iOS 15で搭載される「メールプライバシー保護」とは?メール配信の影響を解説
2021年9月20日、AppleからiOS 15がリリースされました。
このリリースで新たに搭載される「メールプライバシー保護機能」は、メール配信をする上でいくつか注意点があります。
本コラムでは、iOS 15をはじめ、iPadOS 15, macOS Montereyのリリースで発生するメール配信への影響についてお伝えします。
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iOS 15の「メールプライバシー保護機能」とは
Appleのリリースでは、以下のように説明されています。
“メールアプリケーションの「メールプライバシー保護」は、差出人が目に見えないピクセルを使ってユーザーに関する情報を収集するのを防ぎます。この新機能は、ユーザーがいつEメールを開いたかを差出人が知るのを防ぎ、ユーザーのIPアドレスをマスキングすることで、差出人がユーザーのIPアドレスをユーザーのほかのオンライン上の行動につながったり、ユーザーの位置情報を判断するために使用したりできないようにします。”
引用:Apple、iOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey、watchOS 8でプライバシーに対する一層のリーダーシップを推進
簡単にまとめると、「メールプライバシー保護機能」とは「メール送信者が取得できていた 、開封・IPアドレス・位置情報 などの情報を、メール受信者に関する情報とは無関係な情報 に置き換えることでプライバシーを保護する機能」です。
メール送信側にどのような影響があるのか
メール開封率は、送信するHTMLメールの中に埋め込まれた小さな「開封確認用画像」のリンクをユーザがメール開封時に踏むことで計測しています。
「メールプライバシー保護機能」が有効になっていると、Apple Mailに配信されたメールはApple側でキャッシュされ、バックグラウンドで保存されます。
メール配信者がHTMLメールに開封確認用画像を埋め込んでいた場合、この画像がキャッシュされる際に読み込まれてしまい、受信者本人がメールを開封した・していないにかかわらず「開封された」という情報がメール配信者側に記録されてしまう可能性があります。
さらに、この仕組みはApple Mailに配信されたメールに適用されます。
例えば、Gmailアドレスを持っているメール受信者が、普段PCでメールを閲覧していても、スマホでメールを見るためにApple MailにGmailアドレスを受信するよう登録していれば、「メールプライバシー保護機能」が適用され、上記と同じような影響が出てしまいます。
「メールプライバシー保護機能」を有効にしているかどうかを判別できるか
現状では機能を有効にしているかどうかの判断は難しいと考えられています。
Apple側でキャッシュされる際に使用されるIPアドレスは一般的なIPアドレスとの判別が難しく、地域情報などIPアドレス以外で取得できる情報からも推測することが難しいためです。
「メールプライバシー保護機能」の対応方法
iOS 15のリリース以前の開封率データをお持ちであれば、現在の開封率と比較して影響を調べることができます。
また、開封率以外にも、クリック率の取得、エラー率や解約率の集計など、効果測定に使用できる手法が存在します。
記事をwebサイトに記載し、メールでリンクを送付して閲覧を促す「クリック誘導型」のメルマガにしてクリック率を取得するなど、メルマガの内容を工夫することで引き続き純度の高い効果測定が可能です。
まとめ
今回のアップデートによって、正確な開封率を取得するのは難しくなってしまいました。
しかし、送信側で測定できる数値が変わっても、メールが届いたときに読者が取る行動や、読者がメルマガに求めているものに変化はありません。
アララでは、今後もメール配信に関わる情報を配信していきます。
ご不明な点やお悩み等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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