
IPレピュテーション【完全ガイド】メール到達率を改善する3つの対策
メールマガジンを配信されている企業様の中には、メールの到達率が低く悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?到達率の低さには、メールの容量やドメインなど様々な原因がありますが、その一つにIPレピュテーションの低さがあります。
今回はIPレピュテーションを高め、メールの到達率を上げる方法をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.IPレピュテーションとは
- 2.IPレピュテーションの確認方法と評価基準
- 3.IPレピュテーションを改善するための具体的な対策
- 3.0.1.SPFレコードの設定
- 3.0.2.エンゲージメント分析
- 3.1.送信ドメイン認証を設定する
- 3.2.効果的なメール配信で開封率を上げる
- 3.3.配信リストの精査と管理方法
- 4.まとめ:IPレピュテーションを理解してメール到達率を向上させよう
IPレピュテーションとは
IPレピュテーションとは、メールが送信されるIPアドレスの健全性などの評判(reputation)を指標として、メール配信時の通信を制限する仕組みです。迷惑メールを送っていないか、悪質なWEBサイトに誘導しようとしていないかなどをスコアにし、メールを送信するサーバーのIPアドレス単位で点数を付けて評価しています。
そのため、評価(点数)が低いとスパムメールや迷惑メールである可能性が高いと判断され、ブロックされてしまう可能性が高くなります。
IPレピュテーションの仕組みと到達率
IPレピュテーションは、
- GoogleやMicrosoftなどメールボックスサービスを提供している事業者
- Return Path社のSender ScoreやCisco社のSenderBaseなどの第三者サービス
によって評価されます。
評価の指標としては、「送信者の配信作法」「エンゲージメントに関するもの」の2種類があるとされています。具体的に言うと、「送信者の配信作法」は、迷惑メール報告、スパムトラップに対するメール送信や存在しない宛先へのメール送信数など、「エンゲージメントに関するもの」は、メールの開封、「迷惑メールではない」ボタンのクリックなどがあります。
IPレピュテーションが低いと評価された場合には受信サーバに届く前に迷惑メールとみなされてしまいます。そのため、到達率が下がってしまうのです。
IPレピュテーションの確認方法と評価基準
IPレピュテーションのスコアを確認できるサービスを3種類紹介します。なお、サービスによって評価基準や結果などが異なるため、複数のサービスを使って確認すると良いでしょう。
評価方法 |
結果の見方 |
|
Sender Score |
0点~100点で採点 |
100点に近いほど良い |
Talos Intelligence |
3段階評価 |
「Neutral」や「Poor」の場合は改善の必要あり |
Google Postmaster Tools |
4段階評価 |
「中」「低」「悪い」の場合は改善の必要あり |
- Sender Score(https://senderscore.org/)
IPレピュテーションのスコアを0~100で採点します。採点が100に近いほどIPレピュテーションが良いとされています。
- Talos Intelligence(https://talosintelligence.com/)
IPレピュテーションのスコアを”Good”、”Neutral”、”Poor”の3段階で評価します。結果が”Neutral”や”Poor”になった場合は、メールの到達率が低い可能性があるため次の項目でご紹介するIPレピュテーションを上げるためのポイントを実践すると良いでしょう。
- Google Postmaster Tools(https://www.gmail.com/postmaster/)
Gmailへの配信に関するIPレピュテーションを確認することができ、”高”、”中”、”低”、”悪い”の4段階で評価します。なお、Google Postmaster Toolsを使ってIPレピュテーションを確認するには、確認したいドメイン名をGoogleアカウントごとに登録・DNSで認証する必要があるため、利用する前に確認しておきましょう。
IPレピュテーションが評価される3つの要素
IPレピュテーションが「良い」と評価される要素は、以下の3つです。このポイントを理解し対策を実施すると、IPレピュテーションを高めることにもつながります。
- 送信元IPの信頼性
- メールの送信履歴
- 受信者の反応
まず、なりすましメールだと判断されないためにSPFやDKIMといった送信ドメイン認証をおこない、信頼性を高めることが大切です。また、送信しているアドレスが正当かどうかも判断基準となります。存在しない宛先や長く使用されていないアドレスへの送信は、スパム認定されやすくなるため注意が必要です。
さらに、受信者からの迷惑メール報告が少ないことや、開封されURLがクリックされる等のポジティブな反応が得られているかも評価の基準となります。
IPレピュテーションを改善するための具体的な対策
IPレピュテーションに問題がある場合、具体的にどのような対策をすれば良いのか見ていきましょう。
SPFレコードの設定
SPFレコードの設定は、送信元が信用するサーバーからの配信であることの証明となり、信頼性が高まります。
設定は、送信元のメールアドレスを運用しているDNSサーバでおこなうため、まずはDNSサーバの管理をしている会社を確認します。そして、その会社のサービスの中でSPFを設定しましょう。DNSサーバの管理をしている会社のホームページに設定方法が記載されている場合も多いため、確認してみることをおすすめします。
エンゲージメント分析
メールの開封率やクリック率、講読者からの返信といったポジティブな反応は、IPレピュテーションを高める要素となります。メールの効果を分析して、結果が良くない場合は改善しましょう。
送信ドメイン認証を設定する
メールを送る際に、SPFやDKIM、DMARCなどの送信ドメイン認証を設定するようにしましょう。送信ドメイン認証に対応しておくことで「なりすましメール」としてみなされにくくなり、IPレピュテーションが改善する可能性があります。
効果的なメール配信で開封率を上げる
開封率やクリック率といった受信者側からの反応は、IPレピュテーションに影響する可能性があります。受信者が開きたい・クリックしたいと思うような件名・本文のメールを配信するようにしましょう。具体的には、どのようなコンテンツが講読者の関心を集めているのか、ターゲットや属性等を踏まえて検討し、「読んで良かった」と思えるような質の高い内容にするとポジティブな反応を得やすくなります。
また、受信者が不快に思わないよう配信時間や頻度にも気を付けて配信するようにしましょう。
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配信リストの精査と管理方法
宛先不明や長期間使用されていないアドレスは、配信リストから除外して確実に受信してもらえるアドレスのみ残せるよう管理しましょう。具体的な方法は以下の通りです。
- バウンスメールの分析
- 無効アドレスの定期削除
- 購読解除者の即時削除
- エラー率の監視
バウンスメールとは、配信エラーによって送信者に差し戻されるメールのことを指します。エラーの内容を確認して原因を突き止め、対処しましょう。配信リストの中には、すでに削除されているメールアドレスやエラーとなってしまっているメールアドレスなどが含まれていることがあります。届かないメールアドレスにメールを配信しエラー率が高くなると、無闇にメールを送る送信者と受信側に判断されIPレピュテーションの低下もつながります。
また、スパムトラップ(ハニーポットとも呼ばれる)アカウントにメールを送信すると、評価が著しく下がります。メール送信元の評価をおこなっている組織は、メールアドレスを収集する自動巡回ツールにスパムトラップのメールアドレスを意図的に拾わせ、そのアドレスでメールを受信するとメール送信の許可を得ずに一方的にメールを配信する送信者であると判断し評価を落とします。
どの場合においても共通して言えることは、受信者が望んだ場合のみメールを送信し、不要と意思表明されたらメールの配信を止めることがIPレピュテーションを高めるための鉄則です。定期的に配信リストを確認して無効なメールアドレスを削除したり、メール受信者が停止を希望したら速やかに配信リストから除外するのはもちろん、メールの受信を希望していないアドレスへの無闇なメールの送信はおこなわないようにしましょう。
まとめ:IPレピュテーションを理解してメール到達率を向上させよう
メルマガの効果があまり見られない場合やメールの到達率が悪い場合は、IPレピュテーションが低くなっている可能性があります。悪意のある内容でなくても、さまざまな要因が重なって迷惑メールと誤認されてしまうと、せっかくのメルマガ配信も十分な効果が期待できなくなります。
本記事でご紹介したIPレピュテーションを上げる方法を参考に、メルマガの到達率の向上を目指しましょう。
著者 メール配信運用、メールマーケティングに関する情報をお届けするコラムです。“知ってるとちょっとイイコトがある”情報を発信します。 |
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