ここ数年で拡大し、テレビCMでも目にすることが多くなった「クラウド」サービス。しかし、「クラウド」自体の定義はとても広く曖昧になっており、明確に説明できる方も少ないのではないでしょうか。

今回はこの「クラウド」について、解説いたします。

クラウドサービスとは

「クラウド」とは、ユーザがソフトウェアを手元に持たなくても、インターネット上で必要に応じてサービスを利用できる仕組みを言います。そして、この仕組みを用いて提供されるサービスを「クラウドサービス」と呼びます。クラウド部分を「雲」で表されているシステム構成図を見たことはありませんか?これは「クラウド」という由来にも直結しますが、システム構成図でネットワークの向こう側を表す際に、繋がった先の場所が見えないネットワークを技術者が雲(cloud)の絵で表すようになったため、という説があります。

クラウドサービスは現在個人向け、法人向け両方に展開されています。個人向けの身近なクラウドサービスの例としては、GmailやiCloudといったメールサービスからオンラインゲーム、またXやInstagramといったSNSなどが挙げられます。これらは自分のパソコンやスマホにソフトウェアをダウンロードすることなく、データや写真、メモ、予定表など、すべてがインターネット上のサーバに保存され、好きなタイミングで見ることができます。

一方、企業向けのクラウドサービスの例としては、会計ソフトや営業管理ツールなどが挙げられます。業務の効率化やコスト削減を目的として、大企業から中小企業まで業種・業態にかかわらず、導入が進んでおり、実際に業務で使っている方も多いのではないでしょうか。

このようにクラウドサービスは身近な存在になってきており、日々クラウド化が進んでいます。  

クラウドサービスの特徴

クラウドサービスには、利用形態や契約・運用の面で共通して押さえておきたい 特徴があります。

【クラウドサービスの主な特徴】

・インターネット経由:ブラウザやアプリからアクセスするのが基本です。

・従量課金・サブスクリプション:使った分だけ、または月額など定額で支払う 形が一般的です。

・保守・運用不要:サーバーやネットワークなどインフラの管理・運用は、サー ビスを提供する事業者側が行います。

・拡張性:利用量の増減に合わせて、容量や機能の追加・削減がしやすい設計に なっていることが多いです。

クラウドサービスの種類

クラウドサービスは分類すると「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つに分けることができます。1つずつ解説していきます。

クラウドサービスの種類
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SaaS

SaaSは「サース」または「サーズ」と読み、Software as a Serviceの略語となります。直訳すると、「ソフトウェアをサービスとして提供する」といったような意味になります。つまり、SaaSとはクラウドにあるソフトウェアをインターネットを経由して利用できるサービスのことを言います。

多くの方の身近にあるクラウドサービスはおおよそ「SaaS」に分類されます。GmailやDropboxなどです。近年では企業CMで「クラウド」を謳った 勤怠管理や会計ソフトなどを目にすることが増えたかと思いますが、それらもSaaSに分類されます。   

PaaS

PaaSは「パース」と読み、Platform as a Serviceの略語です。ソフトウェアを稼働させるためのOSやハードウェアなどのプラットフォームをインターネットを経由して提供するサービスのことです。大規模なデータセンターに、アプリケーションを稼動するためのネットワーク、ハードウェア、OSやミドルウェアなどのプラットフォームが用意され、企業ユーザがそのプラットフォーム上で開発をおこなうことができます。具体的な例としては、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などが挙げられます。

PaaSでは、ソフトウェアの開発に必要な環境はすでに用意されており、開発者はミドルウェアの運用管理をおこなう必要はありません。また、データ分析やAI、IoTといったクラウドサービスならではの機能をソフトウェアに簡単に組み込むことが可能です。

便利なツールを使いつつ、ある程度の自由度でソフトウェアを開発し、さらに運用負荷を軽減したい場合におすすめのサービスです。

IaaS

最後のIaaSは「イアース」「アイアース」などと読み、Infrastructure as a Serviceの略語となります。IaaSはサーバーやストレージ、ネットワークなどのハードウェアやインフラまでを提供するサービスです。具体的には、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)」やGoogleが提供する「Google Compute Engine(GCE)」などが挙げられます。

IaaSは非常にカスタマイズ性が高く、CPUやメモリ、ストレージなどのスペックを自由に選択でき、スケールアップにも柔軟に構成することが可能です。費用も構成したスペックに応じて利用した分だけを支払う形なので、安くなる場合が多いです。

しかし、その分ユーザーの管理範囲は多く、運用の負荷がSaaSやPaaSに比べて高くなります。サービス提供の迅速性やリソースの負荷に対する自由度、さらにシステムとしてのカスタマイズ性を確保したいときにIaaSの利用を検討すると良いでしょう。

クラウドサービスを利用するメリット

ここからは、クラウドサービスを利用するメリットをご紹介します。

初期費用や運用費用が抑えられる

クラウドサービスを利用することで初期費用や運用費用などのコストを抑えやすい点がメリットとして挙げられます。クラウドサービスは、一般的にサービス提供会社から提供されるソフトウェアの利用料を支払って使用します。自社でサーバやソフトウェアなどを購入する必要がないので、初期費用(設備投資)を安く抑えることが可能です。

さらに、自社で用意した場合は、サーバを稼働させるための維持費はもちろんソフトウェアのメンテナンスにかかる人件費や運用費などが発生します。しかし、クラウドサービスの場合は、このような費用は利用料に含まれており、運用費用を安く抑えることができます。

セキュリティ環境が整っている

「クラウドサービスはセキュリティ面が不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。自社で用意した方がクローズドな環境で運用することが可能なため、攻撃を受けたり不正アクセスや情報漏えいが起きたりするリスクは少ないとも言えます。

しかし、セキュリティ環境を維持し続けるためには高いセキュリティ基準や高い技術リソースや自社開発可能なコスト、インフラが必要となるため、負担が大きく容易ではありません。サービス提供会社は、死活問題となる情報漏えいなどの事故を発生させないために、これまで多くのセキュリティ対策を重ねてきました。

さらにセキュリティを重視するお客様も増えていることから、セキュリティ対策に力を入れるサービス提供会社が増え、クラウドサービスのセキュリティリスクは従来よりも低くなっています。外部機関による第三者認証を受けている企業も多く、常に最新のセキュリティ対策が施され、適切に管理・運営されているクラウドサービスもあるため、場合によっては自社で用意する環境以上に安全とも言えます。

しかし、クラウドサービスのセキュリティ基準は提供会社によっても異なります。信頼性の高いクラウドサービス提供会社を選定することが大切です。

サービス利用の場所を選ばない

クラウドサービスではない場合、サービスを利用する場合は会社からのみと限定され、オフィス外からアクセスできないなど、デメリットがあります。しかし、クラウドサービスはインターネットを経由して利用できるため、インターネットがつながっていれば場所やデバイスを選ばずに仕事ができます。

昨今の社会情勢の変化によりテレワークが増えている中、パフォーマンスを最大化するために活用が広がっているのが、クラウドサービスです。

クラウドサービスのデメリット

メリットの多いクラウドサービスですが、デメリットも少なからずあります。検討する際は、メリットとデメリットの両方を把握することが大切です。

サービスが停止する可能性がある

ネットワーク障害やサイバー攻撃などによるダメージによって、クラウドサービスの提供が難しくなり、サービスが停止される可能性が少なからずあります。もちろん、有料のクラウドサービスはセキュリティ対策を十分におこなっている場合がほとんどで、こうしたトラブルは頻繁には起こりません。

ただし、万が一に備え、セキュリティに不安がある事業者との契約は避けるよう慎重に判断する必要があります。

既存システムとの連携を考える必要がある

クラウドサービスが既存のシステムとうまく連携できない場合があります。クラウドサービスと既存システムが連携できれば、業務の効率化につながる可能性はありますが、そうでない場合はかえって非効率になる恐れもあり注意が必要です。場合によっては、システムの構成を理解し管理できるスタッフを配置せざるを得なくなるかもしれず、人件費の増加にもつながります。

クラウドサービスを利用する際は、こうした問題が解決できるかどうかも踏まえて、事業者を選び、既存システムと連携できるか導入前に確認するようにしましょう。

カスタマイズが難しい

クラウドサービスは既に出来上がったシステムで提供されることが多いため、自社の都合で仕様を変更するのは難しく、柔軟性に欠けてしまう傾向にあります。これは、クラウドサービスならではの特徴でもあり、一般的には個別のカスタマイズはあまり期待できないと考えておいた方が良いでしょう。

クラウドサービスの提供形態

クラウドサービスの提供形態は、主に以下の2種類に分けられます。具体的に見ていきましょう。

プライベートクラウド

プライベートクラウドとは、「専用に構築されるクラウドサービス」を指します。つまり、利用者がそのクラウドサービスを個別に利用することができるため、自由にカスタマイズしやすくなります。クラウドサービスの一般的なデメリットを解消できるポイントでもある一方で、費用負担は高くなりがちです。

また、プライベートクラウドのうち、オンプレミス型プライベートクラウドと呼ばれるものに関しては、より自由度の高いカスタマイズが可能となります。事業者から設備等の提供を受けず自社で整備する必要があり、コストも高額になりますが、自社の状況に沿ってセキュリティを強化するなどの自由が得られます。

パブリッククラウド

一般的に、「クラウドサービス」と呼ばれるものの大半は、このパブリッククラウドのことを指します。パブリッククラウドとは、不特定多数の利用者が同じ環境やアプリケーションの提供を受けることを指します。自社の都合でカスタマイズすることは難しいものの、そのぶん費用を抑えられるため、小規模の会社でも導入しやすい点がメリットです。

パブリッククラウドの場合、様々なプランが用意されているケースも多く、自社の求める機能に合わせて料金プランを選びやすくなっています。

クラウドサービスの運用形態

クラウドサービスを利用する場合、状況に応じて運用形態を選びます。主に、以下の3つの選択肢があり、利用者は自社にマッチしているものを判断していきます。

単体で運用する

クラウドサービスを単体で運用する形態です。プライベートクラウド、パブリッククラウドに関わらず、クラウドサービスを1つしか利用せず単体で活用する場合は、これに該当します。

連携させて運用する(ハイブリットクラウド)

プライベートクラウド、パブリッククラウド、自社のシステムを連携させることを、ハイブリッドクラウドと呼びます。例えば、顧客情報などの秘匿性の高い情報はオンプレミス型のプライベートクラウドで管理し、Webサイト構築・公開はパブリッククラウドでおこなうといった方法が挙げられます。

併用して運用する(マルチクラウド)

各事業者から提供されるクラウドサービスをそれぞれ契約して必要に応じて併用しながら使用する方法を指します。基本的に各クラウドサービスは連携させず、適切なものを選択しながら使用するのが一般的です。

まとめ

クラウドについて、ご理解いただけましたでしょうか。今回は「クラウド」の基礎をご紹介しました。クラウドを利用したサービスは年々増加し、利用している企業も数多くあります。

運用費用が抑えられたり、セキュリティ対策が整っていたり、と企業にとってのメリットも多い「クラウド」のサービス。弊社のメール配信サービスもクラウドで提供しており、多くのお客様にご利用いただいています。

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