の抜け漏れや送信作業の手間がなくなり、丁寧なアプローチを効率よく実現できるのです。
ステップメールの具体例
商品を購入した方に対して、まず「ご購入ありがとうございます」のメールを送り、数日後には「使い方のコツ」や「便利な活用事例」を、さらに一定期間後には「関連商品のご案内」や「レビュー投稿のお願い」といったメールを、あらかじめ設計した流れに沿って配信します。このように、顧客の行動履歴や関心に合わせて情報を届けることで、受け取る側にも自然に受け入れられ、次のアクションを促すことができます。CRMを活用すれば、これらのメールを一括管理し、自動で配信できるため、顧客との関係を無理なく継続的に深めていくことが可能です。
メールマーケティングにおけるCRMの活用事例
ここでは、CRMを活用している企業が直面していた課題と、CRMをどのように活用することで解決したか、そしてCRMの活用によって得られた効果について、具体的な事例を交えてご紹介します
活用事例1:既存顧客への事前フォローアップ
CRMとメール配信機能を組み合わせることで、既存顧客への丁寧なフォローを仕組み化できます。忙しい営業現場では新規顧客の対応に追われ、既存顧客へのケアが後回しになりがちです。その結果、気づかないうちに顧客満足度が低下し、契約継続率に影響を及ぼす可能性もあります。
こうしたリスクを防ぐには、CRMを活用した自動フォローメールが有効です。例えば、あるクラウド型人事システムの提供企業では、既存顧客の行動ログに着目。FAQページを頻繁に閲覧している企業は、何らかの課題を抱えている可能性があると判断し、対象となる企業に自動でフォローメールを配信する仕組みを整えました。
そのメールでは、「ご不明点はございませんか」といったヒアリングのきっかけを提供。結果として、サポートの強化だけでなく、ユーザーIDの追加や関連システムの提案といったアップセルにもつながりました。CRMによる自動配信は、単なる業務効率化にとどまらず、既存顧客との信頼関係を育てるための大切な手段といえます。
活用事例2:購入製品ごとのフォローメール
CRMのメール連携機能を活用すれば、購入した製品に合わせてタイミングよくフォローメールを送ることができます。近年、メルマガの開封率低下が課題となっている企業が増えていますが、顧客の購入履歴に基づいたメールであれば、開封されやすくなる効果が期待できます。CRMに集めたデータを活用して、購入後の感謝メールに続き関連商品の案内を送るなど、一人ひとりに合った内容でメールを届けることが可能です。こうしたパーソナライズされた情報は、顧客にとって価値のあるものとして受け取られ、開封率の改善や売上アップが見込めます。また、ステップメールの自動化もできるため、手間なく効果的なメール配信を実現できます。
実際に、化粧品をオンラインで販売している企業では、以前はすべての顧客に対して一斉配信のメルマガを送っていました。しかし、開封率の低下を受けて、購入者向けのフォローに特化したステップメールに切り替えたところ、顧客の反応が大幅に改善されました。
活用事例3:クーポン配布などのプレゼントメール
CRMのメール連携機能を使ったプレゼントメールの配信は、退会率の改善などに効果が期待できる施策です。プレゼントメールとは、クーポンなどの特典をメールを通じて顧客に提供する取り組みのことを指します。こうしたメール配信により、顧客が再び自社の製品やサービスに関心を持つきっかけを生み出せます。
例えば、複数のスポーツジムを運営している会社では、CRMのデータ分析をもとに一定回数の利用に達していない会員に自動でメールを送信する仕組みを導入しました。さらに、複数のプレゼントオプションと文面を準備し、顧客ごとに最適な内容を選定して配信。結果として、退会率の低下に一定の成果を挙げました。
メールマーケティングでCRMを選ぶ5つのポイント
メールマーケティングを目的にCRMを導入しようと考えている企業の中には、システム選びに迷っている担当者も少なくありません。ここでは、システム選定の際に重要な5つのポイントについて解説します。
メールの到達率の高さ
メールマーケティングでCRMを利用する場合には、顧客へ確実にメールを届けることが何より大切です。そのため、システム選定では「到達率の高さ」にも注目しましょう。クラウド型サービスの場合は比較的安価に利用できる一方、他社で発生した配信エラーが自社の配信に影響する可能性があります。そのため、サービス提供者の対応を事前に確認することが重要です。
一方、専用の送信サーバを使用するオンプレミス型サービスは、他社の影響を受けにくく、高いメール到達率を実現できるメリットがあります。また、Gmailの送信ガイドラインに準拠していることかどうかも、必ず確認すべきポイントです。
他システムと連携できるか
システムを選定する際には、他のシステムと連携できるかどうかを確認することも重要なポイントです。連携を前提とする場合は、開発にかかる工数やコストをあらかじめ把握しておく必要があります。また、システム連携を検討する際には、実際に開発を担当するエンジニアの意見を取り入れることも欠かせません。
クラウド型かオンプレミス型か
メール配信やCRMのシステムは、大きく分けてクラウド型・オンプレミス型の2つがあります。クラウド型はサービスをレンタルして利用し、月額費用を支払う形態です。初期費用が抑えられ適切なプランを選べるメリットがありますが、機能のカスタマイズにはやや制限があります。
一方、オンプレミス型はシステムを購入し、自社サーバに構築するため、初期投資と環境管理にコストと手間がかかります。しかし、機能のカスタマイズがしやすくセキュリティ管理も自社でおこなえる点が大きなメリットです。
セキュリティ対策
メール配信システムやCRMは個人情報を取り扱うため、システムを選ぶ際にはセキュリティ対策を確認することが欠かせません。特にクラウド型では、プロバイダー(提供業者)がどのようなセキュリティ対策を講じているかを事前に確かめておきましょう。信頼できるサービスかどうかを見極めるポイントとして、第三者機関によるセキュリティ認証を取得しているかどうかもチェックすると安心です。
サポート体制
CRMを導入する際には、分かりやすい説明や手厚いサポートが受けられるかを重視しましょう。運用中に問題が発生したときに、迅速かつ適切に対応してくれる体制が整っていることもポイントです。さらに、技術面でのサポートが充実しているか、定期的なアップデートやトラブル対応がスムーズにおこなわれるかも事前に確認しておくと安心です。こうしたサポート体制が整っていれば、安心して継続的にCRMを利用できます。
まとめ
本記事では、CRMを用いたメールマーケティングについてご紹介しました。マーケティングの手法は多様化していますが、メールマーケティングは依然として効果的なマーケティングの一つとして現在も重要な役割をはたしています。メールマーケティングを実施する際は、本記事でお伝えしたポイントをもとに効果的なメール配信システム、CRMを使用することをおすすめします。
メールマーケティングでお困りの方は、ぜひメール配信サービス「アララ メッセージ」までご相談ください。
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