クラウドサービスとは?クラウド初心者向けに概念や種類を徹底解説
ここ数年で拡大し、テレビCMでも目にすることが多くなった「クラウド」サービス。
しかし、「クラウド」自体の定義はとても広く曖昧になっており、明確に説明できる方も少ないのではないでしょうか。
今回はこの「クラウド」について、解説いたします。
目次[非表示]
- 1.クラウドとは?どのような考え方なのか
- 2.クラウドサービスの種類
- 3.なぜ、クラウドサービスを利用する必要があるのか?
- 3.1.初期費用や運用費用が抑えられる
- 3.2.セキュリティ環境が整っている
- 3.3.サービス利用の場所を選ばない
- 4.まとめ
クラウドとは?どのような考え方なのか
「クラウド」とは、ユーザがソフトウェアを手元に持たなくても、インターネット上で必要に応じてサービスを利用できる仕組みを言います。そして、この仕組みを用いて提供されるサービスを「クラウドサービス」と呼びます。
クラウド部分を「雲」で表されているシステム構成図を見たことはありませんか?
これは「クラウド」という由来にも直結しますが、システム構成図でネットワークの向こう側を表す際に、繋がった先の場所が見えないネットワークを技術者が雲(cloud)の絵で表すようになったため、という説があります。
クラウドサービスは現在個人向け、法人向け両方に展開されています。
個人向けの身近なクラウドサービスの例としては、GmailやiCloudといったメールサービスからオンラインゲーム、またTwitterやInstagramといったSNSなどが挙げられます。
これらは自分のパソコンやスマホにソフトウェアをダウンロードすることなく、データや写真、メモ、予定表など、すべてがインターネット上のサーバに保存され、好きなタイミングで見ることができます。
一方、企業向けのクラウドサービスの例としては、会計ソフトや営業管理ツールなどが挙げられます。
業務の効率化やコスト削減を目的として、大企業から中小企業まで業種・業態にかかわらず、導入が進んでおり、実際に業務で使っている方も多いのではないでしょうか。
このようにクラウドサービスは身近な存在になってきており、日々クラウド化が進んでいます。
クラウドサービスの種類
クラウドサービスは分類すると「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つに分けることができます。
1つずつ解説していきます。
SaaS
SaaSは「サース」または「サーズ」と読み、Software as a Serviceの略語となります。
直訳すると、「ソフトウェアをサービスとして提供する」といったような意味になります。
つまり、SaaSとはクラウドにあるソフトウェアをインターネットを経由して利用できるサービスのことを言います。
多くの方の身近にあるクラウドサービスはおおよそ「SaaS」に分類されます。GmailやDropboxなどです。
近年では企業CMで「クラウド」を謳った 勤怠管理や会計ソフトなどを目にすることが増えたかと思いますが、それらもSaaSに分類されます。
PaaS
PaaSは「パース」と読み、Platform as a Serviceの略語です。
ソフトウェアを稼働させるためのOSやハードウェアなどのプラットフォームをインターネットを経由して提供するサービスのことです。
大規模なデータセンターに、アプリケーションを稼動するためのネットワーク、ハードウェア、OSやミドルウェアなどのプラットフォームが用意され、企業ユーザがそのプラットフォーム上で開発を行うことができます。
具体的な例としては、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などが挙げられます。
PaaSでは、ソフトウェアの開発に必要な環境はすでに用意されており、開発者はミドルウェアの運用管理を行う必要はありません。
また、データ分析やAI、IoTといったクラウドサービスならではの機能をソフトウェアに簡単に組み込むことが可能です。
便利なツールを使いつつ、ある程度の自由度でソフトウェアを開発し、さらに運用負荷を軽減したい場合におすすめのサービスです。
IaaS
最後のIaaSは「イアース」「アイアース」などと読み、Infrastructure as a Serviceの略語となります。
IaaSはサーバーやストレージ、ネットワークなどのハードウェアやインフラまでを提供するサービスです。
具体的には、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)」やGoogleが提供する「Google Compute Engine(GCE)」などが挙げられます。
IaaSは非常にカスタマイズ性が高く、CPUやメモリ、ストレージなどのスペックを自由に選択でき、スケールアップにも柔軟に構成することが可能です。
費用も構成したスペックに応じて利用した分だけを支払う形なので、安くなる場合が多いです。
しかし、その分ユーザーの管理範囲は多く、運用の負荷がSaaSやPaaSに比べて高くなります。
サービス提供の迅速性やリソースの負荷に対する自由度、さらにシステムとしてのカスタマイズ性を確保したいときにIaaSの利用を検討すると良いでしょう。
なぜ、クラウドサービスを利用する必要があるのか?
ここからは、クラウドサービスを利用するメリットをご紹介します。
初期費用や運用費用が抑えられる
クラウドサービスを利用することで初期費用や運用費用などのコストを抑えやすい点がメリットとして挙げられます。
クラウドサービスは、一般的にサービス提供会社から提供されるソフトウェアの利用料を支払って使用します。
自社でサーバやソフトウェアなどを購入する必要がないので、初期費用(設備投資)を安く抑えることが可能です。
さらに、自社で用意した場合は、サーバを稼働させるための維持費はもちろんソフトウェアのメンテナンスにかかる人件費や運用費などが発生します。
しかし、クラウドサービスの場合は、このような費用は利用料に含まれており、運用費用を安く抑えることができます。
セキュリティ環境が整っている
「クラウドサービスはセキュリティ面が不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。
自社で用意した方がクローズドな環境で運用することが可能なので、攻撃を受けたり、不正アクセスや情報漏えいが起きるリスクは少ないとも言えます。
しかし、セキュリティ環境を維持し続けるためには、高いセキュリティ基準や高い技術リソース、自社開発可能なコストやインフラが必要となるため、負担が大きく容易ではありません。
サービス提供会社は、死活問題となる情報漏えいなどの事故を発生させないために、これまで多くのセキュリティ対策を重ねてきました。
さらにセキュリティを重視するお客様も増えていることから、セキュリティ対策に力を入れるサービス提供会社が増え、クラウドサービスのセキュリティリスクは従来よりも低くなっています。
外部機関による第三者認証を受けている企業も多く、常に最新のセキュリティ対策が施され、適切に管理・運営されているクラウドサービスもあるため、場合によっては自社で用意する環境以上に安全とも言えます。
しかし、クラウドサービスのセキュリティ基準は提供会社によっても異なります。信頼性の高いクラウドサービス提供会社を選定することが大切です。
サービス利用の場所を選ばない
クラウドサービスではない場合、サービスを利用する場合は会社からのみと限定され、オフィス外からアクセスできないなど、デメリットがあります。
しかし、クラウドサービスは、インターネットを経由して利用できるので、インターネットがつながっていれば場所やデバイスを選ばずに仕事ができます。
昨今の社会情勢の変化により、テレワークが増えている中、パフォーマンスを最大化するために活用が広がっているのが、クラウドサービスです。
まとめ
クラウドについて、ご理解いただけましたでしょうか。
今回は「クラウド」の基礎をご紹介しました。
クラウドを利用したサービスは年々増加し、利用している企業も数多くあります。
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