
DNSとは?サーバの種類や仕組み、設定についてもわかりやすく解説
メール配信を始める前の準備として「DNS」の「レコード」の設定があります。もし、これらの設定が正しくおこなわれていなかった場合、配信元のサーバの信頼性(レピュテーション)が低くなり、メールの到達率も下がってしまいかねません。
そこで今回はDNSのしくみやメール配信に関連の深い「Aレコード」「MXレコード」「TXTレコード」について解説します。なお、DNSについては、企業ごとに管理部門や管理担当者が異なります。情報システム部門、経営管理部門、もしくはシステム関連の外注先ということもあるため、メール配信を始める際には事前に「DNSの管理部門・管理者」を確認しておきましょう。
目次[非表示]
- 1.DNSを理解する前提となる基礎知識
- 1.1.IPアドレスについて
- 1.2.ドメイン名について
- 2.DNSとは
- 3.DNSサーバとは
- 3.1.DNSサーバの種類
- 3.1.1.権威DNSサーバ
- 3.1.2.キャッシュDNSサーバ
- 4.DNSサーバを設定するには?
- 4.1.レジストラが提供するDNSサーバを利用する
- 4.2.独自のDNSサーバを構築する
- 5.DNSとメール配信の関係
- 5.1.Aレコード
- 5.2.MXレコード
- 5.3.TXTレコード(テキストレコード)
- 6.まとめ
DNSを理解する前提となる基礎知識
インターネット上で情報をやり取りするには、コンピュータやスマートフォンなど通信相手を識別するための仕組みが必要です。その役割を担っているのが、IPアドレスとドメイン名です。
IPアドレスについて
IPアドレスは、インターネットに接続された機器に割り当てられた固有の番号です。IPアドレスはインターネット上の「住所」と例えられることも多く、インターネット上で機器を特定するために使用されます。IPアドレスは数字の列で表され、バージョン4(IPv4)とバージョン6(IPv6)の2種類があります。
ドメイン名について
ドメイン名は、IPアドレスを人間が覚えやすいように文字列で表したものです。例えば、アララのドメイン名は「arara.com」です。ドメイン名を使用することで、数字の列であるIPアドレスを覚える必要がなくなり、Webサイトやメールサーバなどにアクセスしやすくなります。
DNSとは
DNS(Domain Name System)は、ドメイン名とIPアドレスを対応付けるシステムです。
【DNSのしくみ①】
IPアドレスとドメインを紐づける設定が正しくおこなわれていないと、ドメインを使用した作業(WEBサイトの閲覧やメールの送受信など)ができない仕組みになっています。
DNSサーバとは
DNSサーバは、ドメイン名とIPアドレスの対応付けを管理するサーバです。DNSサーバには、様々な種類の情報が保存されており、ドメイン名からIPアドレスを検索する際に参照されます。DNSサーバは、インターネット上に多数存在し、互いに連携して動作しています。
DNSサーバの種類
DNSサーバには、大きく分けて「権威DNSサーバ」と「キャッシュDNSサーバ」の2種類があります。それぞれどういった役割を持っているのか見ていきましょう。
権威DNSサーバ
権威DNSサーバは、特定のドメイン名に関する情報の最終的な権限を持つサーバです。ドメインの管理者が、ドメイン名とIPアドレスの対応付けなどの情報を設定します。ウェブサイトやメールサーバを運用する際には、権威DNSサーバに適切な情報を設定することが重要です。
キャッシュDNSサーバ
キャッシュDNSサーバは、一時的にDNSレコードを保存しておくサーバです。ユーザがドメイン名からIPアドレスを検索する際、まずキャッシュDNSサーバに問い合わせます。キャッシュDNSサーバに該当するレコードがあれば、それをユーザに返します。キャッシュDNSサーバにレコードがない場合は、権威DNSサーバに問い合わせてレコードを取得し、ユーザに返すと同時に、そのレコードをキャッシュに保存します。これにより、権威DNSサーバに問い合わせが集中しないよう負荷を分散したり、次回同じドメイン名への問い合わせがあった際に、より高速にIPアドレスを返すことができます。
DNSサーバを設定するには?
DNSサーバの設定には、主に以下の2つの方法があります。
レジストラが提供するDNSサーバを利用する
ドメイン名を登録したレジストラ(ドメイン名の登録を代行する事業者)が提供するDNSサーバを利用する方法です。レジストラはDNSサーバを提供しており、レジストラが提供する管理画面からサーバー名とIPアドレスの対応付けなどの情報を設定することができます。
独自のDNSサーバを構築する
「BIND」などのDNSサーバソフトウェアを使用して、独自のDNSサーバを構築する方法もあります。独自のDNSサーバを構築することで、より柔軟な設定が可能になりますが、サーバの運用・管理の知識が必要となります。
DNSとメール配信の関係
DNSのしくみがわかったところで、もう少し中身を見ていきましょう。DNSサーバには、いろいろな情報が「リソースレコード」というかたちで登録されています。そのうち、メール配信に関係があるのが「Aレコード」「MXレコード」「TXTレコード」です。一つずつ見ていきましょう。
Aレコード
Aレコードは、DNSのゾーンファイルにあるもっとも基本的なリソースコードで、ドメインに属するサーバの名前と対応するIPアドレスを保持しています。メール配信に関わらず、ドメインを使用した作業に必要なレコードです。
これまでの説明でも触れられているように、DNSはそもそもドメインに属するサーバとIPアドレスの紐づけをする存在であるため、「このAレコードが設定されていないなんてありえない!」ということがお分かりいただけるかと思います。
MXレコード
MXレコードには、該当するドメインのメール送信先サーバ名が記述されています。メールを配信する際は、以下の流れで送信先メールサーバのIPアドレスを特定し、メールを送信します。
- メール配信元は、送信先メールアドレスの@以下の部分を送信先ドメイン名と解釈し、そのドメインのDNSにMXレコードを問い合わせる
- 送信先ドメインのDNSはMXレコードの問い合わせを受けて、MXレコードに設定されている送信先メールサーバの名前を返す
- メール配信元は、返された送信先メールサーバの名前を元にDNSにAレコードを問い合わせる
- 問い合わせを受けたDNSは、Aレコードを元に送信先メールサーバのIPアドレスを返す
- メール配信元は、返されたIPアドレスに対してメール送信コマンドを送信する
以上のように、メール送信の場合はMXレコードとAレコードが必要です。
【DNSのしくみ②】
TXTレコード(テキストレコード)
TXTレコードは、ドメインに関する様々な情報を文字列(テキスト)で保存するためのレコードです。迷惑メール対策として重視されている、送信ドメイン認証技術である「SPF」や「DKIM」は、これらの仕様に従った文字列をTXTレコードに登録します。DNSにこれらのレコードを登録できるのはDNSを管理できる人だけなので、仕様に従った正しいレコードが登録されていれば、確かにこのドメインの管理者であるとみなされます。
これで、「このメールの配信元はなりすましじゃないよ」と証明することができます。
まとめ
メール配信では、目に見える部分(デザインや本文)だけではなく、目に見えにくい"配信元(サーバなど)の信頼性"も大切です。具体的には、ドメインと メールサーバを指定する「MXレコード」、メールサーバとそのサーバの IP アドレスを指定する「Aレコード」、また、迷惑メール対策として重要視されている「SPF」や「DKIM」を記述する「TXTレコード」の設定です。もし、これらの設定ミスや誤りがあると、メールの送信先のサーバによって信頼できない配信元からのメールだとみなされ、ブロックされてしまいます。そういったことがないよう、最低限のDNSの知識はもっておくことをおすすめします。
各種設定方法に関しては、契約しているDNSサービスによって異なるため、まずは自社のDNSの管理部門・管理担当者に相談してみると良いでしょう。メール配信に関するお困りごとやご相談がございましたら、いつでもお問い合わせください。
著者 メール配信運用、メールマーケティングに関する情報をお届けするコラムです。“知ってるとちょっとイイコトがある”情報を発信します。 |
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