DNSとは?MX RECORDについても解説
こんにちは!営業担当の吉田です。
メール配信を始める前の準備として"「DNS」の「RECORD(レコード)」の設定"があります。
もし、これらの設定が正しく行われていなかった場合、配信元のサーバの信頼性(レピュテーション)が低くなり、メールの到達率も下がってしまいかねません。
そこで今回は「DNSのしくみ」、そして、メール配信に関連の深い「A RECORD」「MX RECORD」「TXT RECORD」について解説したいと思います!
なお、DNSについては、企業ごとに管理部門や管理担当者が異なります。
情報システム部門、経営管理部門、もしくはシステム関連の外注先ということもあります。
メール配信を始める際には事前に「DNSの管理部門・管理者」を確認しておきましょう。
目次[非表示]
- 1. DNSとは
- 2.DNSのしくみ
- 3.DNSとメール配信の関係
- 4.まとめ
DNSとは
「DNS」とは、Domain Name System/ドメイン・ネーム・システムの略で、「ドメインに関する情報が置かれているところ(サーバ)」です。
「Domain(ドメイン)」については、以下の記事でも詳しく解説しています。
簡単にお伝えすると、WEBサーバやメールサーバ、PCなど、インターネット上の住所を表すものとして、コンピュータ向けなのが「IPアドレス」(182.236.93.187のような数字列)、人間向けで目に見えるのが「ドメイン」(arara.comやarara.co.jpなどの文字列)です。
その両者が紐づけられた情報が置かれており、その変換を行うのが、「DNS(サーバ)」です。そして、この変換作業のことを「名前解決」と言います。
【DNSのしくみ①】
この、IPアドレスとドメインを紐づける設定が正しく行われていないと、当然のことながらドメインを使用した作業(WEBサイトの閲覧やメールの送受信など)ができません。
DNSの大切さがお分かりいただけるかと思います。
DNSのしくみ
DNSのしくみについて、さらに詳細にお伝えすると、DNSは、実は「フルサービスリゾルバ」と「権威DNSサーバ」の"コンビ"です。
先の図では省略していますが、先の図のDNSの作業の裏側は下の図のようになっています。
【DNSのしくみ② (名前解決の裏側・WEB閲覧の例)】
WEBサイトの閲覧・表示の例でお話しします。
フルサービスリゾルバは、パソコンなどの端末からの「https://arara.comというWEBサイトが見たい!」という問い合わせに対して※①、キャッシュ(一時保存/過去の記憶のようなもの)を参照し、キャッシュにその情報があった場合には「あったよ!」と、その紐づいたドメインとIPアドレスを返答します。※➁
しかし、キャッシュに情報がない場合は、権威DNSサーバに「こっちだとわからなかったんだけど、https://arara.comに紐づくIPアドレスわかる?」と問い合わせをします。※③
権威DNSサーバは、ドメインとIPアドレスが紐づけて登録された一覧のようなものを管理しているDNSサーバです。
管理するドメインに紐づけされたIPアドレスや、その範囲内の詳しい情報(「ゾーンファイル」といいます)を持っており、フルサービスリゾルバからの問い合わせを受けると、そのゾーンファイルを参照して※④、情報があった場合には「あったよ!」と、ドメインとIPアドレスの情報を返答します。※⑤
なかった場合には「なかったよ!」と返答します。
これが、DNSの「名前解決」のしくみです。
DNSとメール配信の関係
DNSのしくみがわかったところで、もう少し中身を見ていきましょう!
そこに、メール配信との関連が深い部分があります。
権威DNSサーバが管理している「ゾーンファイル」には、いろいろな情報が「リソースレコード」というかたちで登録されています。
そのうち、メール配信に関係があるのが「A RECORD(エー レコード)」「MX RECORD(エムエックス レコード)」「TXT RECORD(テキスト レコード)」です。
一つずつ見ていきましょう。
A RECORD(エー レコード/アドレス レコード)
A RECORDは、DNSのゾーンファイルにあるもっとも基本的なリソースコードで、ドメインに対するIPアドレスを特定しています。
メール配信に関わらず、ドメインを使用した作業に必要なレコードです。
これまでの説明から、DNSはそもそもドメインとIPアドレスの紐づけをする存在なので、「このA RECORDが設定されていないなんてありえない!」ということがおわかりいただけるかと思います。
MX RECORD(メールエクスチェンジ レコード)
MX RECORDには、該当するドメイン宛てに届いたメールの送信先(住所)が記述されています。
例えば、メールの送信先アドレスが「sample@arara.com」であれば、ドメインは「arara.com」ですね。
そのドメインのメールサーバの名前(ホスト名といいます)が「mail.arara.com」だった場合、MX RECORDは「arara.com. IN MX 10 mail.arara.com」というかたちで記載します。
これは、「『arara.com』宛てのメールを『mail.arara.com』というメールサーバに届けてね!」と指定したものです。
「IN」はInternet、「MX」はMX RECORD、「10」は、同じドメインに複数のメールサーバを設定したときの優先順位を表します。
この優先順位は、一般的に10、20などの数字で書かれ、小さいほど優先度が高くなります。
メールが配信されるときには、まずMX RECORDからメールの送信先のメールサーバを、次にA RECORDからそのメールサーバのIPアドレスを、それぞれ取得する必要があるため、DNSには両方の設定が必要になります。
つまり、【DNSのしくみ①】の図のようにWEBサイトを表示する場合には、DNSはA RECORDだけを参照します。
一方、メール配信の場合には以下の図のように、DNSはMX RECORDとA RECORDを同時に参照して、ドメインからメールサーバのIPアドレスを特定するのです。
【DNSのしくみ③ (名前解決の裏側・メール送信の例)】
TXT RECORD(テキストレコード)
TXT RECORDは、コメント欄です。
ゾーンファイルのリソースコードを見たDNSは、TXT RECORDに特別なコメントが書かれていたら、「このドメインに紐づいているのはこのIPアドレスだよー」という情報だけを返答するのではなく、「こんなことも書かれていたよー」と、コメントをつけます。
迷惑メール対策として重視されている、送信ドメイン認証技術である「SPF」や「DKIM」は、このTXT RECORDに文字列を記載します。
これで、「このメールの配信元はなりすましじゃないよ」と証明するわけですね。
詳しくは、以下のコラムをご確認ください。
まとめ
メール配信では、目に見える部分(デザインや本文)だけではなく、目に見えにくい"配信元(サーバなど)の信頼性"も大切です。
具体的には、ドメインと メールサーバを指定する「MX RECORD」、メールサーバとそのサーバの IP アドレスを指定する「A RECORD」の正確な記述、また、迷惑メール対策として重要視されている「SPF」や「DKIM」を記述する「TXT RECORD」の設定です。
もし、これらの設定ミスや誤りがあると、メールの送信先のサーバによっては、信頼できない配信元からのメールだとみなされ、ブロックされてしまう可能性もあります。
そういったことがないよう、最低限のDNSの知識はもっておくことをおすすめします。
各種設定方法に関しては、契約しているDNSサービスによって異なりますので、まずは自社のDNSの管理部門・管理担当者に相談してみてくださいね!
メール配信に関するお困りごとやご相談がございましたら、いつでもお問い合わせください。
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