ステップメールとは?配信のメリット・デメリットや運用方法、効果を上げるポイントを解説!
メールはコミュニケーションツールとしてだけではなく、ビジネスチャンスを生み出すきっかけになる、企業にとってとても心強い味方といえます。
なかでも、顧客獲得などを狙えることから高い注目を集めているのが「ステップメール」です。本記事では、「ステップメール」のメリットや運用方法、効果を上げるポイントについてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.ステップメールとは
- 2.ステップメールの4つのメリット
- 2.1.メリット1 : 見込客の増加と育成がおこなえる
- 2.2.メリット2 : 顧客へのアピールにつながる
- 2.3.メリット3:購買のモチベーションが向上する
- 2.4.メリット4:ステップごとの分析・改善ができる
- 3.ステップメールの3つのデメリット
- 4.ステップメールが効果を発揮するケース
- 5.ステップメールの作り方
- 5.1.フロー1:目標を設定する
- 5.2.フロー2:ストーリーを設計する
- 5.3.フロー3:文章作成
- 5.4.フロー4:送信設定をする
- 5.5.フロー5:結果を分析、検証する
- 6.ステップメールの適切な配信回数と間隔
- 6.1.一般的な配信回数と間隔
- 6.2.自社に合った配信頻度を計算する方法
- 7.ステップメールを成功させるためのポイント
- 7.1.ポイント1:目的を明確にする
- 7.2.ポイント2:配信タイミングの最適化
- 7.3.ポイント3:セールスライティングの知見を取り入れる
- 8.ステップメールを活用した成功事例
- 8.1.成功事例:会員制サイト運営企業
- 8.2.成功事例:セミナー主催企業
- 9.ステップメールのまとめ
ステップメールとは
ステップメールとは、特定のアクション(無料会員登録や資料ダウンロードなど)をしたユーザに対して、あらかじめ準備したメールをスケジュールに沿って配信するメールのことをいいます。顧客ごとに自動送信されるため、特別感の演出やフォローの自動化に役立ちます。
ステップメールとメルマガの違いとは?
ステップメールは、顧客がとったアクションに応じて、必要とされる情報をあらかじめ設定したスケジュールに従って自動的に送信するものです。価格の高いサービスなど、検討期間が長い商材などの場合、段階的に情報を伝えられるステップメールが役立ちます。
これに対しメルマガは、運営者が送りたい最新情報などを多くの顧客に向けて継続的に送るものです。セールのお知らせなど、すぐに伝えたい情報配信に適しています。
このように、メールという手段は同じでもアプローチ方法が違うので、両者の違いをしっかり把握しておくことがメールマーケティングを成功に導く大切なポイントです。
ステップメールの4つのメリット
ステップメールを活用するにあたって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット1 : 見込客の増加と育成がおこなえる
誰もが知っている商品やブランド品でもない限り、初めて目にした商品を即座に購入する顧客はそう多くありません。
そこで、少しでも興味を示してくれた顧客に対し、ステップメールを活用し日数を置いて有益な情報を送信することで、購買意欲の促進効果が期待できます。うまく見込み客を育成できれば、問い合わせの増加や売上アップも狙えるでしょう。
メリット2 : 顧客へのアピールにつながる
メールを通して顧客と繰り返し接触することで、運営者と顧客との距離が徐々に縮まり商品の購入へと誘導しやすくなります。
また、顧客がお店やサービスに対して認識していくため、顧客の信頼を勝ち取ることにも繋がります。
メリット3:購買のモチベーションが向上する
ステップメールは、商品・サービスの魅力や詳しい情報、実績など、段階的に情報を提供することによって、顧客の関心を高めることが可能です。このような段階的なアプローチにより、顧客は商品やサービスについてより深く理解し、必要性や欲求を感じるようになるため、最終的に購買のモチベーションが向上するのです。
また、読者に対して特別な価格や特典、限定キャンペーンを提示できます。このような情報を発信することで、さらに購買のモチベーション向上につなげることができます。
メリット4:ステップごとの分析・改善ができる
ステップメールは、各段階で配信されるメールの開封率やクリック率、購入率などを分析できます。どのステップが効果的だったのかや、顧客が離脱してしまったステップなどを把握し、その内容をもとに分析・改善を行うことで、より効果の高いステップメールの配信に繋がります。たとえば、ステップごとの開封率が低かった場合、メールのタイトルや配信時期を変更することで開封率の向上が期待できます。
また、ステップごとの購入率が低かった場合は、商品やサービスの魅力をより強調するような情報提供をおこなうなどの改善策を講じることで改善が見込めます。
ステップメールの3つのデメリット
ステップメールのメリットをご紹介してきましたが、一方でデメリットもあります。ステップメールのデメリットを3つご紹介します。
デメリット1 :メールアドレスの収集が必要
「ステップメールをビジネスに取り入れよう!」と思っても、メールを送る顧客がいなければアクションを起こせません。まずは顧客リスト作成に向けたメールアドレスの収集など事前準備が必要です。
デメリット2 :メール作成に手間がかかる
メールを作成するには、「シナリオの構成」「送付のタイミング」「配信設定」等、様々な要素を決めなくてはなりません。特に、メールの作成・確認に複数の関係者が関わる場合、時間や手間がかかりやすくなります。
先にご紹介したとおり、ステップメールは顧客へのアプローチには有効な手段なので、フォロー回数の設定やメール本文の作成を始めとする初期設定作業の工数を考慮し、ステップメールを設計するようにしましょう。
デメリット3 : 顧客リストの作成が必要
ステップメールを実施するには、顧客リストの作成が必要です。顧客リストを作成するには、顧客の個人情報や関心分野を収集し、データベースに登録しなければなりません。
特に、ステップメールを設定するうえで重要となる登録日や購入日といった「起算日」は正しく設定し顧客リストと紐づける必要があります。収集した情報は定期的に更新する必要もあり、手作業でおこなう場合は多くの時間や労力がかかります。
ステップメールが効果を発揮するケース
複数あるメールマーケティングの手法の中で、ステップメールとの相性が良いケースをご紹介します。
ケース1:ユーザが時間をかけて購入を検討する商材の場合
ステップメールは、少しでも興味を示してくれた顧客に対し、段階的に複数のメールを届けることで、購買意欲の促進効果が期待できます。 特に、高額商品などの購入までに時間がかかるものの場合は、効果が発揮しやすい特徴があります。 と言うのも、ユーザが時間をかけて購入する商品の場合は、他社の商材とコストや性能などを比較し、判断材料を持ち合わせて検討し、ようやく購入に至ります。
そんな時に、ステップメールで届く情報は、ユーザにとって重要な判断基準の1つになるかもしれません。 ストーリー設計時に、購入に至るまでの悩みをあらかじめ洗い出し、それに対するフォロー情報をステップメールとして配信することで、効果は向上していくでしょう。
ケース2:消費財の場合
消費財の場合、顧客が前回購入した商品を使い切るタイミングを見計らって、フォローアップメールを送信すると、無理なく購入を促すことができ、売上アップにも貢献します。 また、購入以外の場合でも、キャンペーンや口コミのお願い等、段階的にメールを配信し、顧客にあったフォローメールを送ることで、各段にリピート率はあがります。
なお、サプリメントや化粧品等のリピーター商品は、フォローアップを計6回、または半年間の内にお客様からのアクションが無いと次回利用してもらえる確率が10%以下になると言われています。
ステップメールの作り方
では、実際にどのようにステップメールを設定すればよいのでしょうか。ステップメールを使い、メールマーケティングを成功に導くためには、次の3つのフローを適切に実行することが大切です。
フロー1:目標を設定する
ステップメールは通常のメルマガ配信と異なり、顧客の行動予測に合わせて配信することができます。ステップメールを配信することで、お客様に最終的にどんな行動をとってもらいたいのか、まずは目標を設定しましょう。
例えば、「リピート購入件数を●件に増やす」「CVRを10%向上させる」など、具体的に数値化することが重要です。目標を決めることによって、今後のストーリー設計やコンテンツ内容が明確になっていきます。
フロー2:ストーリーを設計する
目標を決めたら、ターゲットとなる顧客がどのようにゴール(問い合わせや購入などのコンバージョンポイント)にたどり着くかシナリオを考えます。ペルソナやカスタマージャーニーを使い、顧客がどのような順序でゴールにたどり付くのかを考察し、それに合わせて、どのタイミングでメールを配信するのかストーリーを設計します。
全部で何通送り、何日後にどんな内容を伝えるかをここで決めておきましょう。購入を起点として適切なタイミングでメールを配信することで、丁寧かつ誠実な印象が強まり、顧客満足度や好感度の向上に繋がります。
<例>ECサイト
1回目(購入日) :商品を購入してくれた顧客に対し、サンクスメールの送信
2回目(2~3日後):商品発送の案内を送信
3回目(7日後) :商品の到着確認
4回目(8日後以降):使用感や使い方のポイントを紹介+新作のご案内
フロー3:文章作成
文章作成、送信においては以下の2点に気を付けながら実施をしましょう。
■1通のメールに対して、顧客に実施してほしいアクションは1つ
メールを作成する際、顧客に実施して欲しい最終的なゴール アクションは1つまでにしましょう。どんなに役立つ情報やおすすめの商品であっても、情報を詰め込みすぎてしまうと、メールの容量も多くなり、メールの受け手に負荷がかかってしまいます。
アクションを1つに設定することで、伝えたい情報が分かりやすくなり、メールの受け手をゴールまで促せるようになります。
■「自分宛」のメールだと思ってもらう工夫
せっかく顧客のタイミングに合わせてメール配信をおこなうのに一斉配信のようなメールになってしまっては、もったいないでしょう。顧客に「自分宛のメールだ」と思ってもらえるように、工夫をすることが大切です。「○○様に最適な商品をご紹介します」など、名前を件名や本文中に差し込むようにしましょう。
フロー4:送信設定をする
文章作成が完了したら、設計したストーリーに沿って、実際に送信設定をおこないましょう。ステップメールは効果測定がおこなえるHTMLメールで送信することをおすすめします。
HTMLメールで配信することによって、開封数などの取得が可能になります。HTMLデザインを検討している時間がない方でも、テキスト文のみをHTMLメールとして送る方法もあります。取得した効果測定の結果は、ストーリーやメール本文の見直しに有効です。
また、設定完了後は必ずテスト配信をおこなってください。主に以下の点をしっかり確認しましょう。
- 設定したスケジュール通りに配信されるか
- 誤字・脱字や不適切な表記はないか
- レイアウトが崩れていないか
- リンク先は正しく遷移されるか
- PC、スマホ(iOS、Android)で正常に受信できるか
特に、デザイン付きのHTMLメールで配信する場合は、受信するデバイスによってデザインが崩れていることもあるので、可能な場合は複数端末でテストをおこなってください。
フロー5:結果を分析、検証する
ステップメールは「配信したら終わり」ではありません。ステップメールの効果を高めていくために、配信の効果を測定・分析し、改善するためにPDCAを回すことが大切です。
主に以下の指標を注視して、効果検証をしていきましょう。
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
- 配信停止率
ステップメールは一回完結のメルマガに比べてストーリーが複雑な分、改善のポイントも多くなります。個々のメール文案のチューニングに加え、配信曜日や配信時間、また配信の順序が適切であるかどうか検証しながら改善を重ねていきましょう。
ステップメールの適切な配信回数と間隔
ステップメールは頻繁に配信しすぎるとしつこい印象を与えてしまい、逆に配信間隔が空きすぎてしまうと自社について忘れられてしまう懸念があります。そこで、ステップメールの適切な配信回数と間隔についてご紹介します。
一般的な配信回数と間隔
一般的に、ステップメールの配信回数は3~7回程度と言われています。配信頻度はユーザとの信頼関係を築くまで3~5日に1回ほど、信頼関係がある程度築けてからは週に1回など、間隔を空けていくと良いでしょう。
自社に合った配信頻度を計算する方法
自社にあった配信頻度は、実際にステップメールを配信しながら効果測定をおこない、調整していくことが重要です。
例えば、サービスサイトから資料をダウンロードした顧客には、以下のような流れでステップメールを送ると良いでしょう。
- 即日:資料請求に対してのお礼メール・自社サービスの紹介
- 3~5日後:既存顧客の事例紹介
- 6~8日後:キャンペーン情報配信
- 9~11日後:ホワイトペーパー・コラムの紹介
ステップメールを成功させるためのポイント
単純に複数のメールを配信するだけでは、ステップメールの効果は十分に発揮されません。ステップメールを成功させるためのポイントをご紹介します。
ポイント1:目的を明確にする
ステップメールを配信する前に、まずは目的を明確にすることが大切です。「購入促進」や「サービスの継続」など目的が明確であれば、その目的に合わせた内容や順序、配信タイミングを決定することができます。
例えば、「購入促進」を目的とする場合は、第1ステップで商品やサービスの魅力を伝え、第2ステップで購入の促進を図るような配信内容にすることが効果的です。
ポイント2:配信タイミングの最適化
ステップメールの配信タイミングについては、顧客の行動に合わせて配信するようにしましょう。例えば、ECサイトであれば、購入後に商品のレビュー依頼やリピート促進のメールを配信することが効果的です。
また、アプリの場合は、インストール後すぐに利用方法を案内するメールを配信することが顧客の利用促進につながります。顧客がどのタイミングでどんなメールが欲しいのか、顧客視点に立ち、設定をはじめる前に洗い出しをおこないましょう。
ポイント3:セールスライティングの知見を取り入れる
セールスライティングとは、販売する商品やサービスをユーザーに「買いたい」と思ってもらえるように、魅力的な紹介文を書くことです。成功している企業では、効果的なセールスライティングを活用しており、メール配信の文章などに反映されています。
文章に迷った時や、いまいちステップメールの効果が見られない時は、成功している企業のセールスライティングはもちろん、競合企業のセールスライティングを参考にしてみても良いかもしれません。
ステップメールを活用した成功事例
ステップメールを活用した成功事例をいくつかご紹介します。
成功事例:会員制サイト運営企業
ある会員制サイト運営企業が、ステップメールを活用して顧客ロイヤルティ向上に成功したケースがあります。当企業では、会員サイト登録後すぐは利用がされますが、数か月経つと利用が減ってしまい、解約されるユーザーが多く発生していました。
そこで新規登録したユーザーに向けてステップメールで、会員限定のコンテンツやサービスの魅力をスケジューリングし定期的に配信するようにしたところ、ユーザーにサービスを思い出してもらえる機会が増え、最終的にユーザーの利用継続率を上げることができました。
成功事例:セミナー主催企業
セミナーを主催しているある企業では、ステップメールを活用してセミナー参加者の拡大に繋げていました。セミナー参加者に向けてステップメールを配信し、セミナーの内容や講師の情報を提供することで、セミナー参加の価値をアピールされていました。
また、ステップメールを配信することで、事前に参加者の疑問や質問に迅速に対応することができ、参加者の信頼度や満足度を高めることにも成功しました。さらに、セミナー後にも配信をおこなうことで、セミナー参加者との関係を維持し、今後のセミナー参加促進にもつながりました。
ステップメールのまとめ
いかがでしたでしょうか?ぜひ皆さんもステップメールを活用してみてください。
また弊社のアララ メッセージでは、ステップメールを簡単に作成・設定することが可能です!起算日の前後にメール配信ができる「フォローアップメール」や特定日の●日前や特定月の●日に配信ができる「アニバーサリーメール」、毎週●曜日や毎月●日といった固定日に配信できる「リピートメール」などがあります。
「ステップメールを始めたいけど、どう始めたらよいのだろう」等々、お悩みがある方はぜひお問い合わせください。
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